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「第16回 itSMF Japanコンファレンス/EXPO」
講演レポート

DX推進×2025年

デジタルトランスフォーメーションの推進と政策展開
-データとデジタル技術による企業競争力強化の観点から-

「2025年の崖」というキーワードで話題となった「DXレポート」。その編纂者である経済産業省の和泉憲明氏が、「第16回 itSMF Japanコンファレンス/EXPO」に登壇。「デジタルトランスフォーメーションの推進と政策展開」と題したその講演内容をレポートします。

経済産業省 商務情報政策局 情報産業課
ソフトウェア産業戦略企画官
和泉憲明氏

静岡大学情報学部 助手、産総研サイバーアシスト研究センター研究員、(同)情報技術研究部門・上級主任研究員などを経て2017年8月より現職。博士(工学)(慶應義塾大学)。

これからではない。すでにDXは始まっている

和泉氏はDXの研究のために、数多くの有識者、業界団体にヒアリングを実施してきました。そこで奇妙な違和感を覚えたといいます。

「DXのはじまり、あるいは厳密な定義ばかりを語られる方が多く、悪く言えば“言葉遊び”ではないかと感じました。DXは、5年後、10年後の未来に起きるものではありません。すでに始まっており、完了しているケースさえあることを認識して欲しいと考えています」(和泉氏)

DXが進む中で、企業に必要なのは明確なビジネスモデルを描くことだといいます。

「経営陣がDXに対する投資をいかに刈り取るか、ビジネスモデルをはっきりと描くことが大切です。日本のIT産業が顧客や社会のニーズに耳を傾けず、技術論に終始するのは産業戦略として正しくないのではないかという想いがあります」(和泉氏)

「2025年の崖」が生まれた背景とは

DXレポートで最も伝えたかったこと、それは「日本におけるIT投資のあり方」だといいます。アメリカのIT産業は年6%ペースで堅調に伸び、中国は年15%ペースで成長していますが、日本はわずか年1%と伸び悩んでいます。「その中で、“現行システムのおもりをしている場合ではない”という想いで書かれたのがDXレポートです」(和泉氏)

DXレポートには、2025年を迎えると、20年以上稼働するレガシーなシステムが6割以上を占め、それに起因するトラブルのリスクは3倍になり、最大で年間12兆円の経済損失が生じる「崖」を迎える可能性があるという予測があります。

それなりに投資があるITシステムは健康に見えて、自覚症状のない生活習慣病を患っているかもしれない。このまま放置すれば、いつか突然死を迎えるリスクもある。そうした警鐘を鳴らすために、あえて「2025年の崖」という表現を選んだと和泉氏は語ります。

生き残りの鍵は「DX推進指標」「サービスマネジメント」

DXレポートには、DX実現に向けたロードマップが明示されています。和泉氏は、2020年のフェーズでは自社におけるDX推進の状況を把握することが重要だと語ります。

「経営者はITのトレンドを把握しており、積極的な提案をしてこない現場に不満を持っている一方、現場は経営がITに対する知見がないと認識しています。双方の隔たりを埋めることが大切です。そこで、経産省は、企業における課題を見える化し、Dの達成度を自己診断できる『DX推進指標』を2019年7月に発表しました。これは全35の指標をもとに、DX推進の成熟度をレベル0~5までの6段階で評価するものです」(和泉氏)

戦略的なDXの推進において、データとデジタル技術の活用は不可欠のもの。その判断基準となる経営戦略とサービスマネジメントは表裏一体の関係にあるといいます。

「これからは経営戦略を指針に、サービスマネジメントで計画を実施し、不具合が出たら修正をかけていくというサイクルが重要になります。今後もDX推進指標によるベンチマーク化を進めながら、みなさんに必要な政策を進めていきたいと考えています」(和泉氏)

本記事の内容をもっと詳しく知りたいという方のために、日本におけるDX推進の成熟度の現状など、講演内容をさらに詳しくまとめた「ホワイトペーパー」を用意しております。ぜひダウンロードの上ご覧くださいませ。

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