中堅企業の監視運用保守アウトソーシング|
失敗しない選び方と費用比較

中堅企業において、複雑化するITシステムの監視運用保守は、情報システム部門の大きな負担となっています。
限られた人材で24時間356日の安定稼働を維持するのは容易ではありません。

本記事では、中堅企業が監視運用保守のアウトソーシングを成功させるための、委託先の選び方や費用相場、注意点について詳しく解説します。
アウトソーシングを有効活用し、社内リソースをコア業務へ集中させるための一助としてください。

中堅企業の監視運用保守アウトソーシング|失敗しない選び方と費用比較

中堅企業の情シスが抱える課題|監視運用保守のアウトソーシングが必要な理由

多くの中堅企業では、情報システム部門が「ひとり情シス」や数名の兼任担当者で運営されているケースが少なくありません。
その結果、担当者への業務集中による属人化、24時間356日の故障対応による疲弊、高度化するセキュリティ脅威への対応困難といった課題に直面しています。

日々の保守運用に追われ、本来注力すべきDX推進などの戦略的な業務に着手できないことも大きな問題です。
これらの課題を解決する有効な手段として、アウトソーシングの活用が求められています。

担当者への業務集中による属人化のリスク

中堅企業の情報システム部門では、特定の担当者だけがシステムの詳細な仕様や運用手順を把握している「属人化」が起こりがちです。
この状態は、担当者が不在の際にトラブルが発生すると対応が遅れたり、最悪の場合は対応不可能になったりするリスクをはらんでいます。
さらに、その担当者が退職してしまうと、システムの運用ノウハウが失われ、事業継続に深刻な影響を及しかねません。

業務プロセスがブラックボックス化し、改善や効率化が進まない原因にもなります。
アウトソーシングを活用することで、業務手順が標準化され、組織としてシステムを管理する体制を構築できます。

24時間365日の故障対応による担当者の疲弊

システムの安定稼働を維持するためには、夜間や休日を問わず故障に備える必要があります。
しかし、限られた人数の情シス担当者が24時間365日の対応を行うのは、身体的・精神的に大きな負担となります。
いつ発生するかわからない故障に備え続けるストレスは、担当者のモチベーション低下や疲弊を招き、離職につながるリスクも高まります。

その結果、さらなる人手不足と属人化を招くという悪循環に陥る可能性も否定できません。
専門業者にアウトソーシングすれば、深夜や休日の対応を任せられるため、社員の負担を大幅に軽減し、健全な就労環境を維持できます。

高度化するセキュリティ脅威への対応が困難

ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃は年々巧妙化・高度化しており、その標的は大手企業だけでなく、セキュリティ対策が手薄になりがちな中堅企業にも拡大しています。

しかし、社内にセキュリティ専門の人材を確保し、常に最新の脅威情報を収集して対策を講じ続けることは、多くの中堅企業にとって困難です。専門知識を持つアウトソーシング先を活用すれば、プロの知見に基づいたセキュリティ監視や脆弱性管理、インシデント発生時の迅速な対応が可能となり、自社だけでは実現が難しい強固なセキュリティ体制を構築できます。

本来注力すべきDX推進などのコア業務が進まない

現代の情シス部門には、システムの安定稼働を維持する「守りのIT」だけでなく、ビジネス成長に貢献するデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進といった「攻めのIT」の役割が期待されています。

しかし、日々の故障対応や問い合わせ対応、サーバーの監視といった運用保守業務に追われ、新しい技術の導入検討や業務改善提案といった、より付加価値の高いコア業務に時間を割けないのが実情です。
監視運用保守をアウトソーシングすることで、情シス担当者は定型業務から解放され、企業の競争力強化に直結する戦略的な取り組みにリソースを集中させられます。

監視運用保守をアウトソーシングする3つのメリット

監視運用保守をアウトソーシングすることは、単なる業務の外部委託にとどまらず、企業経営に多くのメリットをもたらします。
専門業者が持つ高度な知識と経験を活用することで、システムの安定稼動とセキュリティレベルの向上が期待できます。

また、情報システム部門の担当者が日々の定型業務から解放されるため、DX推進といった企業の成長に直結するコア業務へリソースを再配分することが可能になります。
さらに、専門人材の採用や育成にかかるコストを削減し、IT関連費用を最適化できる点も大きな利点です。

プロの専門知識でシステムの安定稼働とセキュリティを強化できる

アウトソーシングベンダーは多様なシステムの運用保守を手がけてきた経験から、豊富な知識とノウハウを蓄積しています。

専門のエンジニアが24時間365日体制で監視を行うことで、故障の予兆を早期に検知し、迅速な対応でサービス停止時間を最小限に抑えることが可能です。また、セキュリティに関しても最新の脅威動向を常に把握しており、プロアクティブな対策を講じることで、自社だけでは対応が難しい高度なサイバー攻撃からもシステムを保護します。これにより、システムの安定稼働とセキュリティレベルの双方を大幅に向上させ、事業継続性を高めることができます。

運用保守業務から解放されコア業務にリソースを集中できる

情報システム部門の担当者が、故障対応や問い合わせ対応といった日々の運用保守業務に忙殺されてしまうと、企業の将来を見据えた戦略的なIT活用に取り組む時間がなくなります。
監視運用保守のような定型業務を外部の専門家に委託することで、社内の貴重な人材リソースを解放できます。

空いた時間を、業務プロセスの改善提案、新規システムの企画・導入、データ活用基盤の構築といった、企業の生産性向上や競争力強化に直接貢献するコア業務に振り向けることで、情報システム部門はコストセンターからプロフィットセンターへと変革を遂げることが可能となります。

人材採用や育成にかかるコストを削減し費用を最適化できる

24時間365日体制の監視運用保守を自社で実現しようとすると、複数名の専門スキルを持つ人材を採用し、継続的に教育していく必要があります。
これには多大な採用コストと人件費、育成にかかる時間が必要です。

アウトソーシングを活用すれば、自社で人材を雇用することなく、必要なスキルとリソースをサービスとして利用できます。
これにより、人件費という固定費を、事業の状況に応じて変動させられるサービス利用料へと転換できます。
結果として、ITインフラの維持管理にかかるトータルコストを最適化し、経営資源をより有効に活用することにつながります。

アウトソーシングで後悔しないための注意点と対策

アウトソーシングで後悔しないための注意点と対策

監視運用保守のアウトソーシングは多くのメリットがある一方、委託先の選定や運用方法を誤ると失敗につながる可能性があります。
特に注意すべきは、情報漏洩のリスク、業務内容が見えなくなるブラックボックス化、そして委託先とのコミュニケーション不足です。

これらの問題を回避するためには、契約前に委託先のセキュリティ体制を厳格に確認し、情報共有の仕組みを整え、責任分界点を明確に定義することが不可欠です。
事前の対策を講じることで、アウトソーシングの効果を最大化できます。

情報漏洩を防ぐためのセキュリティ管理体制の確認

システムの監視運用保守を外部に委託するということは、自社の重要な情報資産へのアクセスを許可することを意味します。
そのため、委託先が信頼に足るセキュリティ管理体制を構築しているかどうかの確認は極めて重要です。

具体的には、ISMS(ISO27001)やプライバシーマークといった第三者認証の取得状況を確認することが客観的な指標となります。
また、データセンターの物理的セキュリティ対策、アクセス権限の管理ルール、従業員へのセキュリティ教育の実施状況、そして万が一インシデントが発生した際の報告体制や対応フローについても、契約前に書面で明確にしておく必要があります。

業務内容がブラックボックス化するのを防ぐ情報共有の仕組み

アウトソーシング先に業務を「丸投げ」してしまうと、どのような作業が行われているのか、どのような故障がどのような経緯で解決されたのかといった情報が社内に蓄積されず、業務内容がブラックボックス化する恐れがあります。

この状態では、将来的に委託先を変更したり、内製化に戻したりする際のハードルが非常に高くなります。
これを防ぐためには、定期的なレポート提出や定例報告会の実施を契約に盛り込むことが重要です。
故障対応履歴や作業手順書といったドキュメントを共有してもらい、常に社内で状況を把握できる仕組みを構築しておくべきです。

委託先との円滑なコミュニケーション方法の確立

アウトソーシングを成功させるには、委託先を単なる外注先としてではなく、自社のIT部門の延長線上にいるパートナーとして捉え、良好な関係を築くことが不可欠です。
そのためには、円滑なコミュニケーションの仕組みを確立しておく必要があります。

平常時の報告ルートや連絡手段、緊急時のエスカレーションフローなどを事前に明確に定義しておくことが重要です。
また、どこまでの業務を委託し、どこからが自社の責任範囲なのかを明確にするSLA(サービス品質保証契約)を締結し、両社で共通認識を持つことで、認識の齟齬によるトラブルを防ぐことができます。

【中堅企業向け】失敗しない監視運用保守アウトソーシング先の選び方5つのポイント

中堅企業が監視運用保守のアウトソーシング先を選ぶ際には、価格の安さだけで判断するのではなく、多角的な視点での比較検討が不可欠です。
自社のシステム環境や事業規模に合ったサービス範囲を提供しているか、料金体系は明確で予算に見合っているか、そして同規模・同業種の導入実績が豊富かといった点は重要な判断基準となります。

加えて、信頼できるセキュリティ対策が講じられているか、万が一の際に迅速に対応できるサポート体制が整っているかも、安定した運用を実現する上で欠かせないポイントです。

ポイント1:自社のシステム環境や規模に合ったサービス範囲か

まず、アウトソーシング先が自社のシステム環境に対応しているかを確認する必要があります。
オンプレミスのサーバー、AWSやAzureなどのクラウドサービス、あるいはその両方を組み合わせたハイブリッド環境など、企業によってシステム構成はさまざまです。
特定のクラウドに強みを持つベンダーや、オンプレミス環境の実績が豊富なベンダーなど、各社の得意分野は異なります。
また、監視対象のサーバー台数やネットワーク機器の数といった規模感も重要です。

自社のニーズ(監視のみか、故障対応まで任せるかなど)を明確にし、提供されているサービス範囲と合致するかを慎重に見極めることが選定の第一歩となります。

ポイント2:料金体系は明確で予算に見合っているか

アウトソーシングの料金体系は、主に月額固定制と従量課金制に大別されます。
月額固定制は毎月のコストが一定で予算管理がしやすい一方、従量課金制は利用した分だけ支払うため無駄が少ないという特徴があります。
自社のシステムの故障発生頻度や問い合わせ件数を予測し、どちらの体系が適しているかを検討しましょう。

また、基本料金に含まれるサービス内容と、時間外対応や高度な調査などで追加費用が発生するオプションサービスの範囲を事前に詳しく確認することが重要です。
複数の業者から見積もりを取得し、サービス内容とコストのバランスが最も良いパートナーを選ぶべきです。

ポイント3:自社と同規模・同業種の導入実績が豊富か

自社と同じくらいの規模感を持つ中堅企業や、同じ業界の企業への導入実績が豊富かどうかは、信頼できるパートナーを見極める上で重要な指標となります。

中堅企業特有の限られた予算や人員といった課題、あるいは業界固有のシステム要件や商習慣への理解があるベンダーであれば、よりスムーズなコミュニケーションと的確なサポートが期待できます。公式サイトで公開されている導入事例を確認するだけでなく、可能であれば直接問い合わせて具体的な実績についてヒアリングしてみるのも有効です。過去の実績は、そのベンダーが持つノウハウや問題解決能力を測るための貴重な情報源となります。

ポイント4:国際規格に準拠した信頼できるセキュリティ対策か

システムの運用を外部に委託する以上、委託先のセキュリティ対策が信頼できるものであることは絶対条件です。その信頼性を客観的に判断する基準として、ISMS(ISO/IEC27001)やプライバシーマークといった第三者認証の取得状況が挙げられます。

ISMS(ISO/IEC27001)を取得している企業は、情報セキュリティに関する管理・運用体制が国際的な標準規格を満たしていることの証明になります。また、プライバシーマークは日本独自の制度であり、個人情報保護に関する管理体制が一定の基準を満たしていることの証明となります。認証の有無に加えて、データセンターの物理的なセキュリティレベルや、インシデント発生時の対応プロセスについても具体的に確認し、自社の重要な情報を安心して預けられるかを見極めることが重要です。

ポイント5:緊急時にも迅速に対応できるサポート体制か

システム故障は、発生から復旧までの時間が長引くほどビジネスへの影響が大きくなります。
そのため、緊急時にいかに迅速かつ的確に対応してくれるかは、アウトソーシング先を選ぶ上で非常に重要なポイントです。
24時間365日対応の窓口が用意されているか、電話やチャットなど複数の連絡手段が確保されているかを確認しましょう。

また、故障の深刻度に応じたエスカレーションフローが明確に定められているか、復旧までの目標時間(RTO)がSLA(サービス品質保証契約)に明記されているかもチェックすべきです。
契約前にサポート体制の詳細を確認し、万が一の事態にも安心して任せられる体制かを見極める必要があります。

監視運用保守アウトソーシングの費用相場と料金体系

監視運用保守アウトソーシングの費用相場と料金体系

監視運用保守のアウトソーシング費用は、委託する業務範囲、対象システムの規模や複雑さ、求めるサービスレベルによって大きく変動します。
料金体系は、毎月の支払額が一定の「月額固定制」と、対応件数などに応じて変動する「従量課金制」が主流です。

中堅企業がアウトソーシングを検討する際は、自社の状況に合った料金体系を選び、サービス内容と費用のバランスを見極めることが重要です。
コストを適切に管理しつつ、必要な品質を確保するためのポイントを理解しておきましょう。

契約形態別の料金体系(月額固定制・従量課金制)

月額固定制は監視対象のサーバー台数やサービス範囲に応じて毎月一定の料金を支払う形態です。
予算が立てやすく毎月のコスト管理が容易になるというメリットがあります。
一方トラブル発生が少ない月でも費用は変わらないため状況によっては割高に感じる可能性も考えられます。

対して従量課金制は発生したアラートの件数やエンジニアの対応時間に基づいて料金が算出される形態です。
利用頻度が低い場合はコストを抑えられますが大規模な故障が発生した際には費用が高額になるリスクがあります。
どちらの形態が適しているかはシステムの安定性や予算計画に応じて判断する必要があります。

中堅企業におけるサービス内容別の費用目安

中堅企業向けの監視運用保守の費用は、サービス内容によって大きく異なります。
最も基本的なサーバーやネットワークの死活監視のみであれば、サーバー1台あたり月額数千円から数万円が目安です。

これに加えて、故障発生時の一次切り分けや手順書に基づく復旧対応までを委託する場合、月額10万円から30万円程度が相場となります。
さらに、パッチ適用や設定変更といった日常的な運用業務の代行まで含めると、月額30万円以上になることが一般的です。
これはあくまで目安であり、対象システムの規模、複雑さ、24時間365日対応の有無などによって費用は変動します。

コストを抑えつつ品質を担保する3つのコツ

コストを抑えながら質の高いアウトソーシングを実現するには、いくつかのコツがあります。
1つ目は、委託範囲を明確にすることです。
社内で対応可能な業務と、専門家の支援が必要な業務を切り分け、本当にアウトソーシングが必要な部分に絞って依頼することで、不要なコストを削減できます。

2つ目は、複数の業者から相見積もりを取ることです。
各社のサービス内容と見積金額を比較検討し、コストパフォーマンスに優れたパートナーを選定します。

3つ目は、可能な限り標準化されたサービスプランを活用することです。
オーダーメイドのフルカスタマイズは高額になりがちですが、多くのベンダーが提供する標準プランで要件を満たせる場合も少なくありません。
たとえばNTTドコモビジネスのX Managed(クロスマネージド)は、監視運用業務のベストプラクティスを標準化したセミオーダー型のマネージドサービスです。必要とするサービスレベルに応じて自由に選択・組み立てが可能なサービス/メニューをラインアップしているのが特徴です。

監視運用保守のアウトソーシングに関するよくある質問

監視運用保守のアウトソーシングを具体的に検討し始めると、さまざまな疑問が生じます。
「自社のような小規模なシステムでも依頼できるのか」「導入までにはどれくらいの時間がかかるのか」「社内の担当者とはどのように役割を分担すれば良いのか」といった点は、多くの担当者が抱く共通の疑問です。

ここでは、アウトソーシングの導入をスムーズに進めるために、これらのよくある質問に対して簡潔に回答します。

小規模なシステムの一部だけでもアウトソーシングは可能ですか?

はい、可能です。
多くのベンダーでは、サーバー1台、ネットワーク機器1台といった小規模な単位からのアウトソーシングに対応しています。

夜間や休日のみの監視、特定のアプリケーションの運用だけを委託するなど、必要な業務範囲に絞った依頼もできます。
まずは負担の大きい業務やクリティカルなシステムからスモールスタートし、効果を検証しながら対象範囲を拡大していくアプローチがおすすめです。

導入までにはどのくらいの期間がかかりますか?

対象システムの規模や委託範囲によって異なりますが、一般的には契約からサービス開始まで1カ月から3カ月程度が目安です。
主なプロセスとして、ヒアリングによる現状把握、要件定義、運用設計、監視ツールの設定・テスト、そして本番稼働という流れになります。

既存の運用手順書などが整備されており、委託先との情報共有がスムーズに進めば、より短期間での導入も可能です。

社内のIT担当者との役割分担はどのようにすれば良いですか?

委託先との間で責任分界点を明確にすることが最も重要です。
一般的には、サーバーの死活監視や定型的な故障対応、問い合わせの一次受付などを委託先に任せます。

一方、社内担当者は、委託先の管理(ベンダーコントロール)や、高度な判断が必要な故障対応、システムの企画・改善といった、より戦略的な業務に注力する体制を築くのが理想的です。
定期的な報告会などを通じて密に連携を図ることが成功の鍵となります。

まとめ

まとめ

中堅企業が抱える情報システム部門の課題、特に属人化や24時間365日対応の負担、高度化するセキュリティ脅威への対応は、監視運用保守をアウトソーシングすることで効果的に解決できます。
専門家の知見を活用することでシステムの安定稼働とセキュリティを強化し、社内リソースをDX推進などのコア業務へ集中させることが可能になります。

アウトソーシング先を選定する際は、価格だけでなくサービス範囲や実績、サポート体制などを多角的に評価し、自社の状況に最適なパートナーを見つけることが重要です。
適切なパートナーとの連携は、守りの保守運用を効率化し、企業の成長を加速させるための戦略的な一手となります。

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