
Arcstar Universal One
導入事例
日本ソフト開発株式会社

日本ソフト開発株式会社
水環境の保全に寄与する遠隔監視の取り組み、
有線からモバイル回線への移行が生むメリットとは
下水処理施設の稼働状況をクラウドで可視化する“遠隔監視システム”のM2M回線に
現在、地方自治体が管理する大半の上下水処理施設では、専用線や公衆回線を使った遠隔監視により施設の管理を行っている。しかし、平成の大合併と呼ばれる市町村の再編に伴い、各自治体の管理エリアが広域化。管理する施設の数も増加した。さらに少子高齢化、環境保全、災害対策といった観点からも、この管理のありかたはコスト面、効率面での転機を迎えている。滋賀県で水環境の保全に早くから取り組んできた日本ソフト開発株式会社様(以下、日本ソフト開発)では、この転機をチャンスととらえ、クラウド型遠隔監視サービスの足回りに“Arcstar Universal Oneモバイル”を採用。有線からモバイル回線への移行+業務改善によるコスト削減効果をセールスポイントに、日本全国、さらにはグローバルへの事業拡大を目指している。
課題
- 有線回線の敷設が困難、通信がつながりにくい山間部に対象設備が多い
- 設備の故障を遠隔から迅速かつ正確に知るためにネットワークの品質を重視したい
- 管理対象となる設備台数の増加に伴い、ふくらむ顧客の管理コストを抑えたい
- 回線はもちろん、クラウドの基盤となるデータセンターにも高い信頼性が必要

対策
- 日本全国でつながる高品質なM2M回線“Arcstar Universal Oneモバイル”と“Bizホスティング”の一括提案で安定したクラウド型遠隔監視を実現

効果
- 国内人口カバー率100%のFOMA®網により山間部の設備も広くカバー
- クローズドな閉域接続により安全かつ安定してつながる通信環境を実現
- 有線からモバイル回線への移行提案でシビアなコスト削減への要求に対応
- 回線、サーバーホスティングの窓口一本化によりサービスの信頼性を向上

結果
クラウドによる設備管理の効率化、モバイル回線によるコスト削減効果により顧客への導入が加速。
長年培ってきたノウハウを活かし、今後は国内、さらにはグローバルな水環境の保全に取り組んでいく。

導入ソリューション
導入の背景
水源にある企業としての強みを活かし、クラウド型遠隔監視サービスへ参入
滋賀県米原市に本社を置く日本ソフト開発は、地域密着型の企業として地元の官公庁の基幹系業務のシステム開発をはじめ、製造、流通業向けにERPなどを提供。近年ではビックデータ、クラウドといったトレンドを取り入れた戦略商品で、滋賀から日本全国、グローバルへ商圏を拡大する挑戦を続けている。

京阪神の水がめ、琵琶湖を持つ滋賀県では水環境の保全に古くから取り組んでいる。同社でも約25年前より地元自治体が運用する下水処理施設の水質保全、管理の効率化に向けた遠隔監視システムの開発に着手。長年蓄積したノウハウを活かし、現在では全国の自治体、約3,000施設への導入実績を持つ。同社 環境ICTプロジェクト本部 執行役 本部長 西川勉氏は、注力分野である上下水道の施設管理に転機が訪れていると分析する。
「市町村の合併で、より広いエリアで多数の施設管理が必要になっています。さらに施設の老朽化、人員不足、厳しい環境基準、災害対策への対応など、多くの課題をクリアする新たな遠隔監視のしくみが求められているのです」(西川氏)。こうしたニーズに応えて、同社では2012年にクラウド型遠隔監視サービス “SOFINET CLOUD”(ソフィネットクラウド)を提供開始。これはPC、タブレット、スマートフォンからの柔軟な遠隔監視を可能にするサービスだ。
“SOFINET CLOUD”の施設監視画面
下水処理施設全体の稼働状況、水位、水質などがいつでも、どこからでもPCやタブレットなどで視覚的に確認できる。

同本部 環境ソリューション推進グループ グループ長 野原徹氏は、これまでの上下水処理施設では専用回線など有線を使った遠隔監視システムが主流でした。施設の異常を音声警報で知らせるシンプルなものから高価な監視設備まで。これらを有線からモバイル回線へ移行して通信コストを抑え、さらにクラウド型のサービスに置き換えて管理を効率化するのが私たちのミッションです。お客さまのニーズをウォンツにシフトするサービスだと実感しています」と自信を見せるように、“SOFINET CLOUD”は提供開始から1年足らずで約350施設に導入されている。
“SOFINET CLOUD”の特長

選択の決め手
エリア、品質、コスト下水処理施設の遠隔監視に必要な条件を高いレベルでクリア

“SOFINET CLOUD”を提供するにあたり、施設とデータセンターを結ぶネットワークの選定には慎重な検討を重ねたという。「弊社サービスの対象となる上下水処理施設は光回線などの有線が敷設できない、無線でもつながりにくい山間部に立地している場合が多く、このため提供エリアが広いモバイルネットワークは大前提の条件でした」と当時を振り返る。加えて「いかなる自然環境下においても迅速、確実に施設の警報をデータセンターに伝送できる通信品質を重視しました。ときには数百施設もの膨大な回線が必要となるお客さまの通信コストをいかに抑えるかも課題でした」と続ける。以前より同社の遠隔監視システムではNTTドコモのFOMA®網をモバイルネットワークに利用。提供エリアの広さ、通信品質を高く評価していたという。
「FOMA®網が使えることを前提に、クラウドでの利用に最適なサービスを検討した結果、エリア、品質、コストの条件を高得点でクリアしたのが“Arcstar Universal Oneモバイル”です。こんなに魅力的なサービスはほかにないと実感しました」と野原氏は選択の経緯を語る。
日本全国をカバーする“Arcstar Universal Oneモバイル”の提供エリアの広さは、山間部に監視対象の施設を多く持つ同社のニーズを満たした。さらに閉域通信による安定した監視、データ集計、30MBまでの無料通信が付いた従量プランも決断の後押しになった。
理想的な回線を手に入れた同社では“SOFINET CLOUD”のファーストユーザーとなる地方自治体の入札案件に向け、NTTコミュニケーションズとともに勝つための準備を始めた。
遠隔映像監視に最適な“Arcstar Universal Oneモバイル”



サービス構成イメージ

評価と展望
見事に落札。導入後の評判も上々。次なる狙いはライフラインの水道事業
“SOFINET CLOUD”の門出を飾るため、同社では目の前の入札案件に全力で立ち向かった。「通信端末、回線、ホスティング設備にいたるまで、すべてにおいて信頼性の高いサービスを迅速に提供いただきましたので、約1年かけて何度も打ち合わせ、動作検証を重ねることができました。おかげで覚悟を持って入札に臨むことができました。無事落札との報告を受けいちばんにNTTコミュニケーションズさんに報告したことを、いまでも覚えています」(野原氏)。
同社が埼玉県某市向けに導入した雨水排水施設および下水道マンホールポンプのクラウド監視サービスは、導入後の評価も高い。「これまでは施設の警報を専用回線により常時監視していたため、通信料をはじめ多大な維持管理コストが必要でした。今回導入したクラウド型の遠隔監視システムでは、低コストで必要なとき、必要な情報をどこからでも取得でき、さらに平常時の運転データも蓄積できるため、帳票管理などに必要なデータを現地に赴くことなく確認できて大変助かっています」という、お客さまのうれしい声を野原氏が紹介してくれた。
「まだ保守サービスを一度も利用する機会がないほど、通信は安定しています。しかも、いまのところ無料通信分で通信料も納まっているため、想定外の出費もなく安心して使えています」と野原氏が語るように、“Arcstar Universal Oneモバイル”の提供から1年を経ても、通信品質、コストの両面で大きな収穫をもたらしているようだ。
今後同社では上水、いわゆる水道事業における遠隔監視システムに注力していく。飲み水となる水道は人々の暮らしを支えるライフラインであるため、24時間体制で大容量のデータを常時監視する必要がある。「水道施設を遠隔監視できる大容量モバイル定額プランの提供に期待しつつ、“SOFINET CLOUD”の導入実績を5,000件、1万件と大きく伸ばしていきたい」と野原氏はビジョンを熱く語る。グローバルへの進出はまだ情報収集の段階だそうだが、日本の水環境の保全技術を世界で役立てたいという想いは、琵琶湖とともに生きてきた滋賀県人ならではの気質なのかもしれない。NTTコミュニケーションズは、今後も日本ソフト開発の壮大な夢の実現をネットワーク技術で後押ししていく。
“Arcstar Universal Oneモバイル”導入後の評価



会社概要

日本ソフト開発株式会社
- 本社
- 〒521-0015 滋賀県米原市米原西23
- 設立
- 1972年2月
- 従業員数
- 127名(2014年4月1日現在)
- 事業内容
- 業務システム開発・販売、ビッグデータ事業、環境ICT事業
