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いくら寝てもだるさがとれない…
情報過多で脳が疲れ切った状態かも

いくら寝てもだるさがとれない…情報過多で脳が疲れ切った状態かも

しっかり寝たはずなのに朝からだるい、夕方になると体が重くて仕事にならないなど、現代人が抱えている疲労感は深刻です。その原因は、体ではなく脳のオーバーワークにあります。どうしたら疲れを根本から取り除けるのか。今日から取り入れたい脳のセルフケアと疲労解消法について、横倉クリニック院長の横倉恒雄先生に聞きました。

この記事はNewsPicksとドコモビジネスが共同で運営するメディア「NewsPicks+d」編集部によるオリジナル記事です。ビジネスやキャリアに役立つコンテンツが無料でご覧いただけます。 NewsPicks+d 詳しくはこちらをクリック
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目次

疲労の根源は「脳」にある

お正月明けからシャキッと仕事を進めたいのに、疲れやだるさが抜けない……。休んでもとれない、しぶとい疲労を感じていませんか。

寝ても解消しない疲れの原因は、実は脳の疲労によるものです」と、医師の横倉恒雄先生は話します。

横倉「体の疲労は、脳から始まっています。

私たちの脳はストレスを受けると、理性を司る『大脳新皮質(だいのうしんひしつ)』に情報が入ったあと、次に本能を司る『大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)』に伝わり、最後に脳の中心にある生命を司る『間脳(かんのう)』に伝達されます」

間脳は、自律神経やホルモン調節などに関係する大事な部分。間脳の中にある視床下部は、ストレスを感じると交感神経を優位にして緊張状態になります。

次に、脳は副交感神経に切り替え、『リラックスせよ』という指示を出します。これは脳がストレスを感じたときの正しい防衛反応です。

(イラスト:坂木浩子)
(イラスト:坂木浩子)

ストレスが小さく短期的ならば、すぐにリラックスできて体の不調は起こりません。

しかし、現代人のストレスは過剰で、しかも長期化することが多くなります。いくら脳が指示を出しても副交感神経の働きが追いつかず、過緊張が続いてしまうのです。

すると、疲労感やだるさといった体の不調となってあらわれます。

横倉「体の疲れ以外にも、不眠や頭痛、肩こり、倦怠感、動悸など、病気ではないけれど、なんとなく不調が続くのも、現代人の疲労の特徴。脳疲労を無視し続けると、こうした不調からゆくゆくは肥満や生活習慣病、抑うつ状態、自律神経失調症などにもつながります」

人の話を理解しづらい、文章を読むと何度も戻って確認してしまう、思考力が鈍って考えが浮かばないなども、脳疲労による症状であることが多いそうです。

情報過多で脳に余裕がない現代人は疲れやすい

脳の疲れやすさには、個人差があり、同じストレスでも大きく感じる人と小さく感じる人がいます。例えば、上司に指摘された事実は同じでも、いつまでも落ち込んでしまう人もいれば、気持ちを切り替えて行動できる人も。

その差は、「脳に余裕があるかどうかで変わる」と、横倉先生。

横倉「仕事や私生活で時間やタスクに追われすぎていると、大脳新皮質が情報過多になり、余裕がなくなります。すると小さなストレスでもすぐに間脳まで伝わってしまい、本当は大したことのないストレスでも必要以上に大きく感じることに」

24時間、絶え間なく情報が入ってくる現代において、多くの人の脳が常にパンク気味。長時間のリモートワークや、パソコンとスマホをずっと眺めていることも視覚情報の増大になり、脳ばかりが稼働しているため疲れるのは当然です。

横倉「ダラダラと眺めているスマホの情報は、脳にとっては慢性的なストレス。人間は突発的なストレスには対応しやすいのですが、慢性的なストレスは自分でも気づきにくく、体に不調があらわれるまで自覚しづらいのです。

だからこそ、脳を情報であふれさせる生活をできるだけ控えて、脳にゆとりをつくることが疲労軽減につながります

五感を使うと脳が元気になる

脳を元気にするためのポイントは、「視覚(見る)」「聴覚(聴く)」「嗅覚(嗅ぐ)」「味覚(味わう)」「触覚(皮膚で感じる)」の五感を意識すること。目や耳、鼻などの感覚器を使うことで、脳にダイレクトに刺激が伝わるからです。

横倉「まず始めてほしいのが、目や耳から入る情報を意図的に遮断する情報断食。1日の中でいつでもいいので、1分間、目をつぶって視覚を休ませ、まわりの音に耳を澄ませてください。

イヤホンが生活の必須アイテムとなりつつありますが、ときにはイヤホンを外し、人工的な音ではなく自然の音を聞いて聴覚をよみがえらせましょう」

食事も、五感を刺激して脳にアプローチするために有効な手段です。

横倉「料理を目で見る、においを嗅ぐ、食べて味わい、舌で食感を楽しむ。食事は“五感”をフル活用できるとっておきの方法です。食事で心地よさを感じることは、人間の脳にとって大きな癒やしに。

五感を使う視点で考えると、ビジネスシーンでよくあるランチミーティングは実は脳にとってはあまりおすすめできません。

食べながら五感を使うことができず、食事で得られる心地よさが半減します。食事は、お腹が空いたら食べる。好きなものをおいしく味わい、感謝していただくと、脳の幸福感がアップします」

そのほか、自分が心地いいと感じるアロマオイルをかぐ、家族やパートナーとスキンシップをとって肌に触れ合う、外に出たら肌に当たる風に意識を向けてみるなど、日常の中で五感を作動させましょう。

横倉「私はよく、脳を川の上流、体を川の下流に例えます。疲れたときにマッサージに行ったり、栄養ドリンクを飲んでしのいだりするのは、汚れた川の下流だけをなんとなく掃除しているようなもの。上流がゴミであふれていては、いつまでも川は美しくなりません。

体の司令塔である脳をきれいにして活力がよみがえれば、体の疲労はすっきり消えて、勝手に健康になっていきます

脳をイキイキ働かせるには、ときには理性ではなく本能に従って生きる時間も重要だと、横倉先生は話します。

横倉「『これをやらないと』ではなく、『これをやりたい』という自分の気持ちを優先して行動する日があってもいいと思います。ぜひ休日は本能に従ってみてください。脳のストレスが軽くなると、理解力や集中力がアップ。脳がさえわたってアイデアも豊富にわいてきます。

そして体は朝からシャキッと動けて、心にもゆとりが生まれます。すると、人に心から感謝できるようになり、職場の人間関係やチームワークも円滑にまわりはじめます。良い仕事は、脳の健康があってこそ生まれるのです」

この記事はNTTドコモビジネスとNewsPicksが共同で運営するメディアサービスNewsPicks +dより転載しております。

取材・文/釼持陽子
編集/久遠秋生
デザイン/山口言悟(Gengo Design Studio)

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