1.役割と目的を明確にする
ChatGPTに対して、どのような役割を演じてもらうのか、どのような目的で文章を生成してもらうのかを明確に伝えることが重要です。例えば、「あなたは経験豊富なマーケターです。新商品のプレスリリース文を作成してください」といったプロンプトを与えることで、生成AIは目的に合った文章を生成しやすくなります。
これはChatGPTなどのLLM(大規模言語モデル)が、プロンプトをもとに、事前に学習している情報から回答を生成する際に、「あなたは経験豊富なマーケターです」と最初に指示されることで、LLMの学習している知識の中でもマーケターに関連しそうな内容から絞り込んで回答を生成することができ、回答の精度が上がるためだとされています。
生成AIに指示をする際は、「あなたは○○です」という一文を必ず付け加えるようにしましょう。
2.具体的な指示を与える
意外と難しい点が、「具体的な指示を与える」ことです。人間に指示する場合は、多少抽象的でも雰囲気や文脈から、意思疎通することが可能ですが、ChatGPTなどのLLMはそういった個別の背景情報については理解していません。そのため、(多少面倒でも)詳細かつ具体的に指示することが重要となります。
例えば、プレスリリースを生成したい場合でも、「新商品である保湿クリームのプレスリリースをいい感じに作成して」というプロンプトよりも、「新商品である保湿クリームのターゲット層は20代から30代の女性で、商品の特徴は、肌に優しい天然由来の成分を使用していることです。これらの情報を踏まえて、プレスリリース文を作成してください」といったプロンプトを与えることで、生成AIはより的確な文章を生成することができます。
対人間だと、「そこまで指示しなくてもわかってるよ!」と言い返されるくらい、プロンプトの際は丁寧に詳細に指示することを意識しましょう。
3.出力フォーマットを指定する
ChatGPTに出力してもらいたいフォーマットを指定することで、あとから人間が編集する手間を省くことができます。例えば、「プレスリリースのフォーマットに従って、タイトル、リード文、本文の順に出力してください」といったプロンプトを与えることで、ChatGPTは指定されたフォーマットで文章を生成することができます。
他にも表形式や箇条書き、プレーンテキストやコードブロックなど、様々な形式で生成させることが可能です。有料版のGPT Plusにアップグレードすると、Excel形式やWord形式でも出力させることが可能です。
4.サンプルを提示する
プロンプトの中にサンプルを提示することで、出力のイメージを伝えることができます。例えば、「以下は過去に作成したプレスリリースのサンプルです。このようなトーンと構成で新商品のプレスリリースを作成してください」といったプロンプトを与えることで、生成AIはサンプルを参考にしながら文章を生成します。
これは「Few-Shotプロンプト」というプロンプトのテクニックで、例を与えることで出力内容のテイストを制御することができます。
プレスリリースや広告文、ブログなど、テキストを生成させたいときに、つい「ChatGPTぽい」出力になってしまうことが多いかと思います。そのようなときは、「良い文章の意義は~~」などと細かく指示するよりも、イメージに近いサンプルをいくつか与えるほうが、スムーズにChatGPTをコントロールすることができるでしょう。
5.区切り線を活用する
プロンプトの中で、指示とサンプルなどの参考情報を切り分けたい場合に、区切り線を用います。区切り線は半角の「=」を用いて、10個程度連続して使用することで、ChatGPTが区切り線として認識してくれるようになります。また、サンプル情報は「""」を前後につけることで、ChatGPTが指示ではなくサンプル情報であると認識してくれるようになります。
長いサンプルを用いる場合などに区切りが不十分だと、指示と混同してうまく生成されない場合があります。「=」「""」をうまく使えるように日ごろから意識しましょう。
6.マークダウン形式を活用する
プロンプトの作成に慣れないうちは、マークダウン形式で書いていくことをお勧めします。これはChatGPTも受け取りやすく、人間側も整理して書きやすいというメリットがあります。
マークダウンの書き方について、よく使われる記号と意味を一覧は下記のとおりです。
-
1.見出し(ヘッダー)
- `#` 最大の見出し (h1)
- `##` 2番目の見出し (h2)
- `###` 3番目の見出し (h3)
- `####` 4番目の見出し (h4)
- `#####` 5番目の見出し (h5)
- `######` 最小の見出し (h6)
-
2.強調
- `*斜体*` または `_斜体_` : *斜体*
- `**太字**` または `__太字__` : **太字**
- `***太字かつ斜体***` または `___太字かつ斜体___` : ***太字かつ斜体***
-
3.リスト
- `- 項目` または `* 項目` : 番号なしのリスト項目
- `1. 項目` : 番号付きのリスト項目
-
4.リンク
- `[リンクのテキスト](URL)` : [Google](https://www.google.com)
-
5.画像
- `` : 画像を表示
-
6.引用
- `> 引用文` : 引用文を表示
-
7.コード
- `` `インラインコード` `` : インラインでコードを表示
- ````コードブロック```` : 複数行のコードを表示
-
8.水平線
- `---` または `***` または `___` : 水平線を表示
これらの記号を使って、文書の構造や装飾を表現できます。例えば、`#`を使うと大きな見出しを作れます。`*`や`_`で囲むと、斜体や太字になります。`-`や`*`を使うと、番号なしのリストを作れます。
これらの記号は組み合わせて使うこともできるので、様々な表現が可能です。マークダウンを使うと、簡単な記号で見やすい文書を作ることができますよ。
7.ステップバイステップで指示する
複雑なタスクをChatGPTに依頼する場合、ステップバイステップで指示を与えることが有効です。例えば、「まず、新商品の特徴をまとめてください。次に、ターゲット層を明確にしてください。最後に、それらの情報を踏まえてプレスリリースを作成してください」といったプロンプトを与えることで、生成AIは段階的に文章を生成します。
マークダウン形式のプロンプトと組み合わせると、下記のようなプロンプトを書き上げることができます。
#前提条件
- Userは生成AIに関するニュースを扱ったブログ記事のタイトルを生成したいと考えています
- ターゲットオーディエンスはビジネスマンであり、記事のスタイルはややカジュアルなニュース記事であるとします
- ASSISTANT(あなた)はクリエイティブなコンテンツ作成に長けた専門家です
#ゴールと変数の定義
- ゴール:生成AIに関するニュースを扱うブログ記事のための魅力的なタイトルを生成する
- 変数:主題(生成AIニュース)、ターゲットオーディエンス(ビジネスマン)、記事スタイル(ややカジュアルなニュース記事)
#手順の実行プロセス
- [C1] 提供された記事をもとに、特集されているトピックや話題を特定する
- [C2] ビジネスマンをターゲットとした魅力的なアングルを考慮する
- [C3] ややカジュアルなトーンを維持しつつ、生成AIに関する魅力的なタイトルのアイデアを複数生成する
- [C4] 最も適したタイトルを選択し、必要に応じてユーザーに確認し、調整を繰り返す
#出力形式
- リスト形式でのタイトル提案
##ニュース記事
""(ニュース記事本文)""
このプロンプトにおける「#手順の実行プロセス」が、ステップバイステップの指示として機能します。
8.GPTsを活用する
特定のタスクで毎回同じようなプロンプトを書く場合は、GPTs化してしまうとより便利になります。GPTsのInstructionに、構造化プロンプトを入れ込むことで、毎回同じようなプロンプトを書く手間が省けます。また、社内展開する場合にも、コピペで使えるプロンプトを渡すよりもそのまま簡単な指示で使えるGPTsを渡した方が、喜ばれる傾向があります。
とはいえ、マークダウン形式のプロンプト(構造化プロンプト)を書けるようになるには、ある程度のトレーニングが必要です。
9.繰り返し指示を与える
ここまでプロンプトのテクニックや技術について学んできましたが、ChatGPTに狙った成果物を生成させるには、長くて詳細なプロンプトを書いて一度の応答で生成させることを狙うよりも、対話式に回答をブラッシュアップさせていくことが重要です。
生成AIをよく「自動化」の技術と捉える人がいますが、これは間違いです。「効率化」ではありますが、何か特定の文章を入力すれば、必ず狙った内容が出力される、という技術ではないためです。構造化プロンプトを用いることで情報がスムーズにChatGPTに伝わり、少ないやり取りで狙った成果物を生成させることは可能ですが、それでも構造化プロンプトはChatGPTとのやり取りにおける「きっかけ」に過ぎず、対話式に回答をブラッシュアップさせていくという使い方を忘れてはいけません。
生成AIは自動化ではなく効率化。対話式に回答を生み出していく技術である、ということを念頭に置いて、ChatGPTを使っていきましょう。
10.人間の監修を取り入れる
最後に、生成AIの出力は完璧ではありません。最終的には、人間の監修を取り入れることが重要です。生成AIの出力をベースに、人間が必要な修正を加えることで、高品質な文章を作成することができます。
自動化ではなく効率化とご紹介しましたが、現状の生成AIは既存の業務を100%代替するような技術ではありません。0%→100%まで人間が手作業で行っていたタスクを、0%→30~60%まで生成AIが手伝ってくれるような、そんな技術です。そのため生成AIの成果物が人間の生み出す100%の精度に及ばないということはある意味当たり前なのです。
必ず人間が最終的にはチェックをし、修正する必要があることを認識して、生成AIを活用していきましょう。
最後に
生成AIを活用しようという取り組みは、「自分の仕事が奪われるのではないか」という懸念を最初に持ってしまう方もいますが、実際に取り組んでいくと逆に「人間にしかできない仕事」がはっきりとわかっていき、自身の持つ専門性の再認識にも繋がります。
生成AIを企業で導入推進していくということは、「人間にしかできない仕事」を明確にしていくことと同義です。そしてこれは、遅かれ早かれすべての企業が取り組むべき状況になっていくでしょう。
最後に、ここまで記事を読んでくださった皆さんに、曖昧な指示から構造化プロンプトを作成してくれる「プロンプトメーカーちゃん」をお渡しします。
こんなプロンプトを作りたい、プロンプトを作ってみたけど上手く動作しないなど、相談してみてください。
▼プロンプトメーカーちゃん
https://chatgpt.com/g/g-688f25ffe9f08191b50636c01bd22138-huronhutomekatiyan
こちらは、NewsPicksのトピックス“生成AI最前線「IKIGAI lab.」”で2024年4月13日に公開された記事を、NewsPicks+d読者の皆様向けに再編集して配信しています。
IKIGAI lab.とは
生成AIコミュニティ「IKIGAI lab.」に所属するメンバーが、生成AIに関するニュースを紹介&深掘りしながら、AIがもたらす「半歩先」の未来に皆さんをご案内します。
以下のメディア上でも記事を配信しています
【インプレスThinkIT】 Gen AI Times
【Note】 ジェネトピ
この記事はNTTドコモビジネスとNewsPicksが共同で運営するメディアサービスNewsPicks +dより転載しております 。
編集協力:IKIGAI lab.
編集:NewsPicks +d編集部
デザイン:山口言悟(Gengo Design Studio)
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