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【読書】「上手に休む」は難しい。
メンタル不調で休職する前に知っておきたい心の整え方

【読書】「上手に休む」は難しい。メンタル不調で休職する前に知っておきたい心の整え方

NewsPicks +d編集部が、本の要約サイト 「フライヤー」とコラボし、NewPicks +dの読者向けに話題の書籍の要約をお届けする連載「10分読書 +d」。今回は『未来のキャリアを守る 休職と復職の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)をお届けします。著者の武神健之(たけがみ けんじ)氏は、産業医。外資系大手企業を中心に年間1,000件以上の健康・メンタル相談を担い、働く人の「こころ」と「からだ」を支えてきた。本書では、休職から復職に至る3つのフェーズごとに、具体的な行動指針を解説。医者選びのポイント、休職中の過ごし方や復帰に向けた準備まで、メンタル不調で休む前に知っておきたい内容が満載だ。

この記事はNewsPicksとドコモビジネスが共同で運営するメディア「NewsPicks+d」編集部によるオリジナル記事です。ビジネスやキャリアに役立つコンテンツが無料でご覧いただけます。 NewsPicks+d 詳しくはこちらをクリック
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目次

まず知っておきたいこと

ストレスによる症状・行動の変化

からだの病気は健康診断や人間ドックによってある程度発見できるが、自分のこころの状態には自分で気がつくしかない。

ここでは、ストレスによって出る精神症状と身体症状、そして行動の変化を見ていこう。

ストレスによる精神症状は、やる気が出ない、何をするにも億劫だ、なんとなく気持ちが沈む、イライラする、憂鬱な気分、喪失感、焦り、集中力の低下、などだ。目に見えないので気づきにくく、対処しにくい。

一方、ストレス反応としての身体症状はわかりやすい。寝付けない、夜中に目が覚めるなど睡眠に関するものが一番多く、そのほかには、涙が出る、食欲がない、性欲がない、腹痛、腰痛、めまい、動悸などがある。

周りから見て最もわかりやすいのは、行動の変化だ。お酒やタバコの量が増える、過食や拒食、ギャンブル、衝動買い、登校拒否・出社拒否、ひきこもりなどが一般的だ。

職場では、遅刻や早退、欠勤が増えたり、集中力が低下してミスを連発したり、仕事に時間がかかるため時間外労働や休日出勤が増えたりといった変化が見られる。

眠れないからといって即座にうつ病だと考える必要はない。ただ、原因不明の不調が続くときは、メンタルヘルスの問題である可能性も検討してみよう。

また、周囲や医者に相談して「それって精神的なことじゃない?」と言われたときに「そういうこともあるのかな」と思える余裕を持っておくことも大切だ。

医者選びのポイント

(写真:bmanzurova / gettyimages)
(写真:bmanzurova / gettyimages)

医者に相談するのは早いほうがいい。その理由は2つある。

1つ目は、早期に治療を開始したほうが治るのも早いからだ。仮に治療開始が2か月遅れたとすると、回復するのは2か月遅れどころか、もっと時間がかかる。

2つ目は、相性の合う良い医者を見つけてほしいからだ。医者を探すのにはそれなりに気力と体力を使う。少しでも元気があるタイミングから医者選びをスタートしてほしい。

医者の探し方でおすすめの方法は、2つのメンタルクリニックを受診して比較し、自分に合うところを見つけること。薬などに対する自分の価値観を伝え、それを尊重してくれる医者を選ぼう。

診療方針や相性以外にも、大切な基準が2つある。

1つ目の基準はアクセスだ。自分の家から会社の方向に向かったターミナル駅付近で探すことをおすすめする。休職や転職をしても通いやすく、自分と似た属性の患者が通っている可能性が高いからだ。

2つ目はクリニックの診療時間だ。働きながら通院するためには平日の夕方や土曜日に診療してもらえるクリニックが望ましいし、休職中は平日のすいている時間に通えるのがベターだ。

そう考えると、平日と休日のどちらでも対応してもらえる先生がよいだろう。

一番いい探し方は、メンタルクリニックにかかった友人や、会社の人事、カウンセラー、産業医におすすめを教えてもらうことだ。

複数のクリニックを教えてもらい、そのなかから2つ以上受診して比較するといいだろう。

休職中の3つのフェーズ

本書では、休職している社員には、大きく分けて3つの時期があると考える。

1つ目は、休職したての「休息期」だ。短い人で1か月、長い人では3か月以上に及ぶ期間である。疲れているのになかなか眠れず、ソファやベッドで過ごす時間が多くなる時期だ。しっかり休んで、時には昼寝もしながらエネルギーを充電してほしい。

2つ目は、睡眠が改善してきて、日中起きている間に何かしようと思える「回復期」だ。この時期には、運動でも、楽器でも、手芸でも、好きなことをして過ごしたい。

3つ目は、復職に向けて準備する「復職準備期」だ。就業時間の半分程度にあたる時間を活動的に過ごせるようになったら、復職に向けて心と体の準備を始める。

【必読ポイント!】 休息期の過ごし方

休職中の3つの約束

(写真:Hazal Ak / gettyimages)
(写真:Hazal Ak / gettyimages)

著者は休職に入った社員との最初の面談において、次の3つを約束してもらっている。

1つ目は、会社のメールを見ないことだ。休職中にメールを見ていると、気持ちが職場から離れられない。

2つ目の約束は、自分で復職日を決めて、そこから逆算した生活をしないことだ。

「その1週間前から日中はずっと図書館に通おう」「2週間前からは半日通おう」「そのためには来週からは朝7時にアラームをかけてしっかり起きよう」など、復職日から逆算した生活を送ろうとするのはNGだ。

寝たいだけ寝て、食べたいときに食べたいだけ食べて、どんどん昼寝もして、体にエネルギーを充電しよう。

3つ目は、SNSでの発信は慎重にすることだ。主治医の許可さえあれば、休職中に実家に帰ったり旅行に行ったりするのはいいことだ。

しかし、それをSNSに投稿すると、あなたの仕事をフォローしてくれている同僚たちをネガティブな気持ちにさせるかもしれない。

昼夜逆転は避け、日光を浴びる

休息期には、昼夜逆転の生活にならないように気をつけたい。元気になってきたら散歩に行こう。

散歩に行く元気が出ないなら、朝起きたら15分から30分ほど、大きな窓の近くやベランダで日光を浴びるだけでもいい。

朝に太陽光を浴びると身体が目覚めるし、その夜に良い睡眠をもたらしてくれる。

回復期の過ごし方

趣味を楽しむ

休息期が終わって回復期に移行すると、睡眠が安定してきて、日中の半分以上の時間を活動的に過ごせるようになる。

この時期に最も大切なのは、趣味を楽しむことだ。好きなことをしていると気持ちが前向きになるし、よく食べられて、よく眠れる。趣味という気分転換があると、復職後も安心だ。

また、何事もやりすぎない、頑張りすぎない生活も意識してほしい。そこで大切なのは、自分の残存エネルギー量に意識を向けること。

朝、目が覚めたら、起き上がる前に、自分の体のエネルギー充電度を感じ、その日の予定を無理なくこなせそうか、自分の体と相談する。

夜寝る前にも、自分の体の残存エネルギー量を感じ、睡眠が取れればまた朝と同じくらいは回復できそうか、その日の生活で無理をしすぎていないか、と振り返ろう。

毎日睡眠を取ることにより、翌日も同じくらいの活動ができそうな程度で、日中の活動量を抑える、切り上げることを習慣化したい。

この習慣が、復職後に自分の体調を大切にしながら働き続けられることにつながる。

復職準備期の過ごし方

図書館に通う

(写真:rai / gettyimages)
(写真:rai / gettyimages)

復職準備期は、復職を準備し始めた頃から、主治医の復職許可の診断書、産業医の復職判定面談を経て復職するまでの期間を指す。

この時期には、昼寝を控えつつ、図書館に通い始めるのがおすすめだ。自分の体のエネルギーを枯渇させない範囲で、図書館で過ごそう。

エネルギー充電度によって、図書館で過ごす時間の長さを変える。

今日は図書館には行かないと判断する日があってもいい。この時期に大切なのは、自分の体のエネルギー充電度を管理し、無理なく行動できるようになることだ。

そしてその結果、週5日間、就業時間程度の時間を家の外で過ごせるようになることを目指す。

「こころの準備ワーク」に取り組む

身体の復職準備と同時並行で、こころの復職準備にも取り組んでほしい。おすすめの「こころの準備ワーク」が3つある。

いずれのワークも1回で答えが出るものではないし、決して気分がいいものでもない。

しかし考えなければ進めないので、毎日少しずつでも挑戦してみよう。

ワーク中、ソワソワしたり気分が悪くなったりするのは、正常な反応だ。ひどくなりすぎる前にワークを中止して、趣味で気分転換してほしい。

ただし、落ち込んだ気分やソワソワ感が夜になっても改善しない、夜の眠りがおかしくなってくるなら、まだこのワークは時期尚早かもしれない。

今後1~2週間は考えないようにして過ごすか、カウンセラーや主治医と一緒にいるときのみ考えるようにしよう。ワーク1は「自分の症状について知る」。

自分がいつからどのような症状が出始めて調子が悪くなったのか、その症状は時間とともにどのように変化したか、新たな症状が出たのはいつ頃からか、そして休職を開始したときはどのような症状だったのか。これらを思い出し、紙に書き出す。

ワーク2は「原因と対処を考える」。自分が調子を崩したきっかけや原因を書き出し、時系列で並べて「復職後、同じようなことが起こったら、どのように対処するのがいいのか」を具体的に書く。

なお、ここで検討するのは未来の対処法であって、「過去のその時々にどうすればよかったのか」を考える必要はない。

ワーク3は「自分のこころの受け取り方を知る」。ワーク2で挙げた対処をするためには、原因に対して、どのような受け取り方(心の反応)をすればいいのかを書いてみる。

このワークを通して、休職前の自分の体調が悪化していった原因に対して、当時の自分はどのように受け取り、反応していたかが見えてくるだろう。

復職準備期に挑戦したい3つのこと

(写真:KENGO YAJIMA / gettyimages)
(写真:KENGO YAJIMA / gettyimages)

復職準備期に意識してほしいポイントは3つある。

1つ目は「好きなことを続ける」。復職後の生活を想定し、就業時間以外で趣味を楽しむ習慣をつけるとよいだろう。

あわせて、どれくらいの時間、どれくらいの頻度で趣味に時間を使うと、1週間を安定して過ごせるのかを把握する。

2つ目は「社会との関わりを少しずつ増やす」。病気のあなたを理解している人、予定をキャンセルしても怒らない間柄の人から順に、少しずつ人と会うようにしよう。最初は週1回、1人で十分だ。

3つ目は「通勤や日常生活のリズムづくり」。生活全般を、仕事をしているときとできるだけ同じにしていく。

代表的なものは通勤訓練だ。復職許可をもらう頃には、週5日(または出社日数分)、通勤時間の電車に乗っても疲れないようになってほしい。会社のある駅を素通りして、その先の図書館などで夕方まで過ごせるのが理想的だ。

この3つを通して、だんだん復職後の生活に近づけていこう。

未来のキャリアを守る休職と復職の教科書 武神健之

この記事はNTTドコモビジネスとNewsPicksが共同で運営するメディアサービスNewsPicks +dより転載しております 。

提供:フライヤー
編集:谷下奈穂
デザイン:山口言悟(Gengo Design Studio)

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