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【2025年最新】生成AIとは?仕組みやメリットをやさしく解説
日本では、ビジネスの現場で
生成AIが活用されていない?
ビジネスに生成AIを本格的に取り入れている企業は、まだそこまで多くはないかもしれません。
総務省が2025年7月に発表した「令和7年度版 情報通信白書」によると、生成AIについて「活用・利用する方針を策定している」と回答した日本企業の割合は全体の49.7%でした(数値は「積極的に活用する方針である」もしくは「活用する領域を限定して利用する方針である」と回答した割合の合計。以下同じ)。前年度調査の42.7%と比べると、やや上昇しています。
とはいえ諸外国と比べると、活用はそこまで進んでいません。たとえばアメリカでは、同設問の割合が84.8%、中国では92.8%と、8~9割にのぼっています。
情報通信白書では生成AIの利用率が高い業務についても調査を行っており、日本では「メールや議事録、資料作成等の補助」がトップで、その割合は32.1%でした。一方、アメリカでは同業務における生成AIの利用率は75.0%、中国では78.0%と、日本の2倍以上の数値となっています。
日本は外国と比べると、活用方針を定めている企業の割合は非常に少ない
(総務省「令和7年度版 情報通信白書 企業におけるAI利用の現状」より引用)
生成AIの使用が「義務」の企業がある
これらの情報をまとめると、日本のビジネスシーンにおける生成AIの利用意識は、海外と比べてまだまだ低いことがうかがえます。しかし日本でも、業務における生成AIの使用を推奨している企業はいくつか存在しています。
たとえばLINEヤフー株式会社では、同社の従業員約11,000人に対し、業務における生成AI活用を「義務」とすることを、2025年7月に発表しました。
同社はリリースにて、生成AIを使用する業務を「調査・検索」「資料作成」「会議」といった領域から着手するとしています。たとえば調査・検索を行う際は、まずは生成AIに聞くこと、資料作成においてはゼロベースで資料作成を行わず、作成前に生成AIでアウトラインを策定し、文章校正もAIを利用することをルール化しています。
加えて会議についても、実施前にAIを活用して議題の整理を実施し、議事録作成も全てAIにて実施することをルール化。任意参加の会議には原則出席せず議事録で把握するなど、本当に必要な人だけが会議に出席する働き方へと変えています。
これらの取り組みに先立ち、同社では2025年6月より、OpenAI社の法人向け生成AI「ChatGPT Enterprise」のアカウントを全従業員に付与。さらに生成AIのリスク管理やプロンプト技術に関するeラーニング研修も全従業員に実施しています。
LINEヤフー社では生成AIの義務化によって、働き方を生成AIの利用を前提としたものに変え、従業員が創造的な新しいチャレンジに集中できる環境を整備し、イノベーションの創出を図るとしています。
生成AIに仕事を「聞く」のではなく、
「依頼」することで労働時間を削減
パナソニックグループのパナソニック コネクト株式会社も、生成AIの活用に力を入れている企業のひとつです。
同社は2023年2月より、生成AIによる業務生産性向上や従業員のAIスキル向上などを目的に、ChatGPTをベースとしたAIアシスタントサービス「ConnectAI」を、国内のすべての従業員に展開。2023年6月~2024年5月の1年にわたって業務で利用した結果、全社員で18.6万時間の労働時間を削減したと、2024年6月のリリースにて発表しています。
さらに、同社が2025年7月に発表したリリースによると、2024年のAI活用による労働時間の削減効果は44.8万時間へと増加。同社はその理由として、社員のAI活用スキルが向上し、生成AIの活用方法が「(生成AIに)聞く」ことから、作業を「頼む」方向へシフトしたこと、生成AI技術の進化により画像やドキュメントの活用が進んだことを挙げています。
同社では2025年の取り組みとして、さらなる生産性向上のために、業務プロセスに「AIエージェント」の活用を開始するといいます。AIエージェントとは、AIがあらかじめ設定された手順に従ったり、自らタスクを考えてツールを使うなどで、人間の代わりに仕事をするAIのことです。
同社ではすでに経理・法務・マーケティングの3領域にて、AIエージェントの試験的な活用を開始しています。今後もさらにAIエージェントの活用領域を広げることで、業務の自動化と効率化を推進していくとしています。
生成AIを使う企業と
使わない企業の差は開いていく?
生成AIを積極的に業務へ導入している日本企業は、このほかにも存在します。たとえば三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)では、2023年7月より従業員専用AIアシスタントツール「SMBC-GAI」を開発し、業務に使用しています。
富士通でも、社内の実業務にて、ChatGPTベースの生成AIを安全に使用できる環境を整備し、全従業員が利用可能な状態にあることを2024年1月に発表しています。
冒頭で触れたように、日本では海外と比べ、ビジネスにおける生成AIの導入はあまり進んでいない状況にあります。しかし、すでにいくつかの企業では、従業員全員が使用できる仕組みを整え、自社のビジネスを根本的に変えようとする動きが見られています。
生成AIを導入する企業と、導入しないまま放っておく企業との間には、ビジネスのスピードに大きな差が生まれるかもしれません。未導入の企業は差を付けられないためにも、今回紹介した企業の取り組みを例に、自社でも導入の余地がないか、検討を始めた方が良いでしょう。









