2025年7月より、NTTコミュニケーションズは
NTTドコモビジネスに社名を変更しました
2026年2月4日

184日間を止めないために――。万博インフラを支えたNTTドコモビジネスの底力

大盛況で終了した2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)。NTTドコモビジネスは、来場者約2558万人の動線の要となるID管理システム、広大な会場の施設間をつなぐ光ファイバー網、公式ホームページの安定稼働、そして国内外のパビリオンや警備スタッフを支える通信サービスを提供し、インフラ面で万博全体を支えたと言えます。

今回はそれぞれの分野で奮闘した5人に、これまであまり知られてこなかった舞台裏を語っていただきました。

■お話いただいた関西支社の皆さん

後列:左から、第一ソリューション&マーケティング営業部門 和田 洋平さん、第一ビジネスソリューション営業部門 大塚 啓生さん、第一ソリューション&マーケティング営業部門 上田 英史さん
前列:左から、第一ソリューション&マーケティング営業部門 多田 有加里さん、第一ソリューション&マーケティング営業部門 山田 海斗さん

あらゆる面で安定・安全運用を支えた技術力

――皆さん営業担当と伺っていますが、まずはそれぞれの案件を聞かせてください。

上田:私はICTプラットフォームを担当していました。万博に行かれた方は「万博ID」というものを登録されたと思いますが、それを一元的かつ安心・安全に生成・管理する基盤です。このIDを使ってチケットシステムや万博アプリなどのさまざまなシステムと連携させるため、非常に重要なシステムでした。

大塚:私は会場内外の通信インフラの整備業務と、通信インフラ基盤と接続する警備用カメラ、スピーカーの取り付け・配線工事などを担当していました。広い会場内には商業施設や各国のパビリオンなど、200以上の施設があります。それらを結ぶ万博会場全体のインフラ基盤を構築しました。協会が用意するさまざまなシステムと接続させることになるため、通信断は許されませんので、責任の重い案件でした。

山田:私が担当していたのは、公式ホームページの基盤、つまりサーバーなどの基盤部分の構築と運用です。コンテンツ制作自体は別会社が行いますが、裏側で安定して稼働するよう支えていたのが私たちです。また、途中からはサイバーセキュリティ関連の業務も担当し、協会のセキュリティ方針を定めたり、協会の代理として各種システムのセキュリティ運用を行ったり、さまざまな監視業務を請け負っていました。

多田:私は国内外のパビリオンをはじめ、催事会場や店舗といった施設にインターネット回線を提供する業務を行っていました。

和田:私はモバイルを担当しました。NTTドコモビジネスは、警備員の方々が連絡用で使用するモバイル、それと来場者を案内するスタッフの方々が使用するモバイルを提供していて、営業として対応していました。

――万博プロジェクトは、いつ頃から立ち上がったのでしょうか。

上田:万博プロジェクトチームとしては、2022年の7月頃からですね。私を含めて4人ほどのチームでICTプラットフォームやホームページ基盤、セキュリティなどの提案を行い、そこから徐々に体制を拡大していきました。

各現場で向き合った“壁”

――それぞれ大きなプロジェクトだったと思いますが、特に苦労された点について教えてください。

上田:最初のご要件である「2800万人の顧客を管理するシステム」という規模は、私たちにとっても初めての経験であり、そこがやっぱり大きな壁でしたね。これだけの規模になると検証も必要ですが、納期や費用との兼ね合いも当然あります。実際に私たちがどこまで対応できるのか、そのすり合わせが大変でした。ICTプラットフォームは、止まっていたら次の日にニュースになるようなシステムだったので、そのようなトラブルが起きずに無事終えられたことにほっとしています。

――ホームページの構築に関してはいかがでしたか?

山田:私たちもどれだけアクセスが来るのか予測ができなかったので、どれぐらいのサイジングにするか、設計の際にはかなり悩みましたね。システムが落ちたらチケットも売れないプレッシャーもありました。結果、想定を上回るアクセスはありましたが、落ちることなく終えられて良かったと思っています。あとはホームページがいつ攻撃されるか分からない、という緊張感の中、攻撃はありつつも無事防御して、大きな問題もなく終えることができて安心しました。

――ネットワーク提供ではどんな困難があったでしょうか。

多田:今回のパビリオン向け回線は一括契約ではなく、国や企業ごとの個別契約でした。2023年に博覧会協会が開催した海外パビリオン向け説明会から展示ブースを出し、早期にアプローチを始め、(参加国が自前で建築する)タイプAでは多くのパビリオンに提供することができました。

一方で、国によっては日本の回線の「ベストエフォート」といった基本的な考え方から説明する必要があり、その点は大変でした。各国でニーズや進め方が異なるため、契約の進捗管理や開通調整を同時並行で進めるのは簡単ではなく、「どのパビリオンだったか」と確認し合う日々でもありました。また、英語での対応に加え、お互いに英語が第一言語でない場合はニュアンスが伝わりにくく、国ごとの文化や対応の違いにも苦労しました。トラブルを防ぐため、頻繁に現場へ足を運び状況を確認することも必要で、決して簡単な仕事ではありませんでしたが、メンバー全員で状況を共有し、一丸となって取り組めたことが支えになりました。

――例えば、どのようなトラブルがあったのでしょうか。

多田:建築現場の状況が日々変わる中、事前に準備いただいた配管が翌日には撤去され、宅内工事日をリスケジュールすることもありましたし、海外ベンダーと苦戦しながらルーター設定を行うなど想定外の事象も発生し、開幕前から会期終了まで気の抜けない状況でした。

――それは大変でしたね……。和田さんはモバイル提供の面でどんなご苦労がありましたか。

和田:一番大変だったのは契約でした。協会は、今までモバイル運用の経験をされている方が少なかったので、内容を丁寧に説明する必要がありました。職員の皆さまも手探りで大変だったと思います。

――万博が終了した今、皆さんのプロジェクトも完了でしょうか。

大塚:実はまだ終わっていないんです(インタビューの2025年12月時点)。情報インフラ基盤、警備用カメラ、スピーカーの撤去を今まさにやっているところで、現場事務所には今も作業員が詰めています。また、使った機器を単に産廃するのではなく再利用するというサステナブルな万博運営のサポートもしなければなりません。協会が立ち上げた「ミャク市!」というサイトで、万博運営で調達した機器を出品してリユースしてもらう取り組みのサポートもしつつ、会場内のインフラ設備を順次撤去しています。

国際イベントで得た学びと自分たちの強み

――では、今回のプロジェクトを通じて得たことや、今後に生かせるところがあれば教えてください。

多田:今回改めて実感したのは、One NTTの強みです。私が担当したネットワーク回線でも、NTT西日本や日本情報通信など、グループ全体の力で動いていました。その連携によって、各パビリオンの方々からも安心感を持っていただけたのではないかと思います。「安定した通信回線は当たり前」という時代になってきている中で、特に、映像配信やAIなど、大容量・低遅延の通信が必要な環境では、今回の経験が大きな財産であり、このノウハウは絶対に生かせると思っています。

また、国際的なイベントでは、語学力だけでなく「文化を理解して柔軟に対応する力」が求められます。そういった意味でも、今後の大阪IRや国際カンファレンスなどにも十分応用可能だと感じています。

和田:モバイルではあまり前例のない短期契約でしたが、社内で丁寧に調整を重ねれば対応できるという確かな手応えを得られました。今後は期間限定の案件でも、最初から「無理」と決めつけず、「どうすれば実現できるか」という視点で柔軟に提案できると思います。

山田:HPを運営する際のアクセス数や攻撃を受けた実績はデータとして残っているので、今後このようなイベントを請け負った際、参考にできる貴重な財産になると思います。また、「総じて何とかなる」という精神は学びましたね。

大塚:このプロジェクトでは状況やニーズがどんどん変わっていって、常に設計と構築がパラレルに動いていくような日々。さらにパビリオン建築の遅れなども影響し、現場では開幕ギリギリまで構築していました。そのため、お客さまとはとにかく密に連携したので、一緒につくり上げたという感覚がありますね。

一方で、シビアなスケジュールの中、お客さまの要望と現地との調整含め「やり切る」人材や技術力があることはNTTドコモビジネスの強みだなと思いました。

――最後に、メッセージをお願いします。

全員:NTTドコモビジネスが整備したインフラで、184日間、小さなトラブルはありつつも大きな事故はなく運用ができたことは、自信を持ってアピールできます。幸い無事に終えることができましたが、何か問題が発生していないか常に見守る特別保守体制やフォロー体制を万全に整えていて、そういった姿勢、一つ一つの積み重ねが成功につながったと思います。万全の体制が組める人材と技術力を持っている会社だということを、ぜひ多くの方々に知っていただけましたら幸いです!

社員メッセンジャー

NTTドコモビジネス関西支社

上田 英史

法人営業として、2022年から大阪・関西万博向けビジネスを担当し、NTTグループや社内関係者と共に閉幕まで完走しました。現在は閉幕後の対応を行う傍ら、関西支社における地域・中小企業向けビジネスの営業力最大化に向けた企画・販売促進業務を担当。営業担当者と連携し、NTTドコモビジネスの価値向上に取り組んでいます。

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