
Arcstar Universal One
導入事例
ルネサステクノロジ
イントラネットとインターネットをフラットに融合し、商機逃さず
株式会社ルネサステクノロジ
- 業種
- 製造
- 課題
- 顧客のニーズや市場の変化に速やかに応える情報インフラの整備
- サービス
- ArcstarグローバルIP-VPNサービス
※「ArcstarグローバルIP-VPN」は2014年10月7日より「Arcstar Universal One」に名称変更いたしました。本ページに掲載している導入事例はサービス名称変更前のものです。
2003年4月、日立製作所と三菱電機の半導体事業部門が合併して誕生したルネサステクノロジは、発足と同時に世界中の拠点をつなぐグローバルかつセキュアなネットワークを稼動させるという課題を背負っていた。
半導体業界は「王様か乞食か」といわれるほど浮き沈みが激しく、しかも米国や韓国などとの競争も熾烈である。そこで勝ち抜くには「価格、品質、納期」のすべてで顧客を満足させなければならない。
それだけに、顧客のニーズや市場の変化に速やかに応えるには、情報インフラの整備が不可欠なのだ。
課題、テーマ
- 顧客のニーズや市場の変化に速やかに応える情報インフラの整備。
- 海外拠点が数多くあるため、障害発生時の連携と対応を迅速にするために障害対応窓口を日本に集約する必要がある。

選択の決め手(ポイント)
- 弊社が必要とするサービスを1社ですべて提供。
- リモートで安全確実にアクセス。
- 全世界をカバーして、高い品質でサービスを提供。

導入効果
- 海外出張者の通信費が驚くほど安くなった
- 社内機密情報へのアクセス制御を行うことが可能になった。


課題、テーマ
- 障害対応窓口を日本に集約する必要性がある
ルネサステクノロジで情報システムやネットワークなどを統括しているIT戦略統括部ITインフラ部企画Gの江口康則グループマネージャーは「現在の半導体ビジネスでは、世界中の拠点間で情報共有を密接にして、需要の立ち上がりをいち早く把握することが重要な経営課題となっているのです」と強調する。
「シリコンサイクル」と言われる半導体業界の景気サイクルは需要と供給の振幅が大きく、1日か2日の情報伝達の遅れが、収益を吹き飛ばす事態もありうるからだ。ルネサステクノロジは、2004年9月現在で、北米1拠点、欧州14拠点、アジア9拠点と連携している。
しかも、海外には生産ラインや営業拠点だけではなく、設計部門も展開しており、グローバル規模で顧客のニーズに迅速かつ正確に対応している。これらの海外拠点と日本とをつなぎ、情報を共有してビジネスのスピードを加速するねらいで構築されたのが「国際ルネサスネット」である。
全世界をカバーする情報ネットワーク構築にあたって、江口氏は「障害が発生した場合、時差を考えると、海外拠点の社内ネットワーク技術者と連携し、リアルな対策を実施するのは難しいので、障害対応窓口を日本に集約できることを条件としました。
そのためには当然、弊社が必要とするサービスを1社ですべて提供できることが前提となります。地域別に切り分けたのでは、トラブルの原因究明などに時間がかかる懸念がありますから」と説明する。
さらに販売の担当者は世界中を飛び回っていることから「リモートで安全確実にアクセスできることも条件にしました」。こうした要件を満たしたのが、NTTコミュニケーションズのIP-VPNとIPSecのサービスだった。
選択の決め手(ポイント)
- リモートで安全確実にアクセスできるグローバルIPネットワーク
NTTコミュニケーションズは「国際ルネサスネット」構築の条件を、グローバルIPネットワークを利用して北米、欧州と日本を含むアジアの合計25拠点をIP-VPNで接続し、グローバルなイントラネットをつくることで実現した。同時に、IPSecを組み合わせ、モバイルによる利用にも対応した。
この情報システム構築にあたって、ルネサステクノロジは、数社から提案を受けたのち、NTTコミュニケーションズを採用した。
その経緯について、ルネサス小平セミコンの情報技術部 情報システムグループの西澤克己グループマネージャーは「全世界をカバーして、高い品質でサービスを提供できるのはNTTコミュニケーションズしかなかったのです。米国には強いが、アジアには弱いなど、他社の提案にはサービスの品質に不安を感じました」と説明した。
導入効果
- 海外出張者の通信費が驚くほど安くなった。
「フラットなネットワーク」を実現することも、重要な要件だった。通常、出張先のホテルなど社外からイントラネットにアクセスする場合は、出国前に、予め現地におけるリモートアクセスの許可を、その都度得るのが一般的だ。
しかし、世界中の拠点を頻繁に行き来するルネサステクノロジの社員にとっては、そのような管理体系ではビジネスのスピードが減速され、機会損失を招きかねない。そこで、「ネットワークは“公道”である」(江口氏)という認識のもと、オフィス以外の場所でも必要に応じてセキュアにイントラネットにアクセスできる“フラット”な仕組みづくりが急務だった。
それを実現したのが、グローバルIPネットワークにIPSecゲートウェイを設置し、インターネットを利用したIPSecとIP-VPNを連携させたシステムである。この結果「海外出張者の通信費が驚くほど安くなりました」という効果も得られた。
- 社内機密情報へのアクセス制御を行うことが可能になった。
また、「国際ルネサスネット」を特約店にも拡大する際、社内リモートアクセスと特約店を別グループにすることで、懸念の社内機密情報へのアクセス制御を行うことができた。このようにルネサステクノロジはセキュリティと利便性を両立させたネットワークを完成させたのである。
西澤氏は「回線に増速が必要なときなどの対応は素早いし、NTTコミュニケーションズの社内のコミュニケーションのよさには感心しています」と、チャネル営業本部グローバル営業推進部第三担当の中澤淳氏の努力を評価する。
海外での現地対応についても、江口氏は「海外拠点の中にはIT専任者がいないところもありますので、現地のサポートが不安でしたが、NTTコミュニケーションズの場合、サービス提供地域には必ず現地スタッフが駐在しており、何かあるとすぐに直接対応してくれます。
海外でこれほどのサービスが利用できるとは、正直なところ驚きでしたし、管理者としては心強い限りです」と満足している。