「時間デトックス」で
「本当にやりたいこと」に時間を使おう
自分の人生を「心地よさ」でデザインする
時間に追われる日々を、「どうしようもない」とあきらめてはいないだろうか。
仕事も好きだし、学ぶことも好き。家族の時間もひとりの時間も大事にしたい。新しいことに挑戦もしたい。人から頼られるのはうれしいし、頼まれごともできるだけ引き受けてきた。
こんながんばり方には限界が来ているような気がしている。だけど、目の前のことを打ち返すことに精一杯で、考えているヒマもない──。
そんな人に提案したいのが、自分の人生をデザインする「タイムコーディネート」という考え方だ。
自分の人生は今という時間の積み重ねでつくられる。時短や効率化を目指す前に、自分がどんな人生を生きたいかを描き、時間を自分の「心地よさ」でコーディネートしていこう。
これは単に楽をしようというのではない。自分の心に正直に、心地よいと思うことに時間を使っていこうということだ。やりたいことをやることや、チャレンジも、心地よさに含まれる。
誰かの時間術をマネしても、自分の心地よさにつながるとは限らない。自分の心地よさを軸に、やることを削ぎ落として、ありたい未来をつかみにいこう。
なぜ「時間がない」と感じるのか
なぜ多くの人は「時間がない」と感じるのだろうか。それは、1日24時間で実際にできること以上に、やることを詰め込んでいるからだ。
「時間がない」ことの背景には、2つの要因がある。「『やりたいこと』がありすぎて時間がない」と「『やらなきゃいけないこと』がありすぎて時間がない」の2つだ。
これらは似ているようでいて、時間のコントロール権を自分が握れているかという点ではまったく異なる。
やりたいことがたくさんあって時間が足りないということは、自分の選んだ結果で時間に追われている状態だ。
それなら、優先順位を見直してやることを絞れば、時間をコントロールできない状態から抜け出すことができる。
しかし、やらなければならないことに追われているなら、それは他人に時間のコントロール権があるということだ。
これは、時間の使い方を見直すだけでは解決することはできない。「やりたい」ではなく、「やらなきゃいけない」というネガティブな気持ちを抱え続けると、どんどん苦しくなってしまうのは目に見えている。
まずはやることに対して、「自分でコントロール権を握る意識」を持つことから始めよう。
やるべきことができていない原因は、時間の使い方にある
時間ができたらやろう、と思っていることがあったら、まずはそれを書き出してみよう。書き出したもののなかには、「やったほうがいい」「やってみようかな」程度のものも含まれているかもしれない。
「やりたいけど、できていないことがある」と感じるときは、まずはその理由、「自分への言い訳」を明確にしよう。
そのうえでおすすめしたいのが、自分の時間の使い方を整理するために、1日の過ごし方を書き出すことだ。24時間表記のバーチカル手帳を使うなどして、睡眠、身支度、家事、仕事など、ざっくりと24時間のスケジュールを書き出す。
それから、書き出したものを「やる必要のあること(青)」「やりたいこと・好きなこと(赤)」に色分けをし、どのようなバランスで時間を使っているかを客観的に把握しよう。
家事や仕事でも、自分のやりたいことは赤で塗る。どちらにも当てはまらないものは、色を塗らずに残しておく。
1日のログを踏まえて、自分のやりたいことがなぜできていないと感じるのかを改めて考えてみよう。実際にやってみると、それぞれに気づきがあったはずだ。
1日のログをとれたら、今度は1週間の時間を見える化していく。タイムコーディネートでは、1週間ごとのタスク管理をお勧めしている。
1週間単位で管理すれば、今日やろうと思っていたことが終わらなくても、1週間単位で調整をすることができる。
1日のときと同じように、やる必要があることは青、やりたいことは赤で色分けし、どちらにも当たらないものには色を塗らない。
それから、「やる必要のある時間」でやっている行動を細分化し、今後どちらかといえば「やりたい」か「やりたくない」に分類する。やりたくない気持ちに気づいたら、今後やりたくないことを手放す意識ができるはずだ。
「やりたいこと」と
「やりたくないこと」を線引きする
「心地よい」時間とは「やりたいことができている」時間
タイムコーディネートでは「つい入れたくなるような楽しい時間」よりも「心も身体も落ち着いた、心地よい状態でいる時間」を大切にする。
楽しい予定ばかり詰め込んだ結果、反動で疲労が続いては、時間の価値は下がってしまう。
行動する時間も休息する時間も含めて、どう時間を使ったら自分のコンディションを保つことができるのか、知っておくことが重要だ。
次の4つの視点から、「心地よい時間」について考えてみよう。
「どのような時間が多いとうれしい?」
「何をしている時間が好き?」
「心身のコンディションを高く保てる時間バランスは?」
「ストレスを感じる時間は?」
心地よいと感じられる時間や、そのバランスは人それぞれ異なる。実際に試しながら自分にとっての心地よい時間の使い方を探っていこう。
「やりたくないこと」を探り、手放す
やりたくないことを探る方法としては、「ネガティブな感情を感じたときに、なぜそう感じたか」を毎日の記録として書き出しておくことがおすすめだ。
たとえば、人と会うことは好きなのに、なぜかモヤモヤした日、その原因をさまざまな視点から考えてみる。
場所、時間、人、もの、自分のコンディションなど、もしかしたらいくつかの要因が重なってネガティブな感情に動いたのかもしれない。書き出せば、複数の要因があったとしても、それを突き止めやすくなる。
自分がどんな状況でネガティブな感情になりやすいかがわかったら、次からはそれを避けるために、初めの段階で「線引き」をしよう。
約束をする前に自分なりの判断基準をもっておけば、時間のコントロール権を自分で握り、不要なストレスを避けることができる。
【必読ポイント!】
やりたくないことをデトックス
捨てる
私たちは、時短や効率化だけでは間に合わないくらい、やることを抱えている。だからこそ、いま抱えているタスクを手放さなければ、新たな時間は生み出せない。
ここからは「捨てる・任せる・ゆるめる」の3つの視点でタスクを手放して、自分がやりたいこと、自分にしかできないことに時間を使う方法を紹介する。
たとえば仕事であれば、「何となくやっている仕事」は捨てられるものの筆頭だ。前任者から引き継いだ効果もさほど高くない業務や、報告ばかりの会議など、業務の意図や背景を理解せずに行なっていることがあったら、そもそもなんのためにやっているのかを立ち止まって考えてみよう。
もし、必要がない、改善したほうがいいと思うことがあれば「捨てる」。そうして生まれた時間で、より生産性の高い仕事に取り組んでいく。
タスクの重要度を考えるときには「他人軸」を捨てなければならない。私たちはつい、世間体や他人の目を気にして、そこからずれない選択をしたくなる。
ライフプランを考えること自体は悪いことではないが、「普通」にとらわれて「◯歳になるまでにこれをやらなければ」という基準を気にしてばかりいては、疲れてしまう。
人がつくった道を歩き続けるのも、人と違う道を歩むのもどちらも大変なことだ。
どちらにしても大変なら、未来の「ありたい自分」にとって重要な、自分が納得できる道を選んだほうがよいのではないだろうか。
自分で選んで決めるのが、自分軸で生きるということだ。
任せる
日常の家事のなかにやりたくないことが見つかったら、「任せる」ことを考えてみよう。家電を導入すれば、人間の時間や労力を大幅にカットできる場合が多い。
家電は10万円を超えるものも多いため、購入をためらってしまうかもしれない。だが、購入後にその家電を使う期間でその価値を考えれば、「タイパ」や「コスパ」の高さを感じられるはずだ。
たとえば、20万円のドラム式洗濯乾燥機を購入し、短く見積もって5年使ったと考えると、1日あたりの本体価格は約110円だ。たった110円で、洗濯物を干す時間や取り込む時間の20〜30分が短縮できる。
週換算では約210分、月換算では約900分が節約できることになり、生み出す時間は大きいといえる。自分にとって効率化・時短をしたい家事については、家電に任せることを積極的に検討しよう。
仕事においても家庭においても、ときには人に「任せる」ことも重要だ。人に任せることについて、やりたくないことを人に押しつけているようだと、罪悪感を感じてしまう人は少なくない。
たしかに、任せたいと思う気持ちの起点は利己的であることがほとんどだ。だが、そこに罪悪感を覚える必要はない。
任せ上手は、任せる「相手」や「タイミング」を見計らい、任された人のメリットも考えながら、双方にとってプラスになるような任せ方を考えている。
正しい任せ方ができれば、任せる人と任される人の両方の時間の価値を上げることができる。
ゆるめる
私たちはあらゆる場面で無意識に「こうすべき」と思い込んで、自分を苦しめていることが少なくない。
長時間労働が成功の鍵だと信じてパフォーマンスを低下させたり、自分がガマンすれば丸く収まると意見を飲み込んで不満を爆発させたりと、思い込みによって視野が狭くなると、よくない結果につながってしまう。
「こうすべき」という考えは自分の行動だけでなく、他人の行動をも縛ることになる。これでは、人間関係にも悪影響を与えかねない。
「こうすべき」をゆるめるには、さまざまな価値観に触れることが重要だ。具体的には、オンラインコミュニティや異業種交流会イベントなどに参加してみることや、普段読まないジャンルの本を読むこと、行ったことのない場所に行ってみることなどが挙げられる。
自分と考えの異なる人に出会い、自分と他者が二者択一の状態であったら、自分以外の考えを否定し、攻撃しかねない。
しかし、第三、第四の考えを知っていくにつれ、自分の考えがすべてではないことが実感できるはずだ。こうした経験を積めば、多様な視点で物事を考える回路が整い、柔軟性が備わっていく。
「こうすべき」をゆるめて、バランスの取れた視点が持てれば、ストレスや不安も軽減できる。
この記事はNTTドコモビジネスとNewsPicksが共同で運営するメディアサービスNewsPicks +dより転載しております 。
提供:フライヤー
編集:谷下奈穂
デザイン:山口言悟(Gengo Design Studio)








