Web会議・テレビ会議・電話会議の特徴
Web会議、テレビ会議、電話会議は、いずれも同じようなシステムに思えますが、実はそれぞれ異なる仕組みを持ちます。ここでは、3種類の会議方法の特徴について詳しく解説します。
Web会議
Web会議は、インターネット回線を通じて、遠隔の相手と映像や音声を共有する会議システムです。
Webブラウザから直接オンライン会議に参加できるため、専用機材を揃える必要がありません。
インターネット回線があれば、自宅やコワーキングスペースからでも参加できます。
専用機材がいらない分、初期費用を抑えられ、また画面共有やチャットなど豊富な機能を搭載した製品が多いのも特徴です。
テレビ会議
テレビ会議とは、会議室などに設置された専用端末を通じて遠隔会議を行うシステムです。
場所が異なる二ヶ所の拠点を一対一に接続するPoint to Point(PtoP)で通信を行います。
モニターやイントラネットなどの専用機器・回線を必要とするため比較的コストは高くなりますが、
Web会議システムよりも映像や音声の安定性に優れます。
電話会議
電話会議は、システム提供者が指定する番号(アクセスポイント)に電話をかけて会議を行うシステムです。通常の電話とは異なり、アクセスポイントに複数の参加者を集められるため、同時に3人以上での会議が可能になります。
固定電話回線や携帯電話回線を利用することから、映像を送受信することはできません。しかし、
Web会議やテレビ会議に不慣れな方でも使いやすく、手軽に導入できるのが特徴
です。
Web会議・テレビ会議・電話会議の5つの違い
Web会議、テレビ会議、電話会議の違いは主に5つの項目に分けられます。
それぞれの項目について解説します。
1.会議場所
テレビ会議は、専用端末が設置された場所でしか利用できません。
一方のWeb会議や電話会議は、インターネットや通話ができる環境さえあれば場所を問わずに会議へ参加できます。
ユーザーが気軽に参加できる環境を整えやすいのは、Web会議や電話会議でしょう。
2.参加人数の目安
各会議システムのサービスによりますが、基本的にテレビ会議のほうが大規模な会議やイベントには向いています。
テレビ会議は、会議室に入れる人数内であれば、大人数でもスムーズに会議を行えます。
Web会議の場合は、回線が重くなったり、パソコンの画面サイズによっては一人ひとりの顔を見づらかったりと、大人数でのコミュニケーションがとりにくくなる可能性があります。そのため、数名から20名程度のバランスがよいでしょう。
映像を送受信できない電話会議は、誰の発言か判断するのが難しく、多くても6名程度が目安です。
3.必要なもの
テレビ会議では、モニターやマイク、スピーカーなど専用のハードウェアや専用回線(イントラネット)が必要です。また、三ヶ所以上の複数拠点同士で接続する場合は、MCU(多地点接続装置)を設置する必要があります。
Web会議はインターネット回線とパソコン、電話会議は携帯電話一つで済む
ため、テレビ会議よりも手軽に会議へ参加できます。
4.費用
Web会議は、月額費用だけで済むサービスが多く、テレビ会議よりもコストを抑えやすくなっています。
また、電話会議は、基本的に月額費用と電話をかけた分の通話料金がかかりますが、使用頻度によって費用を調整しやすいでしょう。
テレビ会議の場合は、専用ハードウェアを購入する初期費用に加え、さらに月額費用もかかるのでトータルのコストがかさみやすい傾向にあります。
※ただし、いずれのシステムも提供会社ごとに料金体系は異なります
5.導入の容易さ
テレビ会議は、複数の専用機材を取り揃える必要があります。また、導入するための工事が必要なこともありハードルは高めです。
Web会議と電話会議はパソコンやスマートフォン、社内電話などを活用できます。
既存のデバイスを利用できる分、容易に導入が可能です。
Web会議システムのメリットとデメリット
ここからは、3つのシステムのメリットとデメリットを比較します。まずは、Web会議システムから見ていきましょう。
Web会議システムのメリット
- 会議に参加するための交通費や移動時間を削減できる
- 資料をペーパーレスにしたうえで、複数の参加者と同時に情報を共有できる
- ウィズコロナに合わせた多様な働き方を実現させやすい
Web会議は、インターネット環境があればどこからでも参加できるため、たとえば本社の全体会議や定例会議に参加する際の交通費や移動時間を削減できます。また、社内以外に
自宅やコワーキングスペースから参加することで、テレワークやハイブリッドワークなどの多様な働き方にも対応しやすい
でしょう。
多くのWeb会議システムには、画面共有や資料配布などの機能が備わっています。こうした機能を使うと、わざわざ紙の資料を用意することなくオンライン上で情報共有が完結します。
Web会議システムのデメリット
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利用者のインターネット環境に映像や音声の質が左右される
-
テレビ会議に比べて臨場感が低く、相手の表情や雰囲気をつかみづらい
インターネット回線を利用するWeb会議システムは、 利用者の接続状況や回線品質がそのまま映像や音声の質に影響を与えます。
たとえば、回線が混み合い回線速度が低下してしまうと、画質や音質の低下、会議の途中終了といったトラブルに発展しがちです。
また、テレビ会議システムよりも画面が小さいパソコンやスマートフォンで会議に参加していると、相手の表情や場の雰囲気が読み取りづらくなります。
テレビ会議システムのメリットとデメリット
次に、テレビ会議システムのメリット・デメリットを解説します。
テレビ会議システムのメリット
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専用回線を利用するので映像が途切れづらく、音声も聞き取りやすい
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大画面のモニターで臨場感のある映像を確認できる
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大人数が参加する会議に対応しやすい
インターネット回線ではなくイントラネットを活用するテレビ会議は、通信品質が安定しやすいというメリットがあります。会議の途中で映像が途切れる、会議が途中で終了してしまうといったトラブルを回避できます。
また、専用の大画面モニターで、参加者の表情や場の雰囲気を確認できるのも特徴です。大人数が参加するような会議でも対応しやすいでしょう。
テレビ会議システムのデメリット
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決まった場所でしか利用できず柔軟性に欠ける
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コストが高くなりやすい
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Web会議システムより機能が少ないケースがある
テレビ会議システムは、専用端末が設置されている場所でしか利用できません。発信者側と受信者側の双方に専用端末を設置する必要があるため
必然的にWeb会議や電話会議よりも柔軟性が低くなります。
また、テレビ会議システムには、録画機能やノイズキャンセラーを搭載した製品がありますが、Web会議システムに比べて機能はシンプルです。画面共有やチャット、ファイル送信といった機能を使いたい場合は、Web会議システムが向いています。
電話会議システムのメリットとデメリット
Web会議システム、テレビ会議システムよりも簡単に導入できることから、近年注目を集めている電話会議システム。他の二つと同様に、導入を検討する際にはメリット・デメリットを把握しておきましょう。
電話会議システムのメリット
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費用を安く抑えられるうえに音質がよい
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スマートフォン一つで手軽に会議へ参加できる
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Web会議やテレビ会議に慣れていない方でも使いやすい
電話会議システムに必要なのは、基本的には月々の利用料と電話代のみで、初期費用がかかりません。
また、会議をする際には電話回線を利用するため、インターネット回線を用いるWeb会議よりも音質が安定しやすくなります。
普段通りに電話をかける要領で利用できるのもメリットです。Web会議やテレビ会議のシステムやユーザーインターフェースに慣れない方でも、電話会議システムなら馴染みやすいでしょう。
電話会議システムのデメリット
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相手の表情や場の雰囲気が確認できず利用シーンが限られる
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画面や資料を相手と共有できない
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接続する拠点数が増えるほど通話料金が高くなる
電話会議の最大のデメリットは、相手の顔を確認できない点です。音声のみの通信となるため、 Web会議のように自分の画面を共有したり、資料を送付したりすることもできません。
また、使用した分の電話料金が発生するため、会議の機会や接続する拠点数が多くなるほどコストが高くなります。
電話料金を負担するのは、参加者が指定の電話番号を呼び出す「コールイン方式」と、主催者側で参加者を招待する「コールアウト方式」で異なります。コールイン方式は参加者が、コールアウト方式は主催者が電話料金を負担する仕組みです。
Web会議・テレビ会議・電話会議の使い分け方
ここまで解説した3つの会議システムを、どのように使い分けるのがよいのでしょうか。最後に、それぞれの活用方法や使い分け方を解説します。
会議の質を高められるのはテレビ会議
会議の質にこだわる場合は、テレビ会議が適しています。
テレビ会議システムは、画質と音質が安定しやすく、通信が途中で途切れるリスクを最小限に抑えられます。幹部会議や取引先との定例会議など、絶対に会議が途中終了してはならない重要なイベント時も安心して使用できるでしょう。
また、相手の顔や表情をはっきりと読み取れるので、会議の質そのものを向上できます。
導入しやすさを重視するならWeb会議
導入しやすい会議システムを選ぶなら、Web会議システムがおすすめです。
Web会議は、Webブラウザにアクセスするだけで簡単に会議へ参加できるため、専用の機材を取り揃える必要がありません。初期費用がかからず月額費用のみで利用できることもあり、3種類の会議システムのなかではもっとも導入しやすいといえます。
ただし、テレビ会議のような大人数の会議には不向きなので、 担当者レベルでの日常的な打ち合わせや、少人数のプロジェクトチームで行うミーティングなどに活用するとよいでしょう。
オンライン会議に慣れてなくても使いやすいのは電話会議
「オンライン会議に慣れてなくても使いやすい」ことを重視する場合、電話会議が適しています。
電話会議への参加は、スマートフォンで発信をするように特定のアクセスポイントに電話をかけるだけで済みます。ユーザーインターフェースと操作性がもっともシンプルなので、IT知識がない従業員でも参加しやすいのがメリットです。
しかし、相手の顔や表情を確認できないというデメリットがあるため、 定例会議より緊急時のミーティングをはじめとする即効性が求められる場面に向いています。
また、クリアな音声を再現できることもあり、海外とつなぎたい場合にも役立つでしょう。
目的に応じて自社に合う会議システムを導入しよう
Web会議、テレビ会議、電話会議はそれぞれ特徴が異なり、いずれもメリットとデメリットが存在します。複数の選択肢のなかから自社に合う会議システムを選ぶには、
まず目的を明確にしたうえで、会議の質や使いやすさなど求める優先順位を決めましょう。
NTTコミュニケーションズでは、テレビ会議システム「Arcstar TV Conferencing」のほか、電話会議システム「Arcstar
Audio Conferencing」を提供しています。
Arcstar TV Conferencingは Microsoft Teamsと接続できるため、テレビ会議の既存設備をそのまま活用しながら会議を開催することが可能
です。また、テレビ会議をライブ配信する機能も搭載しています。
Arcstar Audio Conferencingは、複数の拠点に接続しても安定した通話品質を確保。
また、簡単にワンタイムPINを発行できるほか、NTTコミュニケーションズの「050」番号からの発信・着信であれば通話料金が無料です。
それぞれのサービス詳細は以下のリンクからご確認ください。
Arcstar TV Conferencing
Web会議、テレビ会議、電話会議のどのシステムを導入するのがよいかお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談いただければ幸いです。活用目的や背景をお聞きしながら、最適なご提案をさせていただきます。