
テレビ会議とWeb会議の違いを徹底解説!10種類の比較項目を検証

場所や時間に捉われない働き方が求められるようになるなか、会議システムの重要性が高まってきています。会議システムを使えば、その場にいながら遠隔地とコミュニケーションがとれ、テレワークやハイブリッドワークにも対応しやすくなるでしょう。
そのようななかで難しい選択が、会議システムの選び方です。会議システムには、テレビ会議システムやWeb会議システムといった複数の種類が存在し、それぞれ役割や機能が異なります。
こちらの記事では、テレビ会議とWeb会議の違いを徹底的に比較・解説します。
テレビ会議とWeb会議の違い

テレビ会議・Web会議の違いについて、まずは以下の表で比較してみましょう。
テレビ会議システム | Web会議システム | |
---|---|---|
使い方 | 会議室に機器を設置して使用 | Webブラウザから直接アクセス |
会議場所 | 会議室など場所が限られる |
ネット回線がつながる場所であれば どこでも会議ができる |
必要なもの | 専用機器、専用回線 | ネット回線、PCやスマホ |
費用 | 高い | 安い |
接続方式 | PtoP(Point to Point) | サーバー/クライアント |
コーデックの種類 | ハードウェアコーデック | ソフトウェアコーデック |
メンテナンス | 必要 | 不要 |
通話品質 | 品質が安定している | インターネット環境による |
汎用性 | 低い | 高い |
利用開始までの期間 | 時間がかかりやすい | 契約後すぐに利用可能 |
それぞれの項目について以下で解説します。
1.使い方
テレビ会議システムとは、会議室のスペースに専用機器を設置して利用する方法です。固定電話のようなイメージです。
対してWeb会議システムは、パソコンやスマートフォンにアプリケーションを導入するだけで、Webからサービスを利用できます。
2.会議場所
テレビ会議システムは、専用機器を設置した場所からのみ映像や音声を発信できます。
Web会議システムは、発信者と受信者の場所にかかわらず会議システムにアクセス可能。このため、柔軟性に優れるのはWeb会議システムだと言えるでしょう。
3.必要なもの
テレビ会議システムはカメラやマイクのほか、モニターやプロジェクタ、専用回線(イントラネット)などが必要です。
Web会議システムは、インターネット回線と端末、カメラ、マイクを用意すれば使用できます。カメラやマイクが端末に内蔵されていれば、さらにシンプルな環境で参加できるでしょう。
4.費用
テレビ会議システムは、高品質な映像や音声を表現するための専用ハードウェアを購入する必要があります。その購入費が初期費用に加算されるため、おのずとWeb会議システムより高額になりがちです。また、初期費用と共にシステムの月額利用料も発生します。
Web会議システムは、クラウド型であれば基本的に初期費用は無料です。月々の利用料を支払うのみで使用できます。
5.接続方式
テレビ会議システムは、映像や音声が途切れないよう専用の接続回線が必要です。多くの地点を同時接続する際は、拠点となる装置を複数箇所に設置する必要があります。
Web会議システムはインターネット環境さえあれば、ベンダーが提供するサーバーに接続することでサービスを利用できます。
6.コーデックの種類
テレビ会議やWeb会議をする場合、映像や音声はエンコード(圧縮)された状態で相手に届きます。相手に映像や音声が届くと同時にデータがデコード(復元)され、元の映像や音声が視聴できる仕組みです。この圧縮や復元を行うパーツを「コーデック」と言います。
テレビ会議システムには、ハードウェアコーデックが採用されており、専用の機器から高品質で安定した映像や音声を配信できるのが特徴です。
Web会議システムにはソフトウェアコーデックが使用されており、ハードウェアコーデックよりも低コストで導入できます。
7.メンテナンス
テレビ会議システムは、サーバーの老朽化対策が必須です。さらに、モニターやマイクといったハードウェアのメンテナンスも自社で実施する必要があります。
Web会議システムは、オンプレミス型の場合には、自社でサーバーメンテナンスが必要になります。しかし、クラウド型であればベンダーがメンテナンスを行ってくれるため、自社で行う必要はありません。
8.通話品質
専用の接続回線を用いるテレビ会議システムは、音質が安定しやすいというメリットがあります。
既設のインターネット回線で会議を行うWeb会議システムは、利用者のインターネット環境によっては音質が不安定になるケースも考えられます。
9.汎用性
テレビ会議システムは、必要に応じて機器や回線の追加購入が必要です。また、会議できる場所も限られるため、汎用性は高くはありません。
Web会議システムは、ライセンスやアプリで簡単に機能を追加できます。自分に合うカスタマイズができたり、自由な場所で使えたりといった特徴もあります。
10.利用開始までの期間
テレビ会議システムは、導入時にモニターの設置工事が必要になるため、利用開始までの期間を計算に入れたうえで前もって計画を立てておくことが大切です。
Web会議システムは、早いものであればベンダーとの契約直後から利用できます。
テレビ会議・Web会議システムのメリットとデメリット

テレビ会議とWeb会議のメリット・デメリットは以下の通りです。
テレビ会議 | Web会議 | |
---|---|---|
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
それぞれのメリットとデメリットについて詳しく解説します。
テレビ会議システムのメリット・デメリット
メリット |
|
---|---|
デメリット |
|
テレビ会議システムは、複数拠点にMCU(Multipoint ControlUnit/多地点接続装置)を設置して利用する方法が一般的です。イントラネットと呼ばれる専用回線を利用するため、 画質や音質、ネットワーク品質が安定しやすくなります。 また、外部のネットワークと干渉せず、情報漏洩リスクやマルウェア感染リスクを抑えられます。
デメリットは、柔軟性に欠ける点です。テレビ会議システムは専用機器が設置された場所からしか会議に参加できないため、 従業員が各地に散らばって仕事を行うテレワークやハイブリッドワークには向きません。
Web会議システムのメリット・デメリット
メリット |
|
---|---|
デメリット |
|
Web会議は、インターネット環境さえあれば誰でも簡単に参加できます。機器が設置されている場所でしか開催できないということもなく、 社内はもちろん自宅やコワーキングスペースなど自由な場所からアクセスできます。 さまざまな場面で利用できるという意味において、Web会議システムのほうが汎用性が高いと言えるでしょう。
しかし、インターネット回線を用いるため、利用している回線の質に映像や音声の質が依存します。 インターネット回線の品質が低いと、映像が固まったり音が途切れたりといったトラブルも発生しがちです。
また、第三者による不正アクセスや、接続環境による情報漏えいといったセキュリティリスクも、電話会議に比べて高まりやすいのもデメリットといえます。
テレビ会議とWeb会議は何ができる?主な機能を紹介

テレビ会議とWeb会議それぞれで、具体的にどのようなことができるのかを解説します。それぞれの主要な機能を知り、用途に応じた会議システムを選びましょう。
テレビ会議システムの主な機能
- テレビ会議システムでは、主に以下のような機能が使用できます。
- ノイズキャンセラー
- ミーティングの録画機能
- セキュリティ機能
ノイズキャンセラー
ノイズキャンセラーは、周囲の雑音を取り除くことができる機能です。Web会議システムの場合は、インターネット回線が混み合うと音声が乱れやすくなりますが、 テレビ会議システムの場合はノイズキャンセラーのおかげでよりクリアな音声を出力できます。
ミーティングの録画機能
録画機能を活用すれば、配信し終わった動画を後で見返すことができます。ライブ配信をする場合でも、 録画した映像ならば自由に一時停止や巻き戻しが可能。 社長講話や研修動画などで活用すれば、従業員の理解度が高まりやすいでしょう。
セキュリティ機能
テレビ会議システムのなかには、信号をすべて暗号化する機能や、参加する端末を認証できる機能などが備わった製品があります。こうしたセキュリティ機能を活用することで、 情報漏洩リスクやウイルス感染リスクを抑えられます。
Web会議システムの主な機能
Web会議システムの主な機能は以下の通りです。
- 画面共有機能
- チャット機能
- ファイル送信機能
- ホワイトボード機能
画面共有機能
Web会議システムに表示されている画面共有ボタンを押すだけで、現在の自分の画面を簡単に相手と共有できます。 パソコン上で実行されているWebブラウザやアプリ、画像などあらゆる画面を共有できる のが強みです。リモート会議・オンライン会議で情報周知を行うときや、自由なアイデアを出し合うときなどに活躍します。
チャット機能
Web会議システムのチャット機能は、文面で相手とコミュニケーションできます。チャット機能があれば、 会議の途中に文章で質問を行えるほか、WebページのURLを送って内容を確認してもらうことも可能です。
ファイル送信機能
会議中に話題にあがった資料を会議後にメールで送信するのは手間がかかります。しかし、ファイル送信機能があれば、 Web会議システムを開いたまま参加者全員にその場で資料を配布できます。
ホワイトボード機能
参加者全員で共有できるテキストや図形を用いるときは、ホワイトボード機能が便利です。 画面に表示されたホワイトボードにマウスやペンタブレットなどを使って自由に描写できます。 目に見える形で特定の情報を発信したいときに役立ちます。
どちらが自社に合う?テレビ会議とWeb会議の選び方

テレビ会議とWeb会議のメリット・デメリット、機能などを比較することで、どちらの会議システムを導入すべきか見えてきます。
テレビ会議システムを導入すべきケース | Web会議システムを導入すべきケース |
---|---|
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テレビ会議システムの優れている点は、ネットワークや映像の品質にあります。 社長講話や役員会議、オールハンズミーテイングなど、接続の安定性が求められる重要な会議に向いていると言えるでしょう。
一方のWeb会議システムは、テレビ会議システムより柔軟性に優れます。定例ミーティングや打ち合わせ、セミナー配信など多様なシーンで活用が可能です。 また、テレワークを希望する従業員が多い場合や、ハイブリッドワークを導入するときなどにも効果を発揮します。
高品質の会議システムを導入するなら

汎用性に優れ費用も安いWeb会議システムですが、ネットワークが安定しづらく、大人数での会議には向かないという点には注意しなければなりません。会社の意思決定に関わる重要な内容を扱うようなケースでは特に、画質や音質が安定したテレビ会議システムがおすすめです。
NTTコミュニケーションズでは、「Arcstar TV Conferencing」というテレビ会議システムを提供しています。
テレビ会議には設備の購入やメンテナンスが必要とお伝えしましたが、Arcstar TVConferencingはクラウドサービスのため、自社でMCUやサーバー設備を所有する必要がありません(テレビ会議端末の購入は必要)。
また、 現在Microsoft TeamsやMicrosoft Streamを利用している場合、簡単操作でテレビ会議との相互接続が可能。 テレビ会議とWeb会議の良いところを掛け合わせることができます。本来は会議室といった定められた場所でしか使えないテレビ会議が、TeamsやStreamと連携することで幅広いシーンで活用できるようになるのです。
社内ネットワークだけでなく、社外ネットワークからも接続でき、大規模な会議からテレワーク・ハイブリッドワークまで、多様なシーンでシームレスにご利用いただけるでしょう。
会議システムの導入をご検討の方は、以下から詳細をご確認いただき、まずはぜひお気軽にご相談ください。
Arcstar TV Conferencing
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