トランスコスモス株式会社
クラウド接続型音声サービスArcstar IP Voice Connectを導入
クラウドシフトによりコンタクトセンター運営を革新
トランスコスモス株式会社
エンジニアリング統括本部
DCC事業エンジニアリング統括部 統括部長 兼
CX事業統括 デジタルカスタマーコミュニケーション総括
コミュニケーションプラットフォーム推進本部
プラットフォーム部 部長
宮澤朋成氏
「IP Voice Connectのサービス開発時からNTTドコモビジネスと一緒に導入検討をすることで、プロダクトアウトではなくマーケットインの共創アプローチができたと思っています」
トランスコスモス株式会社
CX事業統括 デジタルカスタマーコミュニケーション総括
セキュリティ対策室 室長 兼
コミュニケーションプラットフォーム推進本部
プラットフォーム部 ITインテグレーション課 課長
北村康明氏
「週1~2度の緊密な情報交換を行い、課題やタスクの進捗を確認しながら進めました。足かけ2年でしたが、円滑なコミュニケーションがプロジェクトの成功要因の1つだと思っています」
課題
音声プラットフォームのクラウドシフトで新たな価値創出へ
従来の膨大な電話回線のクラウド接続が大きな障壁に
トランスコスモス株式会社は、デジタルマーケティング事業、EC事業、コンタクトセンター事業、BPO事業、グローバル事業といった幅広い領域のビジネスを展開。顧客企業の変革を支援する「Global Digital Transformation Partner」を目指している。主力事業の1つ、コンタクトセンター事業は長年のサービス提供で培ったオペレーションの創意工夫とEC、マーケティングなどのテクノロジーを融合。顧客接点を「面」でとらえた一気通貫のサービスを提供できることが強みとなっている。同社ではエンドユーザーに心地よいCX(顧客体験)を提供するために、最新テクノロジーと人的サービスを融合した音声プラットフォームを構築。金融、製造、流通、公共といった多様な業界のコンタクトセンター運営を請け負っている。
数年前より、同社では音声プラットフォームのクラウドシフトを画策していた。「従来、オンプレミス環境にあった音声プラットフォームのクラウドシフトが、クライアント企業やエンドユーザーの満足度を高めるシームレスなサービス提供には不可欠だと考えていました。しかし、クラウドシフトにあたり最大の障壁になっていたのが、これまで利用してきた膨大な電話回線です。NTTドコモビジネスの法人向けIP電話サービス“Arcstar IP Voice”を利用していたのですが、各拠点に回線設備が必要なため、なんらかの形で現在の電話番号を継続しながらフルクラウド接続する方法の確立が急務となっていたのです」と、プラットフォーム部 部長の宮澤朋成氏(以下、宮澤氏)は当時の状況を振り返る。
さらに、クラウドシフトを急ぐ理由はいくつかあった。まず、北海道から沖縄まで日本全国でコンタクトセンター事業を展開する同社では、地域の0ABJ番号を利用する必要性から各拠点でしか業務ができない制約が生じていた。くわえて、オンプレミスの設備ごとに一定の回線を収容する必要があるため、回線の余剰や不足が生じており、回線の増減に要するリードタイムも課題となっていた。また、コロナ禍によりBCP対策やリモートワーク環境の整備も急がれる中、クラウドシフトによる全国拠点の統合管理と回線数の最適化、そして場所に縛られない働き方への対応もセンター運営の喫緊の課題となっていた。
対策
NTTドコモビジネスとの共創で新サービス開発に着手
同時進行でGenesys Cloud CXへの段階的な移行も
トランスコスモスの課題解決の糸口となったのは、長年、同社に電話回線を提供するNTTドコモビジネスに相談を持ちかけたことだった。「従来のArcstar IP-Voiceの回線ではクラウドPBXへの接続できないことは明らかでした。この問題を解決するために新たなサービスの提案をNTTドコモビジネスから受けたのです」(宮澤氏)
しかし、新サービスの開発を待っている時間はない。並行してフルクラウド化への移行準備も進めておく必要があった。すでに最終的なクラウドシフト先のサービスは、国内外でも定評のある「Genesys Cloud CX」に決まっていた。「そこで、いったんジェネシス社のBYOC Premise環境にプラットフォームを移行し、新たな回線サービスが開発された時点でBYOC Cloud環境のGenesys Cloud CXに移行する段階的なアプローチを採用しました。NTTドコモビジネスとともにBYOC Premise環境での機器調達、チャネルの追加といった稼働やコストを最小限にとどめる方法を模索し、確立できたのは非常にありがたかったですね」と語るのは、ITインテグレーション課 課長の北村康明氏(以下、北村氏)だ。
実際の開発プロセスでは、トランスコスモス側の要望を基にドコモビジネスが社内でサービス化を検討し、何度も素案を共有しながら最終的なサービス仕様がつくり込まれていった。そうして生まれた新サービスがクラウド接続型音声サービス「Arcstar IP Voice Connect」。利用中のSaaSからフルクラウドでの外線発着信が可能になる、クラウドPBXとクラウドコンタクトセンターに特化した仕様になっている。オンプレミス環境のような装置が不要になるため、スピーディーかつ低コストに導入できるメリットもある。
当初の構想から約2年の期間を経て、トランスコスモスの音声プラットフォームはBYOC Cloud環境のGenesys Cloud CXへ移行を完了した。「BYOC Premiseだとうまくいかなかった音声認識ソリューションとの接続が、BYOC Cloudへの移行でクリアできました。コロナ禍でニーズが急増していたBCP対策、リモートワークへ迅速に対応できたことを非常に高く評価しています」(北村氏)
効果
運用工数4割減で全国拠点の統合管理を実現
両社の強みを掛け合わせた新たな共創にも意欲
Arcstar IP Voice Connectの本格実装によるクラウドシフトが完了したことで、すでにさまざまな効果が生まれている。もっとも顕著な効果は運用面での効率化だ。「システム担当者目線で運用保守の稼働や立ち上げまでの期間を考えると、おそらく4割ほどの工数が削減できています。さらに、全国各地のコンタクトセンターで地域の番号を利用する際の設備や回線が不要になり、クラウド上で統合管理できるようになりました。つまり、1つの設備で全国の0ABJ番号が使えるようになったのです」(北村氏)
もちろん、番号ポータビリティによる既存の0ABJ番号の継続利用に加え、多くのクライアント企業が活用する「フリーダイヤル」「ナビダイヤル」といったドコモビジネスの番号帯をそのまま継続して利用できることも大きなメリットだった。電話回線についても従来のオンプレミス環境と同じ価格帯で提供されており、設備投資の削減を含めてクラウドシフト後のコスト負担の抑制に貢献しているという。
また、音声プラットフォームの全体最適化によりセンター運営の柔軟性も格段に向上した。「設備に対して一定の回線を収容するため余剰な回線が出る、回線増減のリードタイムがかかるオンプレミス環境から脱したことで、回線数の最適化、リードタイムの短縮といった効果も出ています。もちろん、これまで各拠点に設置していた設備や回線の運用保守にかかっていた稼働やコストも抑えられています」(宮澤氏)
なにより、Arcstar IP Voice Connectの導入による音声プラットフォームのフルクラウド化で生まれた最大の成果は、Genesys Cloud CX に搭載されているAIなどの先進機能が利用可能となったことだ。トランスコスモスでは今後の展望としてAIの積極的な活用を計画している。「コンタクトセンターの運営の効率化、自動化はもちろん、エンドユーザーのCX向上に資するAI活用を進めていきたいと考えています。さらに、電話の音声のみならず、Web上のFAQやチャットボットによる自動対応も含め、顧客接点の拡大も進めていきます。もちろん、今回の施策にとどまらず、引き続きNTTドコモビジネスとの共創関係は継続していく意向です。いつか、両社の強みとなるサービス同士を掛け合わせて、世の中に新しい価値、ビジネスに新たな利便性をもたらすソリューションを提供したいと考えています」(宮澤氏)
トランスコスモス株式会社
事業概要
デジタルマーケティング、EC、コンタクトセンター、BPO、グローバルといった幅広い事業を展開。いまなお、「人と技術」を組み合わせて最適なビジネスプロセスをつくる創業の原点を貫いている
URL
https://www.trans-cosmos.co.jp
(PDF形式/213 KB)
(掲載内容は2025年10月現在のものです)
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