株式会社徳島大正銀行
1人1台のスマホ配布で行内コミュニケーションを一気に加速
整備されたモバイル基盤で次なるデジタル変革への扉を開く
株式会社徳島大正銀行
企画部次長兼企画部デジタル戦略室次長
松田大輔氏
「従来の電話とメールのみの連絡手段から一転、全行員にスマホが行き渡ったことで場所を問わず気軽に電話をかけ、すばやくチャットもできる。その結果、より細かいコミュニケーションが実現しました」
株式会社徳島大正銀行
総務部次長
武市哲哉氏
「スマホだけでは稟議は通りません。固定電話を段階的に削減してコストを吸収する、クラウド電話帳で情報管理を改善する、MDMで端末を管理するというセット提案が経営層を説得するカギでした」
株式会社徳島大正銀行
企画部次長兼企画部デジタル戦略室次長
中野一朗氏
「スマホは今後、音声入力やカメラ入力でAIやシステムを動かす窓口になっていくと考えています。このインフラが整ったことで、これまで見えていなかったデジタル活用の選択肢が一気に広がりました」
株式会社徳島大正銀行
総務部
佐藤智美氏
「当初は固定電話のままでいいといった意見もありましたが、スマホを使い始めてから評価は一転。電話で言いにくいことはチャットで、しかも写真付きで送れる使い方が思っていた以上に便利だと好評です」
課題
取り次ぎと折り返しの連鎖を断つ、全行員へのスマホ配布を決断
約1,400台の一斉配備によりMDMの活用が必須要件に
2020年、徳島県に本店を置く徳島銀行と大阪府に本店を置く大正銀行が合併して誕生した徳島大正銀行。現在は徳島、四国各県、大阪、東京の4エリアに広域展開し、地域社会の発展に貢献できる身近で信頼できる銀行を目指している。2023年4月よりスタートした第2次経営計画では「奉仕、創造、錬成」の経営理念のもと、パーパス(存在意義)を「人、地域、社会を笑顔で満たす」と定義。「X(トランス)-formation For All~みらいへの挑戦」をメインテーマとして5つの変革を進めている。変革の1つ「オペレーション戦略」では業務のデジタル化・ITインフラ整備による業務基盤、仕組み、働き方の改革、そして生産性の向上に取り組んでいる。また、もう1つの変革の柱である「人財戦略」においても職員の「働きやすさと、働きがい」の両立に取り組んでおり、業務の効率化、行員間の情報連携の強化に向けたコミュニケーション基盤の刷新が喫緊の課題となっていた。
とくに改善が求められていたのは、老朽化したPBXで運用されている従来の固定電話環境だった。徳島大正銀行では支店長、外回りの多い営業担当といった一部の行員にスマホ・ドコモケータイといった携帯電話を貸与していたものの、大多数の内勤行員は固定電話で業務を行っていた。「たとえば支店長に電話するときに自席から支店に内線をかけて、内線に出た行員が支店長に取り次ぐ、不在の場合は折り返しの旨を伝えるといった煩雑な電話の取次業務が発生していたのです。これでは働きやすくないし、仕事の効率も落ちていました」と語るのは、企画部デジタル戦略室次長の松田大輔氏(以下、松田氏)だ。さらに、同行の業務では電話とメール以外のコミュニケーション手段がなく、今後のSaaS活用に向けた多要素認証の基盤としても1人1台のスマホが必要だという認識が広がっていた。
端末管理の問題も深刻だった。MDMは導入済みだったものの、個別の担当者が管理していたため業務が属人化。MDMをほとんど活用できておらず、端末管理のお困りごとはNTTドコモビジネスへ依頼する状態が続いていた。「そもそも、一部の行員に貸与していた携帯電話の用途が通話メインだったため、そこまで管理の必要性はありませんでした。しかし、今回、全行員の約1,400台のスマホを管理するにあたりMDMの活用が必須になったのです」と、総務部次長の武市哲哉氏(以下、武市氏)は振り返る。
対策
全行員iPhone配備とモバイルコミュニケーション基盤の一体整備
他行ベストプラクティスと伴走型支援で実現した短期間での全行展開
企画部と総務部がそれぞれの課題感を持ち寄り、全行員へのiPhone一斉配備を行う方針案を作成。経営層の承認を得て、新たなモバイルコミュニケーション基盤を整備するプロジェクトがスタートする。パートナーには古くから携帯電話などで取引のあったNTTドコモビジネスが選定された。「もちろん、他のキャリア、ベンダーからも提案を受け、比較検討しましたが、旧知のNTTドコモビジネスはできること、できないことをはっきり言ってくれます。長年の付き合いで本当に困ったときに動いてくれる安心感、徳島県の山間部まで網羅するエリアカバレッジの実績が決め手でした」(武市氏)。続けて松田氏も「プロジェクトを終えてみて、どこまでもお客さまに寄り添う泥臭さ、地に足の着いたサポート姿勢こそがNTTドコモビジネスの強みだと実感しました」と評価する。
NTTドコモビジネスから提案のあったサービスはインターネット環境に依存しないクリアな音声品質、クラウド・オンプレミス100種以上の電話交換機に対応、端末1台に携帯番号・内線番号を集約できる「オフィスリンク」によるスマホの内線化、名刺管理もできる「オフィスリンク+」によるクラウド電話帳管理、モバイルデバイスのセキュリティ対策と運用効率化に必要な機能を搭載した「あんしんマネージャーNEXT」による端末管理の組み合わせだ。また、電話とメール以外の新たなコミュニケーション手段としてチャットツールの導入も決まった。これらによりスマホをコミュニケーションの起点とすることで、煩雑な電話取り次ぎの解消、行員間の情報共有の改善、端末のセキュリティ強化、将来のDX基盤整備という複数の課題を一体的に解決する設計となっている。
導入にあたっては、NTTドコモビジネスのSEが総務・企画・事務部門と合同チームを組み、他の銀行でのベストプラクティスを参照しながらMDMの設定項目をひとつひとつ丁寧にフォローした。MDM・クラウド電話帳・チャットという3つのシステムの更新用ファイル(人事異動時など)を一括で作成できるマクロを内製した中野一朗氏(以下、中野氏)は「NTTドコモビジネスの担当者に必要なデータ形式を教えてもらい、趣味のマクロで組んだものです。ここで趣味が役に立つとは思いませんでしたね」と笑う。武市氏も「我々が不慣れなところをしっかりサポートしていただき、必要なスケジュールを引いてプロジェクトを牽引してくれたことで、約半年という短い期間での導入完了が実現できました」と伴走支援の効果を評価する。
効果
安全な端末・情報管理のもと行内コミュニケーションが一気に加速
コミュニケーション改革にとどまらない次なるデジタル戦略にも意欲
全行員へのスマホ配布により、どこにいても内線で直接呼び出しが可能になり取り次ぎ、折り返しが大幅に減少、業務効率が向上した。コスト面ではオフィスリンクによるスマホ内線化と並行して固定電話の段階的な削減を進めており、通信コストの最適化を見込んでいる。さらにオフィスリンク+で電話帳と名刺情報を一元管理できるようになり、「特定の行員しか知らない業者の連絡先がわからない」という状況も解消。「たとえば、店舗でシャッターが壊れたときでも、クラウド電話帳に登録された名刺情報をもとに誰にでも即座に業者に連絡できるようになりました。スマホに顧客情報が残らないため、セキュリティ面の安心感も大きいです」(武市氏)。もちろん、現時点でスマホの紛失件数はゼロだが、万一の際もMDMで即時停止できる体制が整っている。実際に端末管理を担当する総務部の佐藤智美氏も「NTTドコモビジネスの担当者に操作を一通り教えていただき、日常的な端末管理に対応できるようになりました。使い勝手はいいですね」と運用面での手応えを語る。
一方、行員からの反応も想定以上のものだった。当初、内勤行員を中心に「固定電話で充分」という意見もあったが、実際にスマホを使い始めると評価は一変した。「電話中心のコミュニケーションの取り方がガラリと変わりました。これまで企画部が打ってきたデジタル施策でスマホがいちばん喜ばれているようです。細かく、ちょっとした確認や共有といった日常的なコミュニケーションの活性化により行員のエンゲージメントも大きく向上しています。まさに『働きやすさと、働きがい』の実現につながっています」と松田氏は語る。中野氏も「格段にコミュニケーションが取りやすくなった印象です。簡単な用事はチャットで済ませることも増えてきましたね。ただ電話文化はまだ抜けきっていないので、そこは少しずつという感じです」と現状をフラットに語る。
個人の携帯電話を職場に持ち込めない銀行ならではの事情もあり、スマホに家族からの緊急連絡が直接届くようになったことも行員から好評だ。MDMを活用した業務用アプリの一斉配信、融資審査における担保物件写真のスマホ撮影からWi-Fi印刷への刷新など、現場の効率改善も着実に進んでいる。
松田氏は今後の展望をこう語る。「今回の施策で出た効果は単なるコミュニケーション改革ではありません。1人1台のスマホが全行員に行き渡ったことでSaaSとの接続時の認証基盤として活用、ゆくゆくは音声入力・カメラ入力でAIエージェントを動かす窓口にもなりえるでしょう。外出先からお客さまとの会話を音声入力してCRMに流す未来も、この基盤があって初めて実現できます。また、ブラウザベースで動く行内のオンプレミスシステムへのスマホからのアクセスもセキュリティを担保しながら実現すべく現在検討を進めています」。徳島大正銀行は引き続き、NTTドコモビジネスと連携しながら行内システムのモバイルアクセス整備や対顧客チャットの導入検討を進め、さらなるデジタル変革を加速させていく計画だ。
株式会社徳島大正銀行
事業概要
徳島、四国各県、大阪、東京の4エリアで広域展開し、第2次経営計画「X(トランス)-formation For All〜みらいへの挑戦」のもと、地域・顧客・行員のトランスフォーメーションを推進している。
URL
https://www.tokugin.co.jp/
(PDF形式/347 KB)
(掲載内容は2026年4月現在のものです)
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