NGK株式会社
PBX更改を機にMicrosoft Teamsへ電話機能を統合
社用スマホ一斉配布で現場発のDX推進を加速
NGK株式会社
ICTセンター グローバルITセキュリティ統制部
ネットワークグループ グループマネージャー
泉裕行氏
「PBX更改を機に電話システムをMicrosoft Teamsに統合し、全従業員にスマホを配布する構想が生まれました。経営陣には『DX推進の機運を高めるプラットフォーム整備』として提案し、理解を得ることができました」
NGK株式会社
ICTセンター グローバルITセキュリティ統制部
ネットワークグループ 主任
髙木啓志氏
「1か月半の実機体験期間を設け、『ITに不慣れな方でも安心して使える』マニュアルを整備したことで、切り替え後の問い合わせはほとんどありません。従業員との緊密な対話がプロジェクト成功のカギでした」
課題
PBX更改のタイミングを全社的DX推進の好機ととらえる
電話とMicrosoft Teams(以下、Teams)を連携、
社用スマホ起点のデジタル変革へ
NGK株式会社は、独自のセラミック技術でカーボンニュートラルとデジタル社会への貢献を目指し、モビリティ、エネルギー、IoT、産業などのビジネス領域で活動。2030年に向けて新規事業で売上高1000億円以上を目指している。同社では未来に向けた重要課題として「ESG経営」「収益力向上」「研究開発」「商品開花」「DX推進」という5つの変革に取り組んでおり、DX推進ではデジタル技術を駆使した業務効率化が重要なテーマだ。その一環としてMicrosoft 365を全社導入し、Microsoft Teamsを活用した従業員間のコミュニケーション変革に取り組んでいる。
こうしたDX推進の機運が高まる中、同社では既存の電話環境が抱える課題に直面。オンプレミスPBXの更改時期が迫り、そのまま更改しても変化する働き方に対応できないのではという懸念があった。「いまやコミュニケーションはダイレクトに相手を指定してとる時代です。なぜ代表や部門の電話番号や内線番号にかけてムダな取り次ぎ、折り返しをする必要があるのか。他のコミュニケーション基盤はTeamsに統合されているのに、なぜそこから電話だけが切り離されているのか。もっと時代や会社の方針に合ったいい方法があるはずだと考えたのです」と語るのは、ICTセンター グローバルITセキュリティ統制部 ネットワークグループ グループマネージャーの泉裕行氏(以下、泉氏)だ。
そこで社内インフラの運用を担うICTセンターの主導で次世代の電話環境の議論を重ね、Teamsを軸にした新たな電話環境の構築という方向性を固めた。しかし、これには従来のPBX更改を大きく上回る大規模な投資が必要だった。そこで泉氏らは、単なる電話システムの刷新ではなく、会社全体のDX推進につながる施策として経営層に提案した。「全社的な働き方改革とDX推進を統合的にとらえると、デジタルデバイスを浸透させるプラットフォーム整備が必要です。Teamsと電話を連携させ、全従業員にスマホを配布することで、全社的なDX推進を後押しする基盤ができることを伝えました」(泉氏)
しかし、新たなコミュニケーション基盤が完成しても従業員に利用されなければ意味はない。「ふだんPCやTeamsを利用しない従業員も多くいましたので、事前の周知、意見交換に基づく改善が必須になると考え、同時進行で準備を進めていきました」と、ICTセンター グローバルITセキュリティ統制部 ネットワークグループ 主任の髙木啓志氏(以下、髙木氏)は当時を振り返る。
ICTセンターでは2度にわたる戦略会議で、会社の方針に沿った新たなコミュニケーション基盤構想をアピールし、経営陣を説得。導入後の有効活用で充分に投資がペイできること、DX推進の機運を高めるプラットフォーム整備であることを強調し、最終的に経営陣の承認を得てプロジェクトはスタートする。
対策
既存のPBXを全廃し、Direct Calling for Microsoft Teams
(以下、Direct Calling)に電話機能を集約
従業員との緊密な対話によりスムーズな導入を実現
新たなコミュニケーション基盤の構築にあたり、同社では複数のパートナー候補に声をかけ、刷新の提案を受けた。「NTTドコモビジネスからの提案は、クラウドPBXを構築することなく直接Teamsに電話を組み込める『Direct Calling』、Microsoft 365との親和性が高いコミュニケーションポータル『PHONE APPLI PEOPLE』を組み合わせた、ムダなく、使いやすさにも期待できるものでした。構築実績が豊富なことに加え、コスト面でもランニングコストを含めた低減提案をいただき、他社と比較しても優位性がありました。我々の社用スマホ活用イメージにいちばん近い提案だったため、最終的なパートナーに選定しました」(泉氏)
同社が採用したDirect CallingはTeamsに電話機能を統合できるソリューション。転送などの多様な機能により、外線通話の発着信や指定したメンバーの一斉着信、他の従業員への電話取り次ぎをTeams上で実現する。さらに既存の固定電話で利用していた0ABJ番号※に対応できるDirect Callingの特長を活かし、同社では電話番号の運用にも工夫を凝らした。スマホの0A0番号※を社外に公開してメインの外線として利用。一方で0ABJ番号は旧来の代表番号、部門番号などを最小限に残して関連する従業員の誰もが受けられるようになっている。これにより取り次ぎの手間を抑えるというものだ。
※ 0ABJ番号:市外局番から始まる一般的な固定電話番号(03-xxxx-xxxxや06-xxxx-xxxxなど)のこと
※ 0A0番号:携帯電話やIP電話に利用される番号(090-xxxx-xxxxや050-xxxx-xxxxなど)のこと
もう1つのPHONE APPLI PEOPLEはクラウド型電話帳を含むコミュニケーションポータル。社内外の最新の連絡先情報の一元管理により、業務内容やスキルからも従業員を探せる特長を持っている。「導入の決め手は社用スマホに電話番号情報が残らないクラウド型電話帳のため端末紛失時のリスクを解消できること、くわえてMicrosoft 365との高い親和性によりセキュリティの安全が担保できることです。事前に検証環境でTeamsとのシームレスな連携を確認できたことも安心感につながりました」(泉氏)
新たなコミュニケーション基盤の導入にあたり、まずICT部門内での検証、電話利用頻度の高い部門でのテスト運用を経て、全社展開へと段階的に進めた。さらに充分な期間を用意して従業員との対話を重ねた。「各部門に代表者を選任し、業務改善のアイデアと環境変更に伴うリスクなどをアンケートで収集。数百件の意見に向き合い、部門ごとに対話を重ねながら対応を決めていきました。いちばん力を入れたのは操作マニュアルの整備です。従業員の皆さまからの意見を反映し、NTTドコモビジネスと協力しながらアップデートを重ね、『ITに不慣れな方でも安心して使える』内容に仕上げました」(髙木氏)
こうした入念な準備が功を奏し、同社の電話刷新プロジェクトは大きな混乱もなく完了した。
効果
コミュニケーションの円滑化と現場発のDX推進を同時に実現
スマホ活用による業務改善が想定を上回るスピードで進展
社用スマホを軸にした新たなコミュニケーション基盤が全社展開されたことで、さまざまな効果が生まれている。まず運用面ではオンプレミスのPBXを全廃し、電話の内線はTeams、外線は社用スマホの携帯番号、そして代表番号や部門番号などの固定電話番号はDirect Callingに移行したことで管理の稼働が大幅に軽減された。「従来約1800台あった電話機を約130台に削減できました。代表電話用に残した固定電話もDirect Callingで管理しています。結果的に内線網のメンテナンス、法定点検時の現地作業がなくなり、電話まわりの管理負荷が大幅に軽減されています」(髙木氏)
働き方の面では代表電話のための出勤が不要になり、在宅勤務やフリーアドレスなどの場所に縛られない働き方が実現できている。社用スマホの0A0番号を社外向けにも公開する運用にしたことで、直通でのコミュニケーションが増え、取り次ぎ業務が大幅に削減。くわえて、従業員のコミュニケーションも劇的に改善された。「番号ではなく人名を検索して電話がかけられ、受ける側もかけてきた人名が表示されます。このため、『知らない番号だから出ない』といったこともなくなり、かなりコミュニケーションが活性化した印象です。さらに、TeamsのPresence(在席状況)との連携により、会議中の場合は通話を控える、チャットに切り替えるといった柔軟な対応が可能になったことも大きな効果です」(髙木氏)
しかし、特筆すべきは想定以上の成果が生まれたことだ。同社では当初、社用スマホによるDX推進を「市販アプリの活用→ICTセンターのアプリ開発→各部門のアプリ開発(数年後)」の3ステップで展開予定だった。「ところが、スマホが全従業員に普及した後にアプリ事例集のオンラインセミナーを開催したところ約500人が参加しました。その場で、すでに一部の部門がPower Platformを駆使した独自アプリで業務効率化を達成している事例を紹介したところ、参加者の間で『我々もやろう』という意識が高まり、そこから次々と部門内でのアプリ開発が進んでいきました」(泉氏)
すでに部門発で作業実績記録ツール、設備保全システム、運搬業務効率化アプリ、熱中症予防の体調管理システムなどが実用化。このような業務改善の積み重ねにより、プロジェクトで投資したコストは充分に回収できる見込みだという。「今後はグループ会社にも同じ仕組みの導入を進めていく計画です。また、AIの活用によるさらなる業務効率化にも挑戦したいと思っています」と、泉氏は熱い思いを語る。
電話システムの刷新を単なるインフラ更改で終わらせず、全社的なDX推進の起点としたNGK。この取り組みが自社のみならずグループ会社に波及することで、さらに部門発のDXが加速し、2030年の新規事業で売上高1000億円以上という目標達成の一助となるだろう。
導入サービス
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NGK株式会社
事業概要
独自のセラミック技術を生かした製品やサービスの提供を通じて、地球環境への負荷低減、スマート社会への貢献、電力の安定供給など、より快適な社会の発展に向けて新たな価値創造に挑戦している
(PDF形式/283 KB)
(掲載内容は2026年2月現在のものです)
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