イーシームズ株式会社
照明機器+IoTで店舗照明をリアルタイムに遠隔制御
ドコモIoTマネージドサービスとの連携で新たな価値を創出
イーシームズ株式会社
技術開発センター長
松村輝久氏
「我々の考えとドコモIoTマネージドサービスの提供内容が一致していたこと、SIMの扱いや発注体制などを柔軟にカスタマイズしていただけたことが、今回の施策の成功要因だと思っています」
課題
顧客店舗の慢性的な人手不足で照明管理のニーズが増大
照明制御をリアルタイム化するソリューション開発が急務に
イーシームズ株式会社は、消費電力監視機器、省エネ制御機器、環境改善機器および照明器具による省エネルギーコンサルティング、レンタル事業などを展開。「ありがとう創造企業」をポリシーに掲げ、顧客の課題解決に注力している。照明器具レンタルの主なターゲットは流通業界、スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンターなどの顧客に高付加価値な照明ソリューションを提供している。
同社の強みは「エシカルライティング」という独自のコンセプトだ。「これは人の心理と身体に与える光の影響と省エネ(エコ)を両立させる考え方です。たとえば、スーパーなどの店舗にはベース照明、間接照明、鮮魚・精肉用のLEDの演出照明、冷蔵庫のショーケース内照明などがあり、これらを個別に時間帯、天候、季節などに応じて柔軟に制御することで購買意欲などを高める効果が期待できます。さらに照明にかかる電気料金を抑えることで、レンタル費用を加えた電気料金も削減できる。つまり、実質、顧客に負担をかけることなく照明制御が利用できることが、我々の照明ソリューションの強みとなっています」と語るのは、技術開発センター長の松村輝久氏(以下、「」のコメントは松村氏)だ。
同社の照明ソリューションが顧客に刺さる背景には、流通業界が抱える慢性的な人手不足がある。「スーパーなどの店舗には照明、空調、冷凍機、防犯などいろいろな設備がありますが、それらを店舗側で管理するのはきわめて困難です。とくに店舗の照明は数百、数千の器具があり、用途別に管理するには専門知識が必要になるため、我々のような照明のプロに外注されるお客さまが多いのです」
しかし、同社の照明ソリューションに課題がなかったわけでもない。「従来、お客さまの店舗に導入した照明ソリューションはローカルでの運用でした。つまり、調整が必要な場合は我々が現地に赴いて対応する必要がありました。このため、遠方になるほどお客さまへの対応が遅れることに加え、我々にも移動などの稼働、コストがかかっていたのです」と松村氏は当時の状況を振り返る。その打開策として店舗に通信機器を設置し、顧客のインターネット回線を借りて照明の遠隔制御を行うこともあったが、店舗により回線の品質が異なる、顧客のセキュリティポリシーの関係で回線が利用できないという問題もあった。こうした状況下で、同社が使用する通信機器が生産中止となり代替機の検討が必要に。これを好機ととらえ、同社では通信機器と回線を一体化した新たな照明ソリューションへの本格的な転換を決断する。
対策
通信機器と回線の一元提供とカスタム対応力が決め手に
店舗検証を経て新照明ソリューションを全国の顧客に展開
新たな照明ソリューションの開発にあたり、同社がパートナーとして選んだのがNTTドコモビジネスだった。自社EMS(エネルギーマネジメントシステム)の通信網、社用スマホなどの提供で築いた長年の信頼関係が選定理由につながった。しかし、最大の決め手となったのは別の理由だった。「我々の照明器具にフィットする通信機器とモバイル回線(SIM)をワンストップで提供してもらえることが大きな理由です。しかもカバーエリアが広く、品質の高いキャリア回線が利用できることに加え、こちらの新たな照明ソリューション開発に的確なカスタマイズで応じてくれる柔軟なサポート力も評価しました」
同社が提案を受けたNTTドコモビジネスの「ドコモIoTマネージドサービス」は、IoTソリューションの導入に必要な通信機器(Wi-Fiルーター)、通信回線(SIM)、運用保守を組み合わせてワンストップで提供するパッケージサービスだ。同社のようなカスタマイズの相談といった事前のコンサルティングから、最適な構成での導入、導入後の運用保守までを一気通貫でカバーできる特長を持っている。さらに、複数社の通信機器をラインアップしており、最適な機器選定ができることはもちろん、利用機器の供給が不安定化した場合には別の機器に切り替えられるメリットもある。こうした点が同社のニーズにフィットした。
ソリューションの提供にあたり、同社では慎重なプロセスを踏んだ。「自社内でのPOC※はもちろん、長いお付き合いのあるお客さまに店舗で試験的に使っていただいて細かい調整をしました。期間としては、ほぼ1年がかりでしたね」と松村氏が語るように、実店舗などでの検証を重ね、課題を1つひとつ潰していった。こうして同社は「レンタルプラス」という名称で新たな照明ソリューションの提供を開始。すでに開始から3年が経過しており、いまや日本全国に顧客を持つ看板ソリューションの1つになっている。
※「Proof of Concept」(概念実証)の略、新しいアイデアや技術が「実現可能か」を検証すること
Wi-Fiルーター
効果
リアルタイム遠隔制御で顧客の即応ニーズと運用効率を両立
照明のIoTプラットフォーム化で新たな価値創出にも意欲
新たな照明ソリューション「レンタルプラス」の評判は上々だ。なにより、照明機器がモバイル回線と通信機器でIoTプラットフォーム化されたことで、リアルタイムな遠隔制御ができることは同社の照明ソリューションに新たな価値をプラスした。「レンタルプラスを導入するお客さま側の最大のメリットは店舗照明の調整が我々の遠隔制御で即座に完了できることです。そして、我々にとっては調整のためにお客さまの店舗を訪れる必要がなくなり、運用にかかる稼働とコストが抑えられていることです」
現在、日本全国の顧客に提供されるレンタルプラスの安定運用を支えるネットワーク品質についても高い評価を得ている。「ネットワーク品質についてはとくに不満はありません。カバーエリアが広いため全国のお客さまに対応できるようになっています。おかげさまで現時点ではサービスに付属の運用保守のサポートを利用する機会もなく、かなり安心して使えている状況です」(松村氏)
レンタルプラスを提供したことで、これまで見えなかった顧客店舗の情報がリアルタイムで可視化できる仕組みができたことも大きな成果だ。つまり、照明器具が単なる「灯り」から「情報収集プラットフォーム」に進化するわけだ。「照明器具を灯りとして終わらせたくない。1店舗あたり数百、数千もの照明を活用しないのはもったいない。我々は見えていないものを見えるようにしたい気持ちが強いのです。我々のソリューションの真価はお客さま自身が気づいていないことを、こちらが気づいて改善提案できること。実はそこがいちばん面白いのです」と松村氏が語るように、今後は照明制御だけでなく、EMSを含む店舗全体の設備を統合的にマネジメントするソリューションへと進化させていく計画だ。
店舗の照明器具を情報収集に活用し、顧客の潜在課題を発見して改善提案を行う。イーシームズとNTTドコモビジネスの共創は、店舗DXの未来を照らす新たなモデルといえるかもしれない。
「レンタルプラス」管理画面
導入サービス
IoT環境を整備・運用する際のトータルサポートを行うのが「ドコモIoTマネージドサービス」です。導入前のコンサルティングからソリューションの選定、導入に向けたシステム構築や運用後のサポートまで一元的に支援します。
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イーシームズ株式会社
事業概要
消費電力監視機器、省エネ制御機器、環境改善機器、照明器具による省エネルギーコンサルティングおよびレンタル事業などを展開。流通業界の顧客に高付加価値な照明ソリューションを提供している
(PDF形式/348 KB)
(掲載内容は2025年12月現在のものです)
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