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若年層ほど実践している生成AIの
ファクトチェックとは何か?
利用率データから読み解く

若年層ほど実践している生成AIのファクトチェックとは何か?利用率データから読み解く

生成AIを使った検索や情報収集が一般化する一方で、その出力結果をどこまで信用すべきか?という課題が浮き彫りになっています。特にビジネスの現場では、誤った情報を根拠に判断すれば、企業の信用を損なうリスクがあります。こうした中、NTTドコモ モバイル社会研究所が実施した調査では、10〜20代の若年層が他の世代に比べて、生成AIの回答に対して「ファクトチェック」を積極的に行っている傾向が明らかになりました。一方で、年齢が上がるにつれてその実施率は低下しており、生成AIを活用する際の慎重さには、世代間で差が見られます。利便性とリスクが共存するAI時代において、誤情報への感度をどう高めていくべきなのでしょうか?ファクトチェックとは何か、生成AI誤情報によるリスクと対策について本記事で解説します。

目次

10~20代は、生成AIの出力結果に
厳しい目を向けている!?

検索や情報収集の手段として、生成AIサービスを利用している人は多いでしょう。しかし、AIが出力した内容については、しばしばハルシネーション(誤情報の生成)が起こる可能性もあり、出力情報を鵜呑みにしてしまうことで発生するリスクが問題視されています。このリスクを最小化すべく、生成AIの回答に対し、ファクトチェックを実施することが大切です。

ファクトチェックとは、信頼性のある一次情報や複数のソースを参照に、他者の発言や生成AIの出力等の情報の正確性、妥当性を検証するプロセスを指します。

しかし、この「ファクトチェック」をするか否かは、世代間で差異があるようです。
NTTドコモのモバイル社会研究所は2025年11月、生成AIのファクトチェックに関する調査結果を発表しました。調査によると10代・20代の若年層は、他の世代と比較して、生成AIが回答した内容についてファクトチェックを実施する傾向にあるとのことです。

性別・年齢別の生成AIのファクトチェック実施状況
性別・年齢別の生成AIのファクトチェック実施状況
(NTTドコモ モバイル社会研究所「生成AIのファクトチェック、若年層・活用層・人とのつながりを大切にする層が実施する傾向」より引用)

調査は全国15歳~69歳の生成AI利用者1,993人を対象に「あなたは生成AIで自分自身が作った生成物のファクトチェックを行っていますか?」という質問を実施し、性別・年代別に回答を集計。その結果、生成AIを使っている人のうち、ファクトチェックを「常に実施している」と回答したのは13%、「状況によって行っている」と回答した割合は42%でした。合計すると、全体の55%がファクトチェックを実施している結果となりました。

性別・年代別で見た場合、特に若い男性はファクトチェックを心がけている模様です。たとえば男性15~19歳の場合は75%(常に実施:19%、状況によって実施:56%)、男性20~29歳は74%(常に実施:23%、状況によって実施:51%)と、いずれも全体平均よりも20ポイントほども高い結果となっています。

女性も若年層のファクトチェック実施率は比較的高い傾向にあります。女性15~19歳は61%(常に実施:11%、状況によって実施:50%)、女性20~29歳は59%(常に実施:17%、状況によって実施:42%)と、こちらも全体平均を上回っています。対照的に、年齢層が上がるにつれ、ファクトチェックの実施率は低い傾向が見られました。

生成AIの利用頻度が高いほど、
ファクトチェック実施率も高い

同調査では職業別の生成AIのファクトチェック実施状況も公開されています。

最も実施率が高かったのは「大学生・大学院生」の74%で(常に実施:20%、状況によって実施:54%)、続く2位は「専門学校生・短大生」の70%(常に実施:5%、状況によって実施:65%)、

3位は「高校生」の65%(常に実施:16%、状況によって実施:49%)でした。まとめると、「学生」のファクトチェック実施率が非常に高い結果となりました。

ちなみに、「会社員」の実施率は58%(常に実施:15%、状況によって実施:43%)、「パート・アルバイト」は47%(常に実施:8%、状況によって実施:39%)と、いずれも学生の数値を下回る結果となりました。

職業別の生成AIのファクトチェック実施状況
職業別の生成AIのファクトチェック実施状況
(NTTドコモ モバイル社会研究所「生成AIのファクトチェック、若年層・活用層・人とのつながりを大切にする層が実施する傾向」より引用)

さらに、生成AIの利用頻度が高いほどファクトチェックを「常に実施」と回答する割合が高い傾向が見られたといいます。たとえば生成AIを「ほぼ毎日」使用している人の場合、ファクトチェックを「常に実施」と答えた割合は36%でしたが、「週3~5日程度」は20%、「週1~2日程度」は13%と徐々に下がり、「年数回程度」の場合はわずか6%でした。

このように学生が生成AIのファクトチェックを行う割合が高い背景には、テストやレポート作成など日々の勉強に生成AIを使う機会が多く、回答の正確性を期すために生成AIの回答結果をファクトチェックすることが多いことが推察されます。

【利用頻度別】生成AIのファクトチェック実施状況
【利用頻度別】生成AIのファクトチェック実施状況
(NTTドコモ モバイル社会研究所「生成AIのファクトチェック、若年層・活用層・人とのつながりを大切にする層が実施する傾向」より引用)

社交性が高い人は、
ファクトチェックを心がけている!?

本調査ではこのほか、ファクトチェックを心がけている傾向が強い人物像についても言及しており、特に「お金や時間を他人のために使いたいと思う人」「仲間・友達と旅行・趣味の集まり、もしくは外食などの対面交流」といったような“社交”に対する意欲や機会が多い人に、その傾向が見られるといいます。

たとえば「あなたはお金と時間を他人のために使いたいと思いますか?」という質問において「使いたいと思う」と回答した人のうち、ファクトチェックを「常に実施」と回答した人の割合は35%と、非常に高い結果となりました。一方で「使わないと思う」と回答した人のうち、ファクトチェックを「常に実施」と回答した人は13%にとどまりました。

同様に、「仲間・友達と旅行・趣味の集まり、もしくは外食などの対面交流の場に常に行っている」と回答した人のうち、ファクトチェックを「常に実施」と回答した人の割合は32%もありました。しかし、「対面交流の場に行っていない」と回答した人のうち、ファクトチェックを「常に実施」と回答した人は、わずか7%でした。

【生成AIのファクトチェック実施状況 (利己/利他傾向別)】

【利己/利他傾向別】生成AIのファクトチェック実施状況
【利己/利他傾向別】生成AIのファクトチェック実施状況
(NTTドコモ モバイル社会研究所「生成AIのファクトチェック、若年層・活用層・人とのつながりを大切にする層が実施する傾向」より引用)

【生成AIのファクトチェック実施状況 (対面交流頻度別)】

【対面交流頻度別】生成AIのファクトチェック実施状況
【対面交流頻度別】生成AIのファクトチェック実施状況
(NTTドコモ モバイル社会研究所「生成AIのファクトチェック、若年層・活用層・人とのつながりを大切にする層が実施する傾向」より引用)

積極的に他者とコミュニケーションを取ろうとする社交的な人にとって、生成AIで得た誤情報を拡散してしまうことは、自分自身の信用失墜に直結します。「誰かに伝えるために、まずは自分が正しさを検証する」という責任感が、ファクトチェックの実施につながっているのかもしれません。

生成AIは便利なツールではありますが、すべての回答結果を鵜呑みにすることは、ビジネスでは大きなリスクにつながる恐れがあります。総務省と経済産業省が2025年3月に発表した「AI事業者ガイドライン(第1.1版)」でも、⽣成AIには知的財産権の侵害や偽情報・誤情報の⽣成・発信など新たな社会的リスクが⽣じており、AIがもたらす社会的リスクの多様化・増⼤が進んでいることが指摘されています。

今回の調査では、年齢が高くなるほど、ファクトチェックの実施率が低下する結果となりました。もし意思決定や対外的な回答において、AIが生成した偽の情報を参照してしまった場合、企業の社会的信用を損なう事態になりかねません。生成AIを信用しつつも、回答結果について「一次情報はある?」「本当に実在するのか?」とAIに更問いしたり、ユーザー自身でも回答結果を調べるなどのファクトチェックをする慎重な姿勢こそが、ビジネスリスクを抑えるためには求められているといえるでしょう。

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