超円安に負けないマネープラン
(1)円高・円安を繰り返す場合のプラン
現在、日本の経済は不安定な状況にある。今後考えられる3つのシナリオと、それに対応する投資プランを紹介したい。
1つ目のシナリオは「いままでと同じように、状況によって円高・円安を繰り返す」という、3つのうちもっとも現実的なシナリオである。
投資初心者にとっての長期投資のお手本になるのは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオ(資産構成)だ。GPIFと同じ、国内株式25%、国内債券25%、海外株式25%、海外債券25%という割合で投資すれば、リスクを分散しながら比較的堅実に運用できる。
(2)円安トレンドが続く場合のプラン
2つ目のシナリオは「日本はこのまま復活しないので、円安トレンドが続く」だ。
このシナリオを予想する場合は、全世界の株式に分散して投資するオルカンやアメリカのS&P500に連動する投資信託に投資するのが最善だろう。
あなたが既にこのような投資をしているなら、それを継続しつつ、新NISA枠外でも買い足して、全力で資産を海外に退避させて必要な分を円に戻すというプランを勧めたい。
トランプの通貨安定策が実行されたら、円高米ドル安になって、米ドル建て資産の目減りもあり得そうだ。
そう考えると、海外投資をするにしても、アメリカ偏重は避けたほうがいいかもしれない。
アメリカ株に偏りが大きいオルカンやS&P500一辺倒ではなく、アメリカ以外の国や新興国に投資するファンドの比率を高めると良いだろう。
(3)円高トレンドが続く場合のプラン
3つ目のシナリオは「日本は復活して円高のトレンドが続く」だ。
いちばん考えられないと思われがちなシナリオだが、著者はこのシナリオの実現を願っている。自分が受けてきた恩恵を、自分の仲間や子どもたちにも受けてもらいたいからだ。
そこで著者はしばらくの間、新たな投資は国内株式と国内株式の投資信託を中心にするつもりだ。投資したお金で、日本企業の活動が活性化することを願っている。
【必読ポイント!】
新NISAとその先を見据えたマネープラン
新NISAの4つのポイント
2024年1月から新NISAが始まった。NISAとは、株式や投資信託で得られる配当金や分配金、さらに売却による値上がり益が非課税となる国の制度だ。
投資で得られた利益には通常20.315%の税金がかかる。100万円の利益が出たら、約20万円を税金として支払う必要があるということだ。一方、NISAは非課税であるため、100万円の利益が出たら満額を受け取れる。
2024年に始まった新NISAでは、制限が緩和され、ますます利用しやすくなった。そのポイントを4つ紹介したい。
1つ目のポイントは、非課税期間が撤廃されたことだ。
従来は、非課税期間は一般NISAで5年、つみたてNISAで20年というルールがあった。一方、新NISAでは非課税期間が無期限になったため、長期的な視点で投資できる。
2つ目のポイントは、非課税投資枠が拡大したことだ。
従来のつみたてNISAの年間投資枠が40万円だったのに対し、新NISAのつみたて投資枠は120万円に拡大された。さらに、成長投資枠として年間240万円の投資枠が追加されている。
3つ目のポイントは、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能になったことだ。
従来のNISAでは一般NISAとつみたてNISAのどちらかを選択する必要があったが、新NISAではその2つを併用できるようになった。
つみたて投資枠で老後資金を着実に積み立てつつ、成長が期待される個別株やアクティブな投資信託で攻めの運用をすることも可能だ。
4つ目のポイントは、売却をしたら翌年に売却分の枠が復活することだ。
資金需要や利益確定で新NISA口座にある資産を売却すると、その翌年に売却分の購入原価分の枠が復活する。
50歳くらいまでは住宅購入の頭金や子どもの学資のために運用し、売却したのち、老後の備えに向けて枠を使うことも可能だ。
新NISA運用は「GPIF」をお手本に
個人は新NISAをどのように運用すればいいか。「銀行預金だとインフレに対応できないから投資を始める」という人にお勧めの運用を提案してみたい。
投資の王道は「長期・積立・分散」であり、この3つを効率的に実現できるのが投資信託だ。投資信託とは、多くの投資家から集めた資金を専門家が分散投資し、その運用成果を出資者で分け合う商品だ。
少額から始められ、投資先を幅広く分散できるため、特に積立投資に適している。長期での運用を考えるのであれば、手数料の安い投資信託を積み立てるのが良いだろう。
初心者にお勧めなのは、GPIFと同じポートフォリオを持つ投資信託で、パッシブ運用のものだ。先述の通り、GPIFのポートフォリオは国内株式に25%、国内債券に25%、外国株式に25%、外国債券に25%である。
リスクを抑えるため、初心者が最初からすべての投資資金を株式に集中させるのは避けるべきだ。株式は値動きが大きく、特に外国資産を含む場合は為替リスクも伴う。
そのため、国内資産と海外資産を半分ずつ、さらに株式と債券を半分ずつ組み合わせたバランス型の投資信託を選ぶと、効果的にリスクを分散できる。
上がらない給料を嘆かないためのマネープラン
働いて稼ぎ、人生に厚みを加える
人生は経営である。企業活動と同様に、与えられた資源を活かしてお金を稼ぎ、それをさらに投資して、様々な経験を重ねて厚みを増していくというサイクルを回し続けることが大切だ。
お金を稼ぐには「自分が働く」と「お金に働いてもらう」という2つの方法があるが、著者は「自分が働く」方法をより重要視している。
働いて稼いだほうが、経験値が高まり、人生の厚みが増し、巡り巡ってその経験が「お金に働いてもらう」上でも役立つと考えているからだ。
そもそも、人生に厚みを加えることは、お金を増やすこと以上に大切だ。厚みのある人生のほうが楽しいのは間違いないのだから。
AI時代を生き抜くための3つの力
仕事において、マニュアルから学べることは多い。
だが、ビジネスパーソンとして抜きん出た存在になりたいなら、マニュアル通りに動くだけでは不十分だ。周囲をよく観察し、マニュアルに載っていないノウハウを自分のものにする必要がある。
マニュアル化されないような仕事のコツを盗めるようになれば、AIやロボットが急速に進化しても恐れる必要はない。
というのも、AIやロボットは既存のルールやマニュアルに基づいて動くため、それらに載っていないような臨機応変な対応や暗黙知を扱うのは苦手だからだ。
臨機応変な対応や暗黙知を扱うことができれば、AIやロボットには置き換えられない存在になれる。
そんな存在になるために、次の3つの力を大切にしてほしい。
- 自分のやっている仕事をしっかり言語化して理解し、説明する力
- 非言語のノウハウを言語化して自分のものにする力
- 1, 2をマニュアル化し、システム化する力
「仕事の言語化」にトライする
先輩にОJTをさせてもらう機会があれば、その先輩からコツを盗み取るのも良いだろう。
たとえば、先輩が上手く顧客属性を聞き出せたときや、商談に成功した際などには「どうしてその質問をしたのか?」「どういうふうに情報を読み取ったのか?」「どういう情報を相手に提供し、会話して信頼を勝ちえたのか」を言語化しておく。
逆に先輩がお客さまを見限ったときも、どういう情報に基づいてジャッジしたのかをヒアリングすべきだ。
あらゆる仕事において、仕事の言語化にトライしてほしい。自分の仕事を言語化し、解像度を上げておけば、どの業界でも活躍できるし、新しくシステムを作る側に回ることも可能だ。
お金を安全に持ち続けるためのマネープラン
個人投資家の成功のカギは「時間を味方につける」
個人投資家にとってベストな投資スタンスは、時間をかけて分散して買い続け、購入単価を平均化して、投資を継続することだ。
この戦略は、短期勝負を求める投資家には実行不可能だ。彼らは限られた期間内に利益を出さなければならない。
一方、一般投資家は、市場の動向を見極めながら、コツコツと分散して買い続け、長期保有を続けることで、経済成長と株価の連動がもたらす収益を得るチャンスがある。
時間を味方につけ、長期的な視点で投資を行うこと。これこそ一般的な個人投資家が市場で成功するカギである。
若いうちはとにかく自己投資を
長期で投資を続ける資金を得るためには「人生は経営だ」という視点が重要だ。
投資資金の捻出を会社の経営になぞらえると、「売上高を伸ばして収入を増やす」と「経費やコストを抑えて利益を生む」の両方が必要になる。
では、個人における「売上高」すなわち収入を上げることと、「コスト削減」のどちらに時間をかけるべきだろうか? 答えは収入を上げることだ。
ノウハウや技術を積み重ねることで収入は向上するが、それには時間がかかる。一方で、このようなスキルの蓄積は、加齢とともに難しくなる。
だからこそ、若い時期には、収入を増やすための努力に集中すべきだ。50代、60代になってから収入を増やそうとしても、その道のりは非常に険しいものとなる。
若い時期にこそ、自己投資を通じて自分の価値を高め、収入を伸ばそう。
自己投資の手段として、もっとも有効なのは読書である。また、旅行をはじめとしたフィジカルを伴う経験も若い時期にしか十分に取り組めないことが多い。
こうした体験にお金を使い、自己投資として積極的に取り組むべきである。
年齢を重ねても働き続けられる居場所作り
年齢を重ねても働き続けられる居場所作りは、これからの社会でますます大事になっていく。
たとえば、急な仕事に対応したい企業やお店と、短時間だけ働きたい人をマッチングする「タイミー」のようなサービスを活用するのは、働き方の選択肢を広げる一つの方法である。
また、自治体が運営するシルバー人材センターに登録するのも一つの手だろう。
地方の過疎化が進む中で、安価な土地や耕作地を活用し、農業を始めるという選択肢もある。農業はノウハウを必要とする頭脳労働であると同時に、健康的な肉体労働でもある。食費の節約にもつながるため、生活コストを抑えながら持続的な収入源を確保できる。
農業が向いていない場合は、初期投資を抑えつつ挑戦できる仕事を考えてみると良い。たとえば飲食業なら、空き店舗やスペースを時間貸しするサービスを活用すれば、低リスクでビジネスを始められる。
このように、働き場所を作るためにお金を使うことは、将来の自分への「投資」である。働き続けることで、老後の収入を確保し、金銭的な不安を軽減しよう。
この記事はNTTドコモビジネスとNewsPicksが共同で運営するメディアサービスNewsPicks +dより転載しております 。
提供:フライヤー
編集:谷下奈穂
デザイン:山口言悟(Gengo Design Studio)








