2021年02月26日

テキストと音声の相互変換により、効率的/効果的なコミュニケーションを実現!
電話とAIを組み合わせた新たなコミュニケーションサービス「COTOHA Voice DX Basic」

電話とAIを組み合わせ、テキストと音声を相手の状況によって変換する、新たなコミュニケーションサービスがリリースされました! その名も、「COTOHA Voice DX Basic」。伝えたいメッセージと発信先電話番号をチャットで入力すれば、COTOHA Voice DX Basicでメッセージを合成音声に変換し、エンドユーザーに電話発信してくれます。さらにエンドユーザーの回答はテキスト化されてチャット上に表示されるので、聞き間違いや確認漏れの心配もありません。緊急時の一斉音声呼び出しや予約リマインド、料金督促連絡などさまざまな利用シーンで活用いただけるサービスとなっています。

さらには、このテキストから発信する「発信タイプ」の他に、電話をかけてきたエンドユーザーの声をテキスト化する「着信タイプ」も来年度リリース予定です。すでに多くのお問い合わせを頂いている「COTOHA Voice DX Basic」について、全容をご紹介します!

*COTOHA Voice DXには、BasicとPremiumのプランがあります。Premiumについては後日ご紹介します。

左から上原海帆さん、西谷智広さん、藤田悠基さん、田村昌之さん

電話とチャットをAIでつなぐ。シンプル・手軽な遠隔コミュニケーションサービス!

――どのようなサービスか教えてください。

田村さん:一言で言うと、テキストと音声の変換装置です。昨今、テキストのコミュニケーションと声によるコミュニケーションを、状況や環境によって使い分ける必要性が出てきています。保存がしやすい、テキストメッセージとして伝えたほうがよい時もあれば、相手にすぐに気づいてほしいときなどは音声で伝えたほうが効果的です。テキスト⇔音声をクラウド上で相互変換し、相手に合わせて伝えられるのがCOTOHA Voice DX Basicです。

このサービスは、2つのタイプに大別されます。Slackで入力したテキストから合成音声を生成し、相手の電話に声で伝える「発信タイプ」と、電話をかけてきたエンドユーザーに合成音声で応答し、エンドユーザーの声をテキスト化し出力する「着信タイプ」です。利用シーンに応じてテキストと音声を変換することが可能で、電話とAIを組み合わせ、手軽にそして確実に遠隔コミュニケーションを実現できるツールです。なお、「着信タイプ」は2021年度上期に提供を予定しています。

本サービスの特徴は、とにかくシンプルということです。初期費用もかからず、Webカスコン(カスタマーコントロール)上で簡単に電話番号の取得やコールシナリオの作成などができますので、トライアル的にすぐに使っていただけるサービスになっています。

西谷さん:本サービスでは最大20人へ同時発信も可能です。また、発信先をリスト化し、つながらなかったら次の人と順々にかけていくことができます。こちらも最大20人まで登録することができます。

緊急時など、たくさんの相手に一斉に電話をかける際は、確実に情報を伝えることができ、また、相手の応答内容をテキスト化することができるため、応答状況の可視化やそれによる一元管理が可能となります。

――導入する際、お客さまはどのような準備が必要なのでしょうか。

田村さん:クラウドサービスであるため、お客さまに特別な機器を購入していただく必要はありません。Webカスコンを提供するので、電話番号もそこで取得し、コールシナリオを作成することですぐにご利用が可能です。お客さまにご準備いただくのは、Slackのみとなります。

テキストが電話で伝わる「発信タイプ」と、エンドユーザーの電話応答をテキスト化する「着信タイプ」がある

すぐに導入・利用開始できるシンプルさが強みとなっている

開発・サービス企画・販売企画が三位一体でサービス開発。お客さまの声を最大限に

――本サービスをつくるきっかけは何だったのですか?

上原さん:昨今の国内の労働力不足に伴い、お客さまにおいては業務効率化による生産性向上が必須課題となっていることに加え、最近では新型コロナウイルスの拡大に伴い、リモートでの業務が増加するなかでAIや最新のテクノロジーを利用した業務推進が不可欠の状況になってきています。

お客さまの課題に対しては音声やAIなど単一の商材では解決ができず、複数の商材をSIなどの形態で提供するのがこれまでの代表的な形態でした。時間がかかり、中堅中小のお客さまには費用がマッチしないことも多く、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)が長年培ってきた音声とAI技術を組み合わせた提案といったお客さまの期待にすぐにお応えするのが困難な現状がありました。

そういった課題を捉え、NTT Comの強みである音声と、COTOHA®をはじめとする最新のAI技術を組み合わせ、汎用的な機能をパッケージ化してすぐに利用していただける音声DXを目指して、今回のサービス検討プロジェクトを立ち上げました。

――日本情報通信(NI+C)社でトライアルを行ったそうですが、内容を教えてください。

上原さん:実際にPoC(トライアル)を実施いただいた日本情報通信様においては、故障発生時のSE呼出や情報連絡用途で本サービスをご利用いただいておりますが、架電稼働の削減に加え、コロナ禍でもリモートで業務を止めることなく行えるなどの副次効果も体感いただき、好評価を頂いています。

COTOHA Voice DX BasicのNI+C社でのPoC内容
(参考:https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2019/1002.html
※サービスリリース時にCOTOHA Voice DX Basicに名称変更

――どのように開発を行ったのか教えてください。

上原さん:サービス検討においては、実際のお客さまの声を反映したサービスとなるよう、PoCをベースとした仕様検討を行い、商用サービスとしてマーケットインさせています。

販売やサービス企画担当だけでなく、開発担当もPoCのフェーズからお客さまを訪問してお客さまと議論を重ね、お客さまの声をもとにアジャイル開発のスタイルで随時改良を行ってきました。

西谷さん:小さなPoCを繰り返しながら、フットワーク軽くPoCやサービスをリリースするため、社員内製でスクラム開発を行ったこともポイントです。PoCだけではなく、サービス自体も社員で内製開発を行いました。社員内製開発の課題として、大規模で高品質を実現する開発を継続的に行うことが難しいことが挙げられます。

そこで、開発量を大幅に減らし、かつ運用も容易にするため、サーバーを1つも立てない「サーバーレスアーキテクチャー」[Google Cloud Platform (GCP)を活用]を採用し、システムの運用や保守に対する開発を極力抑える設計にしました。サーバーレスアーキテクチャーを採用した結果として、オートスケールが標準で利用でき、かつシステムの冗長化を意識した設計が不要になったため、サービスを迅速にリリースすることができました。またこれらの対策を行うことで、開発を非常に短期間で実現することができました。

通常プログラム言語はベンダーが決めていますが、私たちのプロジェクトでは、開発言語はNode.js(JavaScript)に統一することで、チームメンバー誰もがプログラムを作成・改修できるようにしています。

さらに、開発時の課題として多いのが、開発が属人化してしまうことです。開発後にメンバーが抜けてしまうと、何も分からなくなってしまうことがよくあります。そのため、私たちは開発が終わるごとにドキュメント化するという営みをしっかりと実践しました。

NTT Comの強み、「電話」と「COTOHA®」の掛け合わせ。4営業日で導入可能なクイックサービス!

――他のサービスと比べて、COTOHA Voice DX Basicの強みは何ですか?

田村さん:1点目は、当社の強みである電話とCOTOHA®という最新のAIを組み合わせたサービスであるところです。フリーダイヤル・ナビダイヤルなど、長きにわたり安定した音声サービスを提供してきた実績・ノウハウを生かして設計されたサービスになっており、NTTグループの40年以上にわたる研究成果である「日本語辞書」「自然言語処理」を実現するCOTOHA®による合成音声を提供しています。

2点目は、すぐに始められるシンプルなサービスであることです。先ほど申し上げたように、お客さま自身がWebカスコン上ですぐに電話番号の取得ができ、あらかじめ用意されている汎用的なコールシナリオ型紙を使って自動発信AIの組み立てが可能なことも大きな強みだと思っています。

初期費用なし、最短4営業日で利用可能

中堅中小のビジネス基盤を開拓中! B2B2Xモデルのパートナーさまを大・大・大募集!!

――サービスの販売方針・販売戦略を教えてください。

藤田さん:サービスのシンプル・安価という特長を生かし、中堅中小のマーケットを開拓し新たなビジネス基盤を確立する挑戦をしていきたいと思っています。そのために、パートナービジネスは非常に重要だと考えており、B2B2Xによる販売拡大も目指しています。また、導入も容易ですのでパートナー企業さまにおいてまずは試しに使っていただき、ビジネス協業に向けた価値検証を行っていただくアプローチも有効です。電話/テキスト+AIのコミュニケーションチャネルを、SaaS事業者やSIerなどのパートナーさまのサービスと掛け合わせることも比較的容易に実現できるのではと考えております。すでに多くの引き合いを頂いていますが、約半数がB2B2XのセンターBに該当するパートナーさまです。自社のソリューション/サービスにCOTOHA Voice DX Basicを組み込みご提供いただけるパートナーさまがいらっしゃいましたら、ぜひぜひ、お気軽にご相談ください!

「着信タイプ」は2021年上半期リリース予定。他サービスと連携した展開にも期待

――今後の展望を教えてください。

田村さん:冒頭に紹介した「着信タイプ」を、2021年度の上半期に提供予定です。コンタクトセンターでの活用が見込まれており、すでに非常に多くの引き合いを頂いております。

各種COTOHA®サービスとの連携も検討しており、お客さまへの提供価値を高めていきたいと思っています。またフリーダイヤル・ナビダイヤルの利用や、設定可能なコールシナリオパターンを増やすなどもしていきたいと考えております。

◆COTOHAシリーズ

社員メッセンジャー

NTTコミュニケーションズアプリケーションサービス部

田村 昌之

電話とAIを組み合わせた新たなコミュニケーションサービス「COTOHA Voice DX Basic」を担当しています。テキストと音声を変換する本サービスは多くのお客さまからご好評をいただいております。サービスの特長や開発における取り組みなど、ご紹介します!

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