テレビ会議とは?
テレビ会議とは、ビデオ会議の中でもハイエンドのサービスをさすことが多いようです。
テレビ会議を実施するためには、専用の端末やシステムの設置が必要になるため、会議室などをテレビ会議のために使用することが主流です。会議室と他の拠点の会議室を結ぶことで、遠隔会議が実現します。
テレビ会議は、専用のネットワークを使うので、音声や映像の品質が高く安定しているという特徴があります。そのため、実際に顔を合わせる会議と遜色のないレベルで、コミュニケーションを行うことができます。お互いの表情を見ながら会議ができるので、戦略会議や経営会議といった高度な会議にも対応できます。
テレビ会議は納得のいくコンセンサスを得る必要があったりするような重要な場合に適しています。
テレビ会議とビデオ会議(Web会議)の違いとは?
テレビ会議と似た言葉に「ビデオ会議」があります。どちらも遠隔地を結び、映像や音声を通じて会議をする点で共通していますが違いもあります。
テレビ会議は、専用の端末やシステムを使うため、端末を設置した会議室などに集まり、他の拠点とコミュニケーションをすることになります。専用のハードウェアや回線を使用していることから、映像・音声の品質が高く、回線も安定しているという特徴があるのです。
これに対してビデオ会議は、メンバー各自がPCやタブレット、スマートフォンといったデバイスに専用のソフトウェアをインストールし、勤務先や出張先、自宅など、場所を選ばずにコミュニケーションできるのが特徴です。PCやタブレット、スマートフォンなどの手近なデバイスと簡易的なツールを利用しているため、比較するとその映像品質はテレビ会議ほどではなく、また場所によっては回線が不安定になる場合もあります。
テレビ会議はP to P型で接続される
テレビ会議の接続形態は、サーバーを介さずに相手のホストコンピューターなどとダイレクトにつながるP to P(Point to Point:ポイント・ツー・ポイント)型です。電話と同じような原理で接続されており、
プロトコルが同じならメーカーや機種が異なっていても接続できます。
また、テレビ会議には、専用端末にハードウェアコーデックを実装しています。ハードウェアコーデックとは、エンコード(情報のデジタル化)とデコード(デジタル化された情報の復元化)の意味で、テレビ会議では専用のハードウェアがこのハードウェアコーデックを集中して処理をするため、高品質で安定した音声・映像が確保できます。ネットワークに問題がなければ、コマ落ちや切断などのない、安定した状態で会議を続けることができます。
MCUを追加すれば複数拠点と同時接続できる
テレビ会議で接続できるのは、2つの拠点だけではありません。MCU (Multipoint Control Unit:多地点制御装置)と呼ばれる多拠点に接続できる装置を用いることで、3拠点以上を接続したテレビ会議が実現できます。
この方法は、まずテレビ会議システムの各拠点の端末それぞれから、MCUに1対1で接続します。各端末からはMCUとP to Pの通信をしているような形となります。そしてMCUを介して、多拠点間を相互に接続します。各拠点からの音声や映像は、いったんMCUが受信し、各拠点の参加者の顔が見えるように画面を分割・合成して返送します。こうして多拠点間を同時に結びながら、メンバーが一緒に会議に参加しているようにコミュニケーションができます。
このMCUは、単体の製品として用意されているほか、テレビ会議システムの端末に内蔵されているものもあります。
■MCUを使えば海外拠点やパートナー企業も含めた多拠点接続が可能
テレビ会議を導入する5つのメリット
テレビ会議では、専用の端末やシステムを用いるため、映像・音声の品質が高く、回線も安定しているという特徴をご紹介しました。堅実にビジネスに取り組んでいくには、最適なサービスといえるでしょう。さらに、テレビ会議を導入することには、以下のような5つのメリットがあります。
メリット1 会議のために集まるコストをカットできる
テレビ会議を導入する最大のメリットは、経費の削減でしょう。例えば、経営会議のために地方の支店や海外支社の役員を本社に集める場合、交通費や宿泊滞在費など、経費に莫大なコストがかかります。しかし、テレビ会議であれば、メンバーが各拠点にいたまま、会議に参加することができます。また、移動のための時間的なロスもなくすことができます。
メリット2 迅速に意思決定ができる
対面でのリアルな会議であれば、スケジュールを調整し確定するだけでも時間を要してしまいます。その点、各自が拠点にいながらにして会議に参加できるテレビ会議であれば、スケジュールの調整もしやすく、スピーディーに会議を開くことができます。その結果、ビジネスでの重要な意志決定も迅速に行えるようになります。
メリット3 遠隔地にいるメンバーとのコミュニケーションが向上する
テレビ会議を利用することで、それまで面識がなかったり、あまり会うことができなかったりしたメンバーとも、フェーストゥフェースのコミュニケーションができるようになります。また、出張の回数を減らした分、テレビ会議でのコミュニケーションを増やすことにより、出張して対面で会う以上に親密なコミュニケーションがとれることもあります。
メリット4 研修やセミナーなどにも利用できる
テレビ会議は、会議室など大きめの場所に設置することになるため、会議だけでなく、研修やセミナー、ワークショップなど、教育的なイベントにも応用することができます。複数の拠点を同時につなぎ、双方向に情報のやりとりができるため、社員研修などのウェビナー(Webを使ったセミナー)が、各拠点にいながらにしてできるようになります。
メリット5 災害時のコミュニケーションに役立つ
災害時においてはインターネット等の公衆網は通信が増え、テレビ会議のような広帯域通信が困難になる可能性が高くなります。専用のネットワークであれば、ネットワークが切断等の地震の直接被害さえ受けていなければ、公衆網の混雑に影響されず利用できます。緊急時でも、互いの顔を見ながら各支店や海外支社とコミュニケーションがとれるため、現状の報告や次のアクションなどについても落ち着いて話し合える環境を確保できます。
テレビ会議導入のポイント
遠隔地とやりとりできるオンライン会議のサービス導入を検討するとき、「テレビ会議よりも、すでに手持ちのデバイスなどで簡易に導入できるビデオ会議を選択したほうがいいのでは?」と考えることもあるかと思います。しかし、利用する形態や目的によって、どちらを選択するか慎重に検討すべきです。
ここでは、テレビ会議を導入する際のチェックポイントを挙げていきます。
会議なのかミーティングなのか?定例か単発か?
まず、多人数が集まる会議で利用するのか、それとも少人数の担当者同士のミーティングで利用するのかを選びましょう。また、毎週・毎月のような定例会議が多いのか、定例ではなく単発での会議が多いのかによっても利用の頻度も変わってきます。
役員が一同に会する重要な戦略会議や経営会議が定例で行われているのであれば、品質が高く回線が安定しているテレビ会議を選びましょう。
逆に、定例会議はあまりなく、必要があるときに担当者同士のミーティングを単発的に行っているのであれば、テレビ会議ではなくビデオ会議を選択肢として検討していいかもしれません。
高品質で安定した回線を選びたい
テレビ会議は、原則的には電話のようなP to P接続による専用のネットワーク回線(ISDNなど)を使用したサービスです。そのため、どのサービスを利用しても、基本的に音声・映像ともに品質の問題はないと思います。
また、現在では、帯域が保証されたIPネットワークを利用したテレビ会議サービスも普及しています。さらに最近ではインターネット回線ベースのテレビ会議もでてきています。提供する企業によってサービスも品質も異なるため、そのスペックをよく確認から導入しましょう。契約しようとしているテレビ会議の回線が「専用か共用か」「品質の安定性はどうか」などよく見極めておくことが大事です。
サポート体制のしっかりしているサービスを選ぶ
テレビ会議のサービスを契約する際には、万が一のときのサポート体制をチェックしておきましょう。オンラインサポートはもちろん、電話でのサポートもあると心強いでしょう。
また、海外の拠点とテレビ会議をする場合には、日本時間で夜間や早朝に会議を行うこともあります。そのような場合、24時間365日のサポート体制があるテレビ会議サービスであれば、なお安心です。
多地点のテレビ会議をフルサポートする「Arcstar TV Conferencing」
NTT Comでは、テレビ会議サービス「Arcstar TV Conferencing」を提供しています。セキュアで安定した専用ネットワーク回線により、高品質なテレビ会議が行えるほか、MCUをクラウドで提供しているため、多拠点での接続を実現できます。日英2言語で24時間365日のサポートデスク。
クラウド型のTV会議サービスとしてMCU部分を提供側でみておりますのでアップデート等にお客さまが気を使うこともなく、安心です。
操作方法の説明からトラブル時の問い合わせまで、充実したサポート体制も用意しています。そのため、導入後も安心してご利用いただけるサービスとなっています。