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IoT時代で需要が高まる
ITアーキテクトの役割とは?

情報通信技術の進歩によって、ビジネスを取り巻く環境は大きな変革を遂げました。とくに、第4次産業革命の象徴とされるIoT市場は拡大傾向にあります。さまざまな業界でIoTの導入が進むなか、注目を集めているのが「ITアーキテクト」です。そこで本記事では、近年需要が高まっているITアーキテクトについて詳しく解説します。

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急速に拡大するIoT市場

「IoT」とは「Internet of Things」の頭文字をとった略称で、日本語では「モノのインターネット」と訳されます。IoTは、さまざまな「モノ」をインターネットに接続して、相互に情報交換する仕組みです。電子機器や駆動装置といった生産設備をネットワーク接続することで、データ収集や分析、業務状況の把握や進捗管理、生産管理や品質管理など、あらゆる業務を効率化します。

IoTの市場規模は2019年に7兆円を超え、2024年には12兆円を超えると予測されています。とくに、製造業におけるIoT需要の拡大は目覚ましく、「インダストリー4.0」実現の要として期待を寄せられています。
たとえば、生産設備とIoTをネットワーク接続する、「スマートファクトリー」という概念が浸透しつつあります。スマートファクトリーとは、デジタルデータを活用することで、業務プロセスの改善と生産性の向上を実現する工場を指す用語です。IoTと製造業が融合したスマートファクトリーの取り組みは、今後ますます加速していくでしょう。

このように、IoTをはじめとする最先端の情報通信技術の活用により、ビジネスを取り巻く環境は大きく変わろうとしています。少子高齢化や人口減少による人材不足を解消し、新たな付加価値を創造していくためには、テクノロジーの活用が不可欠です。このような背景から、さまざまな業界において、IoTの需要は今後も拡大していくと予測されます。

企業内で需要が高まるITアーキテクトとは

近年では、「ITアーキテクト」の需要が高まっています。その背景にあるのが「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の推進です。
DXとは、デジタル技術を活用することで、企業経営やビジネスモデルの在り方そのものを変革する経営戦略を指します。DXを実現するためには、ITに関する高度な知識と技術、そして経営戦略への深い理解をもった人材が求められます。

ITアーキテクトは、「ITコンサルタント」や「ITエンジニア」とは異なります。ITコンサルトはITを活用した経営戦略を立案する職種であり、ITエンジニアはシステムの設計や運用・保守が主な仕事です。

「アーキテクト」は、日本語で「建築士」や「設計者」を意味する言葉であり、ITアーキテクトは経営戦略を考慮したシステムの運用基盤を設計します。つまりITアーキテクトとは、ITコンサルタントが行う経営戦略立案と、ITエンジニアが行うシステム設計の両方の業務領域を担当する職種です。

ITアーキテクトの重要性

情報通信技術の革新的な発展に伴い、さまざまな市場が成長を遂げ、モノと情報があふれる時代になりました。消費者ニーズは多様化かつ高度化し、多くの製品やサービスがコモディティ化しています。そのため今は、競合他社との差別化が困難な時代ともいえます。このような時代において、企業が発展していくためには、ITの活用によるDXの実現が不可欠です。そしてDXを実現するためには、ITアーキテクトの存在が欠かせません。

DXの実現には、大規模システムへの投資やITインフラの刷新が必要であり、企業規模や経営戦略に応じたフレキシブルなシステム設計が求められます。情報基盤全体の整合性と一貫性を保ちながら、なおかつ経営上の課題に沿ったシステムを構築するのは、決して容易ではありません。また、ライフサイクルを意識した構造設計と、それを維持するための管理プロセスの最適化も不可欠です。

このような背景から、経営戦略に沿ったシステムを構築できる、ITアーキテクトの重要性が高まっているのです。

ITアーキテクトが担う専門分野

ITアーキテクトが担う専門分野は主に3つあります。それが「アプリケーション・アーキテクチャ」「インテグレーション・アーキテクチャ」「インフラストラクチャ・アーキテクチャ」です。ここでは、それぞれの専門分野について解説します。

アプリケーション・アーキテクチャ

アプリケーション・アーキテクチャとは、機能性や操作性、画面遷移パターンといった、システムの機能要件に関わる内部設計に携わる分野です。主にシステムの骨格となる、プログラミング言語やUIなどを設定します。そのほかにも、データフォーマット・プロセスモデルとデータモデル・通信手段・処理方式・コーディング規約・命名規則などの使用標準を決定します。

アプリケーション・アーキテクチャにおいて重要なポイントは、システムの全体的な方向性を決定することです。たとえば、サーバー側プログラミング言語・クライアント側プログラミング言語・DB操作方法・通信プロトコル・運用環境・各種制約といった項目の方向性を明確化します。また、ほかのシステムで採用している設計パターンを踏襲するのか、新たなパターンを作成するのかなど、アーキテクチャ全体の方向性も検討します。

機能的かつ快適なUIの提供と、経営戦略に沿った機能要件の実現が、アプリケーション・アーキテクチャの役割です。

インテグレーション・アーキテクチャ

インテグレーション・アーキテクチャとは、情報システムの連携と統合に関わる構造設計を担う分野です。主にシステム間の相互接続性に関係する設計業務を行います。

「インテグレーション」は、直訳すると「統合」「統一」などを意味する語です。IT分野では、コンピューターやネットワークシステムなどを組み合わせ、情報システムを構築する手法を「システムインテグレーション」と呼びます。

多くの企業が直面する課題が、情報システムの統合です。近年、市場環境の変革に伴い、競争力強化を目的とした、M&Aによる企業合併や組織編成が増加傾向にあります。企業が統廃合を行う際に不可欠となるのが、この情報システムの統合です。

情報システムの統合や移行には、情報漏洩やデータの消失といったさまざまなリスクが存在します。安全かつ確実なシステムの統合を実現するためには、専門的な知識と技術を備えたスペシャリストが必要です。その役割を担うのがITアーキテクトであり、インテグレーション・アーキテクチャの役割といえます。

インフラストラクチャ・アーキテクチャ

インフラストラクチャ・アーキテクチャとは、情報システムの基盤要件を実現するための設計に携わる分野です。ビジネス上の課題を分析し、情報システムの基盤となるITインフラの構築と運用を担当します。具体的には、システムマネジメント・セキュリティ・ネットワーク・プラットフォームの設計などが主な役割です。

「インフラストラクチャ」とは「インフラ」の正式名称であり、一般社会においては道路や上下水道など、人々の暮らしを支える基盤を指します。インフラストラクチャ・アーキテクチャは、企業経営の根幹をなすサーバーやストレージ、OS、ミドルウェアといったITインフラを支える重要な役割です。

ITインフラの構築・運用を担当するインフラストラクチャ・アーキテクチャには、ハードウェアやソフトウェアに精通していることはもちろん、企業経営についての深い理解も求められます。情報システムを構築するためには、企業規模や経営戦略、経営資源などを分析したうえで、基盤要件を定義する必要があります。また、情報漏洩や不正アクセスを防止するため、セキュリティ管理に関する知識も必須です。

インフラストラクチャ・アーキテクチャは、ITインフラやセキュリティに関する専門的な知識と、経営戦略に基づいた柔軟な発想力を要する分野といえます。

ITアーキテクトに求められるスキル

ITアーキテクトは、いうなれば「システム設計と企業経営の両軸に精通したスペシャリスト」です。システム構築の要求事項と、ビジネスにおける要求事項をすべて実現しなければなりません。したがって、高いスキルと広範囲な知識が求められます。とりわけ必要となるのが、アーキテクチャ設計に関するスキルです。経営課題の分析に基づいた適切な要件定義を行い、要求事項を満たす設計スキルが欠かせません。

もちろん、人材管理や目標管理、進捗管理やコスト管理といったマネジメント能力も必須です。プロジェクトのキーマンとしての役割を担うため、チームを牽引するリーダーシップや、チームの活動を円滑化するコミュニケーション能力も大切な要素といえます。

ITアーキテクトは、IT業界の動向やテクノロジーなどに関する幅広い知識、システムの構築や保守・運用における専門性、経営への深い理解など、非常に高度なスキルが求められる職種です。

ITアーキテクトを育成する上で重要なこと

DXを実現するためには、最先端テクノロジーの活用が欠かせません。そしてDX実現の要となるのが、ITと経営に関する深い知識を備えたITアーキテクトです。

しかし、現在の国内市場は少子高齢化と人口減少も相まって、深刻な人手不足に陥っています。とくに、IT業界における人材不足は重大な問題です。経済産業省とみずほ情報総研株式会社の調査によると、2030年にはIT人材の不足数が約79万人に達するという試算が出ています。企業がDXを実現し、新たな社会的価値を市場に提供するためには、ITアーキテクトの育成が急務といえます。
(参照元:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf

ITアーキテクトを育成するうえで重要となるのが、経営戦略から見た人材育成戦略の策定です。どのような人材が必要であるかを明確にし、目標値として策定します。
ここで大切なのは、技術領域の知識体系と研修カリキュラムを策定することです。ITアーキテクトには、複合的な技術領域に関する深い知識と経験が求められるため、人材タイプとスキルレベルによって必要なカリキュラムは大きく異なります。人材タイプとスキルレベルを明確に定義し、それぞれに適応する研修体系の構築が必要です。

国内におけるIoTの市場規模は急速に拡大しており、ITアーキテクトの需要は今後さらに高まっていくと予測されます。加速度的に変化する現代において、企業が発展していくためには、DXの実現が不可欠です。企業の健全な発展は、経済活動の活発化や雇用の促進につながる、社会貢献そのものといえます。本記事を参考にして、ぜひITアーキテクトの育成とDX実現に取り組んでください。

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