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IoTとは?
基本的な仕組みや活用事例を紹介

近年、次世代のIT産業として注目されている技術の一つに「IoT」があります。IoTの導入により、これまでの業務が新しく形を変え、さらに日本経済の発展に寄与すると考えられているのです。そこで本記事では、IoTの基本的な知識とともに、実際に企業がどのように導入・運用しているのかをご紹介します。

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IoTとは?

「IoT(Internet of Things)」とは「モノのインターネット」を意味し、家電製品・車・建物など、さまざまな「モノ」をインターネットと繋ぐ技術です。たとえば近年では、家電とインターネットを繋ぐIoTデバイスが一般家庭に普及しています。これは、「電気を付けて」「音楽をかけて」といったように、IoTデバイスに話しかけるだけで家電などの操作をしてくれるものです。

またIoTは、業務用途に用いられるケースも増えており、建物のカメラや工場機材のセンサー部分など、幅広い箇所で活躍しています。これらを活用すれば、データ収集による業務改善や老朽化対策など、多くのことが可能となるのです。

本来、このようなセンサーを用いた技術は高価だったため、ごく一部の業務用機械への導入が一般的でした。しかし、今ではコストが低下したことで、業務用・家庭用を問わずさまざまな製品に利用されるようになりました。

拡大するIoT市場

IoTの市場規模は拡大を続けており、今後もさらに伸びていくと予想されています。というのも、IoTと密接に関係するクラウド・AI・アナリティクスの技術が向上し、それに伴いIT機器のコストダウンが見込まれるからです。

また、日本国政府ではスマートIoT推進戦略を行っており、企業へのIoT導入を積極的に推進しています。こうした取り組みから、2024年ごろには一般家庭から企業まで、IoTがさらに普及していくと考えられています。

さらに、IoTの広がりにより、産業の異なる企業同士をデータで繋げる「エコシステム」が、より重要となってきます。異なる産業同士が収集したデータは、各企業が事業活動に活用することで同一産業の競争力強化を促すのです。

IoTの基本的な仕組み

IoT機器本体は有線LAN・無線LAN・SIMなどを介して、インターネットと接続しています。もしIoT機器に何かしらの動作をさせる場合は、ダウンロードしたアプリケーションやクラウドから指令を送ります。その後、送信された指令がインターネットを通過し、IoT機器に届くという仕組みです。

またIoT機器の内部には、動き・音・熱・量・振動などを感知するセンサーが搭載されています。センサーが感知したデータは、インターネットを通じてクラウドやアプリケーションに蓄積されます。そして、このデータを事業活動や使用機材・状況の管理、点検などに使用するわけです。

IoT技術によってできること

では、IoT技術は具体的にどのような用途で使用されているのでしょうか。ここでは、実際に利用されている方法についてご紹介します。

モニタリング

IoT機器にあるセンサーを利用すれば、温度や騒音、人・物の動き、環境など、さまざまな状態をリアルタイムに把握できます。たとえば工場内にある冷凍庫の温度や、ダムの水量といった常時監視しなくてはいけないものも、インターネットさえあればいつでもどこからでもモニタリングできるのです。

また、カメラにセンサーを取り付けて、従業員や物の動きの観察にも利用されています。人の集中している工程を見つけて生産性の落ちている箇所を発見したり、物の配置の悪さによる効率低下を発見したりすることも可能です。

そのほかにも、自動化機能を利用すれば、トラブルが発生した際に管理者へメールで通知できます。そのため、監視業務もIoTデバイスに置き換えられます。これにより、人件費やリソースの軽減に役立てられるのです。

予防・予知保全

予防・予知保全は、IoT機器の大きな利用方法の一つといえます。特に近年期待されているのが、インフラへの利用です。

公道にある橋やトンネルは、老朽化するにつれて崩落の危険性が高まります。また、道路などが陥没してしまうと、渋滞や事故の原因にもなるのです。そのため定期的なメンテナンスを要しますが、すべてを管理するためには知見のある人材はもちろん、コストや時間もかかります。

そこでIoT機器が活躍します。自動で老朽化を判定する仕組みがあれば、点検のための膨大な時間や人件費が不要となります。実際、点検のためのロボットを導入して、老朽箇所を発見する試みも行われています。これにより、危険な場所に人が立ち入ることなく、安全に問題点を発見できるようになるのです。

データ連携

IoTによってさまざまなデータを収集したら、そのデータを活用して事業活動に役立てることが可能です。場合によっては、新しいビジネスを発見する手立てにもなり得ます。

たとえば、「店舗の商品売上」と「カメラに映る顧客の動き」を連携した場合、商品の配置による売れ筋がわかる可能性があります。また、「どの客層が、どの売り場に行きやすいか」といった情報を得ることも可能です。これを活用すれば、性別や年齢層に合わせた商品のレイアウトを考案できます。

このようにIoTとデバイスを連携することで、さまざまなデータを収集できるようになります。データに幅が生まれれば、その活用可能性も大きく広がるでしょう。

遠隔制御

遠隔制御とは、インターネットとIoT機器が繋がっていることを利用して、リモートで操作する機能です。この機能の基本的な使用方法は、遠隔地からのON/OFFですが、これまでご紹介してきた活用方法と組み合わせると、より多様な用途に利用できます。

たとえば、予知保全機能で異常を検知した場合、遠隔制御を組み合わせていれば、即座に修復作業を行い正常の状態へと戻せます。また、管理者に音声で異常を知らせることも可能です。そのほか、防犯カメラを操作して遠隔地から内部を監視するなど、さまざまな用途が考えられます。

産業別に見るIoT技術の活用事例

IoT機器は、さまざまな業種で活用されています。ここでは産業ごとに、どのように利用されているのかをご紹介します。

製造業

製造業においては、主に生産ラインで利用されています。

たとえば、稼働している機器にIoTを搭載することで、PCによる一元的な管理・制御が可能です。制御している機器は情報収集もできるので、稼働状況の分析にも寄与します。これにより業務効率化や異常検知、品質の安定化など、さまざまなメリットが生まれます。現在、生産ラインで問題を抱えている企業は、これを活用すれば問題発見に役立てられるでしょう。

また、カメラとIoTを連動すれば、現場の状況をリアルタイムに把握することも可能です。従業員の作業が可視化されるため、作業時のトラブル防止や人材配置の効率化につながります。

物流業

物流では、荷物の適切な管理が重要です。そのため、荷物や入出荷に関わる帳簿など、倉庫管理全般にIoT機器は利用されます。

荷物管理でよく利用されるのは、荷物情報と管理システムの連携です。これにより、たとえ紛失などが起きても、どの工程で問題が起こったのかを把握できます。さらに、RFIDタグと一緒に活用すれば、荷物の位置情報を一元的に管理することも可能です。

また、荷物の中には温度管理が必要なものもあります。そこで温度計とシステムを連携し、冷蔵・冷凍庫を一元的に管理する方法も有効です。万一異常が発生しても、通知機能を活用すれば、荷物が溶ける前にトラブルを回避できます。

農業

品質の高い農作物を育てるには、土の管理・植え方・気候・農業機械の扱いなどの知識や経験が必要です。初心者が始めるとなかなか上手くいかないこともあり、これが新しい農家誕生の障害にもなっていました。

しかしIoTの登場により、こうした長年の技術はデータ化されて利用できるようになっています。AI機能を搭載した農業機械も登場したため、素人でも熟練者さながらの機械操作が可能です。さらに、近年では農薬散布用や収穫用のドローンも登場しており、作業者の負担軽減に一役買っています。

またIoTは、作物の管理や生産にも役立っています。集積された作物の生育データをもとに適切な管理ができますし、販売データを集計すれば次回の営農計画にも活かせます。

飲食業

飲食業では、飲食店ユーザー向けと企業向けの2つのIoTが導入されています。

ユーザー向けとしては、タブレットによるオーダーシステムが普及しています。従来は従業員に声をかけたり、呼び鈴を押したりする注文方法が主流でしたが、タブレットデバイスによる注文が可能となりました。これにより、ユーザー側は注文の簡便化、店舗側は人件費削減やヒューマンエラー防止といった恩恵が得られます。

一方、企業向けとしては、POSシステムとの連携や予約管理システムなどに利用されています。POSシステムは、会計時に売上・客層・売れ行きなどの情報を集計できますが、これらを分析すればマーケティングに活用できます。さらにタブレット情報と連携することで、会計処理にも役立てられるのです。

医療分野

医療分野ではIoTが幅広く利用されており、医師から患者まで、さまざま立場での活用が考えられています。たとえば患者への活用方法としては、生体データの管理や集計により、疾患の早期発見や治療に役立てることなどが考えられます。

さらに近年では、医師の診断にAIを利用する試みも始まっています。うまく利用すれば、誤診を防ぎつつ病変発見の精度向上が期待できます。また、受診が難しい患者への対応として、リモートでの診断も行われています。これにより、災害時など医師が直接足を運ぶことが難しい場合でも、素早い診断が可能です。

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