経費で落とすとは?条件や注意点を解説

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公開日:2022/09/14

ビジネスをしていると「経費で落とす」という言葉を聞く機会があります。何気なく使う言葉ですが、どのようなものが経費として落とせるのか、落とせないものはあるのか気になったことはないでしょうか。

実は、全ての支払いが経費として落とせるわけではありません。誤って経費計上した場合、追徴課税の対象となる場合もあるため注意が必要です。

本記事では、経費で落とすための条件や注意点、メリット・デメリットなどについてわかりやすく解説していきます。経費計上について不安がある方は、参考にしてください。

経費で落とすとは

「経費で落とす」とは、経費計上することです。ビジネスのために、実際に使ったお金を経費として計上します。経費計上額が多いほど、納税額が少なくなるため節税につながります。

「経費で落とす」と表現した場合、実際に出費した金額を経費に換算するということになります。そのため、どのような費用が経費に該当するのか知っておかなければなりません。

経費とは

経費とは事業のために使用したお金です。事業の目的は収益を得ることであるため、収益を得るために使用したお金を意味します。

具体的な費用例として主なものをみていきましょう。

人件費

給与や各種手当、賞与など労働に対して支払われるものです。退職一時金や退職年金の引当金なども含まれます。

人件費を広く解釈する場合は、法定福利費・福利厚生費・教育研修費・人材採用に係る費用などを含む場合があります。

旅費交通費

業務上の移動に利用する「電車代」や「タクシー代」などが旅費交通費です。駐車場の利用料やガソリン代を旅費交通費として計上する場合もあります。

交通費に関する記事はこちらからどうぞ。

消耗品費

10万円未満の事務用品や備品代などが消耗品に該当します。具体的には、文房具代、プリンターインク代、パソコン関連の備品代などです。

福利厚生費

社員のモチベーションアップやレクリエーション活動などに利用するお金が福利厚生費です。具体的には、社員旅行代・社宅費用・社員食堂・財形貯蓄補助金などです。冠婚葬祭費や自己啓発支援の費用なども含まれます。

法定福利費

健康保険・厚生年金保険・介護保険料などの社会保険料と、労災保険・雇用保険などの労働保険料の事業主負担分です。法律に基づいて負担します。

通信費

電話料金・インターネット接続費・切手やはがき代などが通信費です。社員に業務用のスマホを持たせている場合は、その料金も通信費として計上します。

地代家賃

事務所や店舗などの家賃や借りている土地や駐車場の賃料などが地代家賃です。レンタルオフィスやシェアオフィスなどの使用料も含まれます。

広告宣伝費

商品やサービスなどを不特定多数の人へ知らせることを目的とした経費です。具体的には、テレビCM、新聞掲載、チラシ、インターネット広告などです。

接待交際費

得意先や仕入先などとの接待や贈答品にかかる費用です。接待交際費には、損金不算入の制度があるため使用した全ての額が経費計上できるとは限りません。詳しくは後述します。

経費で落とせるものとは

全てのものが経費として落とせるわけではありません。経費計上できないものを経費計上した場合、追徴課税などペナルティの対象となるケースも。

ここでは、経費で落とせるものと落とせないものの違いについてみていきましょう。

経費で落とせるもの

事業のために使用したお金は、基本的には全て経費で落とせます。具体的な費用例は人件費・旅費交通費・広告宣伝費など多岐にわたります。

経費で落とせないもの

事業とは無関係に使用したお金は経費計上できません。それ以外にも経費計上できないものはいくつかあります。代表的なものをみていきましょう。

役員報酬は、要件を満たしていない場合経費計上の対象から外れます。その条件とは次のとおりです。
・定期同額給与:毎月決まった日に同じ金額を支払う
・事前確定届出の提出:賞与支払い時は事前の届け出を行う
・有価証券報告書に記載:業績連動給与の場合

接待交際費は損金と認められないことのある科目です。例えば、社外の人が出席する飲食費のうち、1名あたりの費用が認められるのは5,000円以下となります。5,000円を超えた部分は経費計上できないため注意しましょう。

罰金は経費計上できません。例えば、国税・地方税を期限までに支払わずに延滞金の支払いが必要となった場合などが該当します。

法人税・法人事業税・法人住民税なども経費計上できません。納税は会社の義務であり、支出ではないためです。

経費で落とすための条件

経費計上するための3つの条件についてみていきましょう。

出費の目的

経費計上できるのは、会社の業務に関するもののみとなります。会社運営の目的は利益向上ですから、その出費が「売上につながるかどうか」が目安となります。業務に無関係なものは経費計上できないため注意しましょう。

書類の保存

経費計上を行う際は、領収書やレシートなど書類の保存が欠かせません。ただし、慶弔見舞金や電車の切符代、自動販売機のジュース代など、場合によっては領収書が発行されないこともあるでしょう。その際は出金伝票や状況を証明する別の書類などを保存しておきます。

例えば、慶弔見舞金であれば会葬御礼などが該当します。会議のために自動販売機でジュースを購入した場合は、会議の日時や開催場所、出席者数などを記録しておきましょう。

経費で落とすメリット・デメリット

経費で落とすメリット・デメリットについてみていきましょう。

経費で落とすメリット

利益が上がると必ず税金を納めなければなりません。税金額は利益に応じて変わります。

収益から経費を引いたものが利益です。そのため、経費が大きければ利益は下がります。経費計上の額が増えれば利益は減少します。

経費で落とすものが多いほど、利益が減少するため節税につながる点はメリットといえるでしょう。

経費で落とすデメリット

経費額が増えると納税額は減ります。しかし、経費が多すぎれば利益はますます少なくなり、場合によっては赤字になることもあるでしょう。

経費計上時の注意点

経費計上は正確に行わなければなりません。経費計上に不正などがあると追徴課税の対象となる場合があるため注意が必要です。ここでは、経費計上を行う際の注意点についてみていきましょう。

不正計上しない

実際には使っていない経費を、使用したように見せかけて計上する経費の架空請求は犯罪です。

交通費の不正受給・接待費などの不正受給などが多く見受けられる事例と言われています。経費計上する際は、不正計上とならないようしっかりした確認が欠かせません。

なお、社員が偽造領収書を提出し会社に不正行為を働いた場合は、会社から警察に相談し被害届を出すこともあるでしょう。社員に不正行為をさせないためにも、経費精算のルール作りとルールの周知徹底が欠かせません。

経費精算申請用の書類のフォーマットを作成していない場合は作成しておきましょう。記入ルールが徹底できますし、確認作業の手間が楽になります。

領収書の保存

商品やサービスに対し、金銭を支払った事実を証明するのが領収書です。法人の場合、領収書の保管期間は基本的に7年と定められています。

金銭の支払いがあった場合は領収書あるいはレシートの保管をしておきましょう。自販機でジュースを購入した・慶弔見舞金を支払った、という場合などは領収書が発行されないこともあります。

その場合は、出金伝票を利用しましょう。ただし、出金伝票だけでは信ぴょう性が薄いため、関連書類などを一緒に保管しておきましょう。出金伝票の信頼性が高まります。

領収書に関する記事はこちらからどうぞ。

決算整理仕訳

決算の際に、最終修正を行うために整理仕訳を行います。その中に経費計上に該当するものがあります。例えば、貸倒引当金・減価償却費などです。

貸倒引当金とは、受取手形・貸付金などの債券の中で、回収できる見込みのない金額です。ただし、税務上、まだ発生していない損失を損金計上することは認められていないため注意が必要です。ただし、資本金1億円以下の普通法人をはじめとした一部の法人については、繰入限度額までの損金算入が可能です。

減価償却費とは、固定資産を購入した際にかかった費用を耐用年数に応じて分割計上することです。土地・建物・車両・器具備品などが該当します。

経費計上を楽にするには

経費計上を間違えるとペナルティが課せられる場合があるため注意しましょう。正確に経費計上を行うためには慎重な手続きが必要となるため、業務に多くの手間やコストがかかります。そのため、少しでも経費計上を楽にしたいと考えている担当者は多いといえます。

キャッシュレス化

経費計上の中の多くを占め、手間がかかるのが経費精算です。そのため、経費支払を頻繁に行う社員には、法人カードなどを配布しキャッシュレス化をすすめましょう。

現金で経費精算を行うと、先払いしないといけないため担当社員の負担になります。金額が多い場合、支払いを躊躇する社員もいるでしょう。また、小口現金で支払う場合、経理部の担当者と支払い担当の社員は現金受け渡しのために出社が必要となります。

経理部の担当者は小口現金を支払うたびに、残高を数えなければなりません。キャッシュレス化を進めると、このような手間を省くことが可能です。

経費精算システムの利用

経費精算システムとは、経費精算申請書の作成、承認、仕訳、会計ソフトとの連携といった一連の流れを効率的に行うシステムです。

稟議書への承認に時間がかかる、仕訳の手間が大変、などの悩みを解消するためには、システムの導入を検討しましょう。

経費精算システムの1つとして、NTTコミュニケーションズが提供するSmartGoStaple®を導入した場合、キャッシュレス化・業務の効率化につながります。とくに経費精算に対して時間を割いている場合は、導入を検討してみましょう。

会計ソフトの利用

会計ソフトとは、日々の仕訳などを入力すると、会計処理の管理や集計を自動で行い、帳簿・決算書と言った必要書類の作成を行うソフトです。

買掛台帳・売掛台帳などの作成も行います。経費精算システムや銀行口座、カードなどと連携できるものを選べば、直接仕訳を行う手間が省け、経費計上処理が楽に行えるようになります。数字の入力ミスなどもなくなるため、ダブルチェックなどの手間も不要となる点がメリットです。

まとめ

経費計上することを「経費で落とす」といいます。事業に関する支払いは、基本的には経費として計上可能です。

多くの経費を計上すると節税対策につながります。ただし、経費の不正計上はペナルティの対象となるため注意しましょう。

経費計上は間違いが許されないため、時間や手間がかかる業務です。経費計上を楽にするには、経費精算システムの利用やキャッシュレス化の推進などを検討してみましょう。

NTTコミュニケーションズが提供するSmartGoStaple®を導入するとキャッシュレス化の実現ができ、業務の効率化につながります。キャッシュレス、ペーパーレスの経費精算システムに興味のある方は、SmartGoStaple®の利用を検討してみましょう。

経費精算のキャッシュレス化に関する記事はこちらからどうぞ。

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