Amazon Connect/Your Connect利用者の声
【東京オペレーションセンター編】
法人向けネットワーク回線の故障受付・サポート窓口を運営する
「東京オペレーションセンター」
24時間365日体制で稼働し、膨大な知識や高い応対力が求められるセンター業務にAmazon Connect/Your Connectの生成AI機能を導入。
ナレッジレコメンド機能や高精度の通話要約機能の活用により、応対品質の向上と、オペレーターの稼働削減の両立を可能にし、数百万回線に及ぶ企業のネットワークインフラを支える。

今回はAmazon Connect/Your Connectを導入、活用いただいております、NTTドコモビジネスエンジニアリングの東京オペレーションセンター(TOC)にお伺いさせていただいております。 Amazon Connect/Your Connectの導入に至った経緯や、導入後の運用の変化、効率やサービス品質の向上、そして今後の取り組みについて、当センターを運営するNTTドコモビジネスエンジニアリングの新田さんにお話をお伺いしていきたいと思います。
東京オペレーションセンターの業務紹介
まずはじめに、NTTドコモビジネスエンジニアリングについて、どのような会社か教えていただけますでしょうか?
新田:NTTドコモビジネスエンジニアリングは、1987年の創業以来『通信技術を通じた社会貢献』と『高品質なサービス提供』を理念に歩み続けてきました。近年では、社会課題への対応やDX推進の潮流を背景に、技術と人をつなぎ新しいコミュニケーションを創造することで『サステナブルな未来の実現に向け、Your Value Partnerとして挑戦し続ける』というメッセージを掲げています。
NTTドコモグループのシステムインテグレーター(SIer)として、NTTドコモの法人事業を技術面で支える役割を担っており、クラウドやネットワークの設計・構築から運用までワンストップで提供している会社です。
続いてTOCのご紹介と主な業務について伺えますでしょうか?
新田:私たちは、NTTドコモビジネスが提供する法人向けネットワーク回線の故障受付・サポートの窓口を行っています。数百万回線に及ぶ法人企業のネットワークインフラを支えるため、24時間365日体制で稼働し、100名を超えるコールオペレーターが日々対応にあたっています。
取り扱うサービスの種類は非常に多岐にわたり、現場のオペレーターには膨大な知識と高い応対力が求められる、非常に専門性の高いセンターとなっております。
コンタクトセンター業界における課題
ご紹介ありがとうございます。法人向けネットワークの故障受付ということで、幅広い知識と迅速な応対力が求められる専門性の高いセンターということですが、センターの課題についてお伺いできますか?
新田:これは、コンタクトセンター業界全体としての課題となりますが、人材不足が加速しており、オペレーターの新規採用や、定着が難しくなっています。TOCでは、お客さまのサービスの多様化に伴い、取り扱う業務の種類や内容が年々増加しているのですが、当センターでもサービスの多様化に比例して人員の拡充が図れるわけではなく、複雑化する応対業務に反して、限られたリソースで高品質なサービスを維持することが求められております。
そのため現場のオペレーターにかかる負担が大きくなっていることが一番の課題です。さらにTOCでは業務の専門性の高さから、習得すべき業務スキルが多く、新規採用者の即戦力化までには時間を要するため、オペレーターの育成のための稼働も負担となっています。

五十嵐:センターの課題は2つあります。
1つ目は、サービスの多様化により、オペレーターが習得すべきスキルやナレッジが増え、さらにサービスごとに対応方法が異なることです。そのため、必要な情報を確認し案内することが負担になっており、そうした中でもサービス品質を維持していくことが課題です。
2つ目は、定型作業にかかる時間です。例えば、お客さまとの対応記録を残す際、通話終了後に対応内容を手動で入力しているため、時間がかかってしまいます。特に長時間通話の場合、記録作業だけでも大きな負担になります。こうした定型作業が多いことが、現場の稼働を圧迫している状況です。
Amazon Connect/Your Connect導入の経緯
ありがとうございます。さまざまな課題を抱える中で、Amazon Connect/Your Connectの導入に至った経緯を、お伺いできますでしょうか?
新田:まず、TOCでAmazon Connect/Your Connect導入当時の経緯としては、センターのBCP対策が目的となります。
当時は、コロナ禍による緊急事態宣言など、過去に経験したことのない社会情勢もあり、オペレーターの安全を守りながら、業務を継続していくためにクラウドCTIの検討を進めておりました。
BCP対策を考える上で、Amazon Connect/Your Connectは、導入までの期間が短かったことに加え、料金面でも従量課金制を採用しているためランニングコストを抑えて運用ができるといった点はとても魅力でした。また、リージョンが世界中にあることも導入の決め手となりました。
Amazon Connect/Your Connectはオペレーター毎の利用環境確認や、必要な機材を準備する必要はなく、インターネット回線とPCがあれば、すぐに利用が開始できるといった点は利用するオペレーターにとっても大きなメリットです。
しかし、実際に業務として運用を行うにあたっては、システムのUIや操作性も重要です。システムを変更することで操作も全て変わるため、新たな知識習得や研修など、オペレーターに負担がかかることを懸念しておりましたが、Your Connectのソフトフォンは、オペレーターの声を取り入れて定期的に改善が行われており、初めて使うオペレーターでも感覚的に使うことができたため、現場にスムーズに受け入れられたことも大きかったです。
2024年ごろからは、生成AI機能が追加され、ナレッジレコメンド機能や、リアルタイムテキスト化、通話要約機能などさまざまな機能を活用しています。
生成AIを導入した背景には、社会的な普及の加速という要因もありますが、最大の理由は、従来のDX手法であるRPAによる自動化が限界に達していたことです。RPAを最大限活用しても、これ以上稼働削減に直結する効果を得るのが難しくなっていたため、新しいアプローチとして生成AIの活用を検討しました。
通話要約機能では、オペレーターの負担となっていた定型作業の軽減に期待し、ナレッジレコメンド機能では、新人オペレーター自らの判断で課題を解決できる場面を増やすことで育成稼働の軽減を目指すなど、現場全体の効率化に期待を込めて導入を決定しました。
Amazon Connect/Your Connectを導入し、現在は生成AI機能を活用されているということですが、生成AI機能の導入にあたっての課題などはありましたでしょうか?
新田:生成AIの導入にあたっては、大きく3つの課題がありました。
まず1つ目は、生成AIを使った業務をすることに対しての心理的な抵抗です。AIを導入することで業務フローが変更となることや、今まで行ってきた人の作業との成果を比べられてしまうなど、現場でなれ親しんだ手順を知っている方にとっては、AI活用に意欲的になれない方もいます。
2つ目は、運用にあたっての整備が必要となる点です。例えば、ナレッジレコメンドの回答やリアルタイムでのテキスト化、通話要約の結果など、生成AIが誤情報を出力してしまうことがあるため、こういった現象を防ぐためのチェック体制を運用で整えていくことです。生成AIが出力した情報をそのまま使うのではなく、内容を確認し適切に補正できる運用体制を作ることが重要だと考えています。
そして3つ目は、生成AIを活用するためのリテラシーの問題です。生成AIに対する理解や活用スキルは、オペレーターごとに差があるため、安定した運用をしていくためには現場スタッフの教育や研修の充実が欠かせません。
生成AIを正しく使いこなすための土台づくりが、今後ますます重要になってくると感じています。
課題を解決し導入に至るまでに、どのような取り組みや苦労がありましたか?
新田:生成AIを業務に導入するにあたって、まずは現場に受け入れてもらうことから始めました。現場研修を通じて、人の仕事をAIに置き換えるのではなく、AIを補完ツールとして活用し、協働によって新しい価値を生み出すという考え方を浸透させることでこの課題を解決しました。 また、実際の現場で運用していくにあたっては、生成AIの精度を向上させる必要がありました。例えば通話要約機能なら、従来の記録と比べて情報が欠けていないことや、視認性が高いことが求められます。こうした課題は、NTTドコモビジネスの開発者と密に連携を取りながら、プロンプトを何度も調整し、精度を高めることで、実際の運用に則したツールへ整備していきました。
実際にAmazon Connect/Your Connectの生成AIを活用してセンター運用や管理はどのように変わりましたか?
導入効果01
アフターコールワークの時間短縮
新田:最初に取り入れたのは、通話要約機能になります。手作業で書いていたものを要約して出してくれるため、通話後のログを記録するためにかかっていた時間を大幅に短縮することができました。アフターコールワークの時間短縮により、課題となっていたオペレーターの負担を減らせたことが最も大きな成果です。
肝心の通話要約機能の精度ですが、導入当初から、かなりすごいという印象が強かったです。通話要約が間違えていることは最初からなく、出力された文章はほとんど修正せずに使っています。
導入効果02
育成稼働削減
次にナレッジレコメンド機能になります。従来は新人オペレーターが不明点を、資料から調べたり、トレーナーに聞くなどの稼働がかかっていましたが、ナレッジレコメンド機能の導入により、自身で必要な情報を検索し、解決することができるようになったことで、質問の頻度が減りました。
また、事前の下調べを行うことで、トレーナーへ聞く場合にも、正しく質問の意図を伝えることができるようになったため、育成担当者の稼働削減や心理的負担の減少にもつながっています。
こちらも課題となっていたオペレーターの育成面で、教育の質向上と育成稼働削減の両面でメリットを感じています。
Amazon Connect/Your Connectの導入によって、運用面、管理面共にさまざまなメリットがあったようですね。実際に使われている現場の方の意見も聞いてみましょう。
生成AIの導入によりセンター業務に変化はありましたでしょうか?
導入効果03
応対品質向上
五十嵐:はい、私からはリアルタイムテキスト化と通話要約機能の2つについてお伝えさせていただきます。
1つ目のリアルタイムテキスト化ですが、電話対応では、会話をしながら正確に情報を聞き出し、その内容が正しいかを判断する必要があります。特に、氏名・住所・電話番号などは聞き取りにくく聞き間違いが起こりやすい項目です。このような場面で「リアルタイムテキスト化」があれば、音声とテキストの両面から会話内容を照会できるため、聞き漏れや誤認識が減り、録音を聞き直すなどの手間も省けます。
逆に、私が発声した内容が生成AIで正しくテキスト化されないということがあり、生成AIにも正確に認識される応対というのを意識するようになりました。その結果として丁寧な応対につながっていまして、お客さまからの感謝の声が増えているように思います。
導入効果04
業務負荷軽減
2つ目の通話要約機能になります。
技術的な知識が不足している新人のころは、電話対応をしながら会話内容についてメモを取ったり、終話後に応対内容をまとめ、記録することに苦労します。
お客さまとのやり取りが複雑な場合や、長時間に渡って電話応対を行うケースでは、ベテランでも会話の内容を忘れてしまうことがあります。従来は録音を聞き直し、内容を手書きでまとめていましたが、通話要約機能を活用することで、会話全体を簡単に振り返ることができるようになりました。会話のポイントや重要な情報が瞬時に整理されるため、これまで30分ほどかかっていた記録作業が一瞬で完了し、新人でもベテランでも同じ水準のログを残せるようになったことは、大きなメリットです。
今後の取り組みについて
最後に今後の課題や取り組みについて伺えますでしょうか?
新田:現在、Amazon ConnectとYour Connectを連携させ、リアルタイムでのテキスト化、通話要約機能、ナレッジレコメンド機能など、生成AIを活用した仕組みを導入しています。これにより業務の一部が効率化されましたが、センター全体を見渡すと、まだまだ定型的な作業が多く、AIが活用できる領域は非常に広いと感じています。
今後は、そうした領域にも積極的にAIを導入し、センターの高度化をさらに推進し、同時に更なるCXの向上を図っていきたいと考えています。
一方で、ナレッジの整備や、電話応対では共感力やホスピタリティ、感情の汲み取りといった、人にしかできない価値も非常に重要です。私たちは、業務をAIに置き換えるのではなく、人がAIをうまく活用しながら、新たな価値を創出するセンターづくりを目指しています。
ナレッジレコメンド機能は現在社内センターで検証中です。2025年度末にサービス提供開始予定です。
