HOYA株式会社
ローカルブレイクアウトとバックアップ回線で
全国の店舗ネットワーク遅延を一挙に解消
HOYA株式会社
アイケアカンパニー
事業基盤部 ITグループ
グループマネジャー
太田満氏
「ネットワーク遅延の解消に向けてSD-WANの導入を検討されているのであれば、よりコスト面と安全面の導入ハードルが低く、スピーディに展開できるdocomo business RINKはおすすめだと思います」
課題
本社集約型ネットワークの限界がコロナ禍で顕在化
健全な店舗運営に向けた遅延・通信断の解決が急務に
1941年に光学レンズメーカーとして創業したHOYA株式会社は、「ライフケア」と「情報・通信」の2つの事業領域で、メガネやコンタクトレンズ、医療用内視鏡、白内障用眼内レンズ、さらには半導体やデジタル機器産業を支える精密機器、デバイスなどを多角的に展開するグローバル企業だ。現在、同社は景気耐性が高く、より安定した収益基盤であるライフケア事業への注力を図っており、日本全国に約400店舗を展開するコンタクトレンズ専門小売店「アイシティ」は非常に重要な役割を担っている。
同社のネットワーク基盤は国内外のすべての事業部、拠点が本社統括のもとで1つにまとまっている。国内のインターネット接続はデータセンターを経由する構成になっており、コロナ禍を機に急増したオンライン会議により膨大なトラフィックが発生。全社的なネットワーク遅延が起きていた。「さらに、システム故障に備えて各事業部が定期的にデータのバックアップを取るようになったことで拍車がかかり、慢性的にネットワークがスローダウンする事態に陥っていたのです。その対策として各事業所や拠点にSD-WANを導入し、ローカルブレイクアウト※を図る計画が進んでいました。しかし、店舗数の多いアイシティは未着手だったのです」と語るのは、ITグループ グループマネジャーの太田満氏(以下、太田氏)だ。
※ データセンターや本社を経由せず、各拠点に設置した通信機器から直接インターネット接続させるネットワーク構成
対応が後手に回っていたことで、アイシティの各店舗ではさまざまな問題が生じていた。とくに深刻だったのは土日の店舗運営への影響だった。製造拠点中心の他事業部では土日にバックアップ処理が集中する一方、アイシティにとって土日はもっとも来店客が多い繁忙期である。「頻発するネットワークの遅延や通信断が顧客対応に支障をきたす事態を招いていました。加えて、朝の始業時に行っていた定例のオンライン会議なども映像や音声が安定せず、結局、終業後の夜間に実施せざるを得ない状況になっており、これが時間外労働を増加させる一因になっていました。つまり、アイシティの各店舗ではネットワークの課題がビジネスの課題に直結しており、早急な課題解決が求められていたのです」(太田氏)
そこで、同社ではアイシティの全店舗に主要拠点と同様にSD-WANの導入を検討。しかし、約400の店舗に高額な通信機器を設置することはコスト的に現実的ではなかった。「さらにSD-WANの導入で最大の障壁は、本社が管轄するデータセンターにアイシティ独自のゲートウェイを設置する必要があったことです。当然、我々が管理するため新たなセキュリティリスクが生じる懸念もありました」と太田氏が語るように、コスト面と安全面でアイシティへのSD-WAN導入は見送らざるを得ない状況だった。
対策
ローカルブレイクアウト実装の障壁を下げる
サービス選定で店舗ネットワークを最適化
転機となったのは、NTTドコモビジネスからネットワークとクラウド型セキュリティを融合した統合型ネットワークサービス「docomo business RINK」(以下、RINK)を提案されたことだった。このサービスはSD-WANと同等のローカルブレイクアウトを容易に実現できることが大きな特長だ。「最大の魅力はデータセンター側に設備を置く必要がないこと、各店舗に通信機器の設置不要で利用できることです。しかも、現在、我々が全社で利用するNTTドコモビジネスのネットワーク基盤に手を加えることなくジョイントするかたちで導入できるため、稼働が抑えられ、本社への承認が取りやすかったことも大きいですね。さらに、モバイル(ワイヤレス)のバックアップ回線が標準機能として提供される点も高く評価しました」(太田氏)
実は導入の直前、ショッピングモール内の電話設備故障により、複数の店舗で数日間ネットワークが使用できなくなる事態が立て続けに3件発生。バックアップ回線の必要性が高まっていたタイミングで、その要件を満たしていたことも導入を後押しすることになった。なお、RINKの導入にとどまらず、導入を起点としたNTTドコモビジネスの中長期的なシステム、ネットワークの改善提案も評価された。
その後、同社では導入に向けたPoC(実証実験)を実施。旧店舗環境とRINK環境の両方を太田氏が所属するオフィスに用意して比較検証を行った。「正直、我々のオフィスでは本社が管轄するSD-WANを使っていたため、店舗の遅延を実感できていませんでした。そこで、2つの環境を比較したのですが、とくにローカルブレイクアウトを使ったオンライン会議では明らかな差が出ました」と太田氏は語る。その差は驚異的なものだった。メイン回線のインターネットスループットは約300倍、バックアップ回線は5Gで約60倍、LTEでも約30倍に向上していたという。
当初は1年かけての導入計画だったが、わずか半年でNTTドコモビジネスはRINKの全店舗展開を完了。ちなみに、5Gのワイヤレスバックアップ回線の先行導入で暫定的に開通、追って固定のメイン回線を導入して完全開通させることで、迅速な拠点展開ができることもRINKの大きな特長だ。
効果
快適かつ安定したネットワークで店舗運営の諸課題を解決
RINKを軸に次世代のセキュリティ強化、クラウド化へ挑む
RINKの導入でアイシティの店舗には劇的な改善効果が現れた。もっとも顕著だったのは通信速度が向上し、安定性が増したことだ。「オンライン会議が快適にできるようになったことで、店舗からは『いままでとは明らかに違う』といった好意的な声が上がっています。以前は頻繁にあった故障の問い合わせも激減しました。もちろん、どんな対策を講じてもネットワークが不通になるケースは年に幾度かあります。しかし、現在はメイン回線が故障すれば自動的にバックアップ回線に切り替わります。このため、我々が故障を発見して店舗に確認したところ、店舗側が気づいてなかったこともありました(笑)」(太田氏)
このような効果に加え、コスト面でも大きな成果が出ている。直接的な店舗ネットワークのランニングコストが大幅に削減されたことに加え、間接的なコストも大幅に圧縮されている。「店舗ネットワークが快適かつ安定して利用できるようになったことで、通信トラブルで接客ができなくなる機会損失が減り、終業後のオンライン会議による時間外労働などのコストも抑えられています。故障対応で現地の店舗に足を運ぶことも減り、そこにかかっていた稼働やコストも削減できています」(太田氏)
今回、店舗ネットワークにRINKを導入したことを皮切りに、現在、同社では全国の営業や物流の拠点をRINKに統一する取り組みが進んでいる。将来的に管理画面から各拠点の状況を一元的に監視、より広いエリアでのトラブル早期発見と迅速な対応ができる体制づくりを目指している。
今後の展望として太田氏は次のように語る。「店舗ネットワークが安定したため、次はセキュリティの強化とさらなるクラウド化を進めていきます。将来的には店舗からサーバーをなくし、すべてクラウド上で運用することで新店舗展開の初期投資削減、管理稼働の軽減を目指しています。そのために不可欠となるのがサービス拡張、新機能実装といったRINKの継続的な進化です。すでにWANセキュリティ機能やマルチクラウド機能の実装は視野に入れていますが、次世代のネットワーク環境構築に向けて、引き続きNTTドコモビジネスには期待していますし、ともに協力して取り組みを進めていきたいと考えています」
導入サービス
オフィスに縛られないハイブリッドワークを快適にしたい。働く場所に合わせてスピーディかつリーズナブルに最適なネットワークやゼロトラストのセキュリティ対策を導入したい。 いつでも、どこからでも、安心・安全・簡単にセキュリティと一体化した統合ネットワークサービスです。
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HOYA株式会社
事業概要
世界約160拠点、約38,000人の社員を擁するグローバル光学機器メーカー。同社が手がける「アイシティ」は、日本全国に約400店舗を展開するコンタクトレンズ専門の小売店だ。
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