三井住友海上火災保険株式会社
頻発している太陽光発電設備のケーブル盗難事故。対策が急務!
SIMによる場所を問わないIoTソリューションで、盗難被害防止を実現
- 太陽光発電設備のケーブルには、銅が使用されているものが多く、銅価格の上昇とともに盗難事故が頻発しているため、そもそも損害保険では盗難リスクの補償提供が難しくなっている。
- MS LifeConnectに連携可能なAIスマートカメラをつかった検知と威嚇機能を発電設備でも使いたいという声がある一方で、遠隔地の発電設備では通信環境がないことが多く、導入障壁となっていた。
- 保険会社の社内ベンチャーであり、通信の保守など専門的知見が不十分であった。
- 通信問題解決のためSIMをバンドルしたプランを検討
- 保守メンテのサポート体制を考慮し、ゲートウェイ・モバイル回線・保守窓口を一気通貫で提供
- データのアップロードのみの低価格なSIMなど、事業特性に合わせた柔軟なプラン
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三井住友海上火災保険株式会社
ビジネスデザイン部
データ・リスクサイエンスチーム
ディレクター
平岩幸治氏
「我々の計画を理解し、スタートアップ事業として挑戦することを、共感いただいた。その上で必須条件を満たしてくださった、NTTドコモビジネスの柔軟な対応を高く評価しています」
三井住友海上火災保険株式会社
ビジネスデザイン部
データ・リスクサイエンスチーム
データサイエンティスト
山崎拓磨氏
「損害保険会社は、自社内の事業運営リスクについても非常に敏感です。モバイル通信のリスクを最小限に抑えられるNTTドコモビジネスの通信回線は、我々の事業(MS LifeConnect)のお客さまへの体験価値の1つになっていると思います」
課題
太陽光発電設備のケーブル盗難事故が頻発・多発しており、
保険提供が困難に
代替のリスク対策として自社IoTソリューションへのSIM実装へ
三井住友海上火災保険株式会社は、1918年の設立以来、100年以上にわたり日本の損害保険事業を牽引。現在は中期経営計画において「未来にわたって、世界のリスク・課題の解決でリーダーシップを発揮するイノベーション企業」の実現を掲げ、社会と自社のサステナビリティを同時実現する「SX」を推進している。同社ではSXの一環として保険本来の機能にくわえて、事故・災害を未然に防ぎ、事故発生後の早期回復を支援する補償前後のソリューション拡充に取り組んでいる。このような経営ビジョンのもと、2022年12月に立ち上げられたのが「MS LifeConnect」プロジェクトだ。
プロジェクトオーナーの平岩幸治氏(以下、平岩氏)は、プロジェクトのコンセプトを次のように語る。「自動車事故や火災事故、ケガなど、一般的に保険はネガティブな出来事の際の経済的な補償に使うものです。我々は保険会社として、なるべくお客さまにそういうトラブルに遭っていただきたくない。そこで『保険を使わない状態』をウェルビーイングの一つの形と定義し、その手段として新たにIoT事業を立ち上げたのです」
同社ではアメリカの大手IoTプラットフォーマーと提携し、事業化を推進。そして2023年11月三井住友海上のIoTプラットフォーム「MS LifeConnect」をリリース、連携するデバイスの第1弾としてAIスマートカメラの提供を開始した。当初は個人顧客の住宅向けIoTソリューションだったが、事業展開の過程で事業者からのニーズもあり事業者向けに拡大、さまざまな社会課題に直面することになる。
再生可能エネルギーの普及を国策で進める一方で太陽光発電設備のケーブル盗難事故が頻発し、保険金の支払いが急増。同社のみならず損害保険業界として盗難補償が提供できない状況となり、盗難リスク対策の代替手段の取扱が必要だった。「一方でIoTプラットフォームであるMS LifeConnectは通信が必須であるため、人里離れた遠隔地の発電設備へのサービス提供方法の確立が課題でした。そこでSIMによるモバイル通信をバンドルして提供できれば価値提供の幅が拡がるとともに解決に導ける社会課題も多くなると判断し、パートナーの候補先を探し始めたのです」と平岩氏は語る。
「MS LifeConnect」AIスマートカメラ
対策
一気通貫のサービス体制を評価して
「ドコモIoTマネージドサービス」を導入
上り偏重のSIMプランなど、事業特性に合わせた柔軟な提案力を評価
IoTソリューションのSIM対応に向け、同社では提案を受けた複数の候補からNTTドコモビジネスをパートナーに選定する。プロジェクトでビジネスデベロップメントとプロモーションを担当する山崎拓磨氏(以下、山崎氏)は、選定理由を次のように語る。「SIMのみの提供になると、周辺機材の調整や管理が必要となり、我々のオペレーションが複雑になります。くわえて、通信環境に対する問い合わせを受けても通信に関する専門的な知見がない我々では対処が難しいのです。そこで運用保守までを含めてお願いしたい思いがあり、ゲートウェイ、モバイル回線(SIM)、運用保守を一気通貫で提供できるパートナーを探していたのです。NTTドコモビジネスからの提案は、そんな我々のニーズにいちばん合致していました。ゲートウェイ、モバイル回線、運用保守のいずれも高品質で提供でき、かつ安心して託せる信頼性を評価し、パートナーに選びました」
続けて、平岩氏も選定の決め手を補足する。「AIスマートカメラからの映像をアップロードする用途に適したSIMの提案など、我々の事業をしっかり理解した上で、企画から運用保守までを含めた最適かつトータルな提案を高く評価しました。くわえて、ドコモブランドならではのSIMのエリアカバー率の高さも選定の決め手になりました」
同社の選定した「ドコモIoTマネージドサービス」は、IoTに必要なゲートウェイ、モバイル回線、保守運用をワンストップで提供するサービスだ。導入前のコンサルティングからソリューション選定、システム構築、システム運用までの一元的なサポートにより、経営課題やニーズに合わせたカスタムメイドが可能。導入開発期間やリソースの無駄を省き、独自のサービス展開が図れることが大きな強みとなっている。
「我々のMS LifeConnectプロジェクトは人財・予算・時間など、限られたリソースで運営する社内ベンチャーです。立ち上げてすぐに100点満点は難しいにしても、大手保険会社として一定レベルのソリューションを提供する責任があります。保険会社はリスクのプロです。リスクのプロが選定をする以上、絶対に妥協はしたくありません。そこを踏まえた上でのベストな選択だったと思っています」(平岩氏)
効果
通信の安定性と一元対応で限られたリソースでの運用を実現
今後は保険商品との連動、IoTプラットフォーム化で社会課題の解決へ
モバイル通信に対応したMS LifeConnectのファーストユーザーは発電事業を営む企業だった。MS LifeConnectを太陽光発電設備に導入し、AIスマートカメラによる遠隔監視を実現している。現場に設置したAIスマートカメラで人、動物、車両、その他を見分け、事前に設定しておくことで人の侵入だけを通知できるようになっており、適切なタイミングでの通知・威嚇が可能になった。「AIが指定したエリアに人が侵入した際にすぐにお客さまのスマホに通知します。くわえて、強烈なサイレン音と3000ルーメンの眩しいフラッシュライトを組み合わせた威嚇により、盗難を抑止できるようになっています」と平岩氏は説明する。
また、遠隔監視は盗難の抑止のみならず業務効率化の効果も大きいという。「発電設備は地方部や山間部などいろいろなところに点在しているため、人手での見回りには大きなコストがかかります。AIスマートカメラによる遠隔監視により、現地に足を運ばなくても設備の状況が確認できるようになります。何かあった際も高精度なAI検知や高画質な映像によりクリアに証拠を保全することができるため、緊急時の対応と平常時の業務効率化、この2つの観点でお客さまに評価いただいています」(平岩氏)
これらのメリットを享受するには、ドコモIoTマネージドサービスの安定した通信環境が大前提となる。もちろん、限られたリソースでの運用を強いられる社内ベンチャーにとって、通信の運用保守にかかる稼働を最小限に抑えられることもソリューション拡充の大きなポイントとなっている。
現在、太陽光発電設備への導入は猛暑が和らぐ秋口から徐々に設置工事が進んでいる状況だ。また、先日開催された展示会ではケーブル盗難の課題を持つ多くの来場者から引き合いがあり、順次商談が進んでいるという。さらに介護施設での見守り、熊などの野生動物検知といった新たなユースケースも広がりつつある。そうした中、今後の展望について山崎氏は次のように語る。「将来的には保険とIoTデータが連動する商品提供を目指します。たとえば、本ソリューションを導入することで盗難リスクが下がり、保険料が抑えられるといった保険商品とソリューションを組み合わせることでリスクに対処していく新たな世界観をつくっていきたいです」
AIスマートカメラによる遠隔監視でスタートしたMS LifeConnectだが、今後は各種センサーをはじめとしたデバイスを追加する予定だという。「最終的に目指したいのは多様な価値を提供できるIoTプラットフォームです。たとえば、私の自宅では監視カメラにくわえてスマートロック、インターホンなどと連動させています。とはいえ、我々のIoT事業はようやく0→1を実現した状況に過ぎません。これから事業を軌道に乗せる1→10のフェーズでも、NTTドコモビジネスの手厚いサポートに期待しています」(平岩氏)
「MS LifeConnect」アプリ画面
導入サービス
IoT環境を整備・運用する際のトータルサポートを行うのが「ドコモIoTマネージドサービス」です。導入前のコンサルティングからソリューションの選定、導入に向けたシステム構築や運用後のサポートまで一元的に支援します。
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三井住友海上火災保険株式会社
事業概要
1918年設立、損害保険事業を中心に海外事業、金融サービス、リスク関連事業などを幅広く展開。昨今では事故や災害を未然に防ぎ、早期回復を支援するソリューション拡充に取り組んでいる
(PDF形式/711 KB)
(掲載内容は2025年12月現在のものです)
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