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アッヴィ合同会社
社用生成AI自身が認めた専門性の優位
製薬特化AIが翻訳業務を劇的に変えた
アッヴィ合同会社
情報システム部
島村律氏
「社内の厳しいセキュリティポリシーをクリアして、本社の承認を得ています。グローバル企業では本社が統一ソリューションを求めますが、日本のビジネスニーズに沿って判断し続けることが私たちの役割です」
アッヴィ合同会社
開発本部
徳永浩崇氏
「逆翻訳機能を使って日本語と英語を行ったり来たりしながら文章をブラッシュアップしています。従来は日々の翻訳作業で目一杯でしたが、いまは本来の業務に集中でき、考える時間が増えました」
課題
外注では間に合わない、内製では手が回らない
本社との14時間の時差が翻訳業務をさらに圧迫
2013年に研究開発型のバイオ医薬品企業として誕生したアッヴィ合同会社は、患者に革新的な薬を1日でも早く届けることを使命に、人々の人生を豊かにするソリューションの提供に尽力し続けている。現在はグローバルで約57,000人、日本では約2,000人の社員が免疫疾患、肝疾患、精神・神経疾患、がん、アイケアの領域、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスのポートフォリオなどで製品の開発と提供に取り組んでいる。
同社は生成AIをはじめとするデジタル活用により、業務の自動化・効率化を全社的に推進している。「委ねられる業務はすべてデジタルにシフトする。その上で社員一人ひとりが思考やキャリア形成に集中できる環境をつくっていく。それが私たちの基本的な考え方です」と開発本部の徳永浩崇氏(以下、徳永氏)は語る。
こうした業務の自動化・効率化を推進する同社だが、導入前、翻訳業務は大きな負担となっていた。「従来は私のような担当者が自力で翻訳するか、外注するかの二択でした。外注は急ぎの案件でも事前予約が必要で、新薬申請や規制当局への報告といったタイムリーな対応が求められる業務では、事前準備にかかる時間と稼働、そしてコストが大きな負担になっていました」(徳永氏)
新薬申請関連の文書は膨大で、外注では納期に数週間を要することも珍しくなかった。さらに深刻だったのが海外拠点とのやり取りで生じていたタイムラグだ。米国本社とは14時間の時差があり、日本の日中が向こうの深夜にあたる。リアルタイムなやり取りを行う時間は限られていた。「そんな限られた時間の中で日本語の文書を英訳してディスカッションし、結果を日本語に戻して提出するプロセスを踏むのですが、担当者が自力で翻訳する時間がかかるため、本システム導入前は、やり取りに2、3日かかることも珍しくありませんでした。しかも日常的に翻訳作業に時間を取られるため、本来注力すべき科学的な検討や開発戦略の立案といった『考える時間』に集中できない状態だったのです」(徳永氏)
一方、セキュリティの観点から一般公開されている翻訳サービスは利用できないため、内製か外注の二択しかない状況だった。
「日本でのビジネスは飛躍的に拡大していたのですが、そこにかけられる予算には限りがあります。情報システム部として自動化、効率化を進めてビジネス部門を手助けしたい思いがあり、内製、外注に代わる翻訳の第3の選択肢を模索していました」と情報システム部の島村律氏(以下、島村氏)は語る。
対策
内製でも外注でもない翻訳の第3の選択肢
複数の製薬企業が共創したカスタムモデルを導入
転機となったのが、NTTコミュニケーションズ(現・NTTドコモビジネス)からの製薬業界向けAI翻訳エンジン開発コンソーシアムへの誘いだった。複数の製薬企業が実際の業務で使う文書の対訳データ(コーパスデータ)を提供し、それをもとに医薬翻訳に精通する翻訳企業と参加企業が協力してネイティブ表現をチェック、翻訳エンジンに落とし込む共創プロセスでAI翻訳プラットフォームサービス「COTOHA Translator」の製薬カスタムモデルを開発するプロジェクトだ。アッヴィにとって、まさに渡りに船の話だった。二つ返事で初期段階から参画を決めた。「開発にあたっては我々も膨大なコーパスデータを使って、日本語、英語の文章を翻訳させ、添削して返す作業をひたすら繰り返しました」(徳永氏)
こうしたフィードバックを重ねることで、業界特有の用語や表現に特化した製薬カスタムモデルが完成。「COTOHA Translator」のラインアップとして提供されることになり、アッヴィは提供と同時に本格導入を決断した。「利用開始後もフィードバックを重ねることで翻訳のクオリティが上がっていき、充分な実用レベルに到達していることを実感しています」(徳永氏)
さらに、同社の厳格なITセキュリティ要件もクリアし、運用面でのメリットも大きかった。「社内のITセキュリティはかなり厳しいのですが、設計のアーキテクチャのレビューや脆弱性テストを経て、米国本社の承認を得ています。くわえて、ライセンス人数制限のない契約形態により、新入社員の追加申請や海外異動時の契約変更といった管理負荷も大幅に軽減できる点も選定の決め手となりました」(島村氏)
導入後も年2回の大型アップデートを通じて精度は継続的に向上していった。ユーザーである製薬企業や翻訳企業のフィードバックがシステムに反映され、サービス全体で共有される製薬業界の共用辞書が充実していく。さらに各企業が独自に利用できるユーザー辞書に、自社特有の用語や社内の3レター(略語)を登録することで、翻訳の一貫性とクオリティが着実に改善されていった。
効果
翻訳業務からの解放で「考える時間」を取り戻す
専門AIの精度とスピードが社用生成AIを上回る
導入効果は劇的だった。まず翻訳スピードが圧倒的に向上した。40ページの文章を外注に出すと半月から1か月かかっていたものが、COTOHA Translatorでは数分で翻訳結果が得られるようになった。
「外注比率は体感で1/10に減り、私の担当業務では外注はゼロに。翻訳に手がかからなくなったため、2、3日がかりの米国本社とのやり取りも当日の夜に完了するようになりました。また、COTOHA Translatorを使えば誰が翻訳しても一定の品質が担保されるため、複数のメンバーで作業を分散できるようになっています。煩雑な翻訳作業から解放されたことで、本来注力すべき科学的な検討や開発戦略の立案といった『考える時間』が大幅に増えたことが、なによりも大きな成果です」(徳永氏)
そして最大の効果は、製薬翻訳という領域では現時点で専門AIが適していることを実証できたことだ。2024年ころから同社では機密情報を社用生成AIに読み込ませて分析できる環境が整った。当然、翻訳もできるため、米国本社からはCOTOHA Translatorから社用生成AIへ置き換える指示が出た。「すぐに置き換えを検討しました。情報システム部として仮説を立て、社内で使用している製薬文書のサンプルを集めて比較検証しました。興味深かったのは、COTOHA Translatorと社用生成AIの翻訳結果を社用生成AI自身に評価させたところ、このサンプルにおいては『COTOHA Translatorの方が一貫性があり、質が高い』と判定したことです」(島村氏)
徳永氏も実際に検証した。「1ページ程度の社内文書を社用生成AIとCOTOHA Translatorで翻訳結果を比較したことがあります。実際、製薬向けにカスタムされたCOTOHA Translatorの方が修正が少ないケースも多々あり、用途に合わせて使い分けしています」(徳永氏)
さらに「外注費と内製化のバランスから、COTOHA Translatorを継続利用したい」という現場の声をもとに米国本社と協議が行われた。「費用対効果でも、ユーザーの声の面でも、継続する理由は充分にあると説得しました。現場から多くの継続を求める声が集まったこともあり、継続利用の承認を得ました」(島村氏)
「現状、すごく満足しています。かなり頼りにしています」と徳永氏が語るように、すでにCOTOHA Translatorワイドプラン(製薬カスタムモデル)は同社の業務になくてはならない存在となっている。
導入サービス
AI自動翻訳サービスのCOTOHA® Translatorは、TOEIC960点超レベルの「高精度」、社内文書翻訳も安心の「セキュリティ」、ファイルまるごと翻訳ができる「利便性」を兼ね備えたAI翻訳サービスです。
詳しくはこちら
アッヴィ合同会社
事業概要
2013年に研究開発型のバイオ医薬品企業として誕生。日本では約2,000人の社員が、免疫疾患、肝疾患、精神・神経疾患、がん、美容医療関連のポートフォリオで製品の開発と提供に取り組んでいる。
「アッヴィ合同会社」導入事例印刷用ファイルのダウンロード
(PDF形式/267 KB)
(PDF形式/267 KB)
(掲載内容は2026年5月現在のものです)
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