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熟練技術者の勘と経験は、どうすれば新人に教えられるのか?

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製造業や建設業界では、熟練技術者から新人作業員への効率的な技術継承が課題となっています。しかし、こうした課題は、IoTを利用した技術継承で解決できそうです。

1.ものづくり産業の現場で、深刻化する技術継承の現実

日本の生産人口は1990年代をピークに減少し続けており、特に製造業や建設業など、ものづくり産業の分野では、就業者の減少、若手の人材不足など、深刻さが増しつつあります。

さらに昨今では、長年現場で働き続けた熟練技術者による若い世代への技能の伝達がはかどっていないようです。経済産業省が2019年に発表した「ものづくり白書」でも、この問題が指摘されています。

同白書で取り上げられている、「ものづくり産業における技能継承の現状と課題に関する調査(2018年)」(※)では、ベテランから若手従業員への技術継承の成果に関する問いでは、「あまりうまくいっていない」が47%、「うまくいっていない」が7%と、50%以上の企業が、従業員の技術継承に手を焼いている結果となりました。
(※) 独立行政法人労働政策研究・研修機構「ものづくり産業における技能継承の現状と課題に関する調査(2018年)」

その一方で、技術継承が「ややうまくいっている」と回答した企業は40%、「うまくいっている」は5%と、45%の企業では、技術継承におおむね成功しているケースも見られます。なぜ、技術継承がうまくいっている企業と、うまくいっていない企業に二分されるのでしょうか。

(※)独立行政法人労働政策研究・研修機構「ものづくり産業における技能継承の現状と課題に関する調査(2018年)」

(※)独立行政法人労働政策研究・研修機構「ものづくり産業における技能継承の現状と課題に関する調査(2018年)」

2.技術継承に成功している企業は、どのような対策を行っているのか?

技術継承がうまくいく企業とうまくいかない企業に分かれる背景には、企業が「教える」ということを重視し、積極的な取り組みを勧めているか否かにあるようです。

同調査では、技術継承の具体的な取り組みに関するヒアリングも行っており、技術継承がうまくいっている企業では、「再雇用や勤務延長などにより、高年齢従業員に継続して勤務してもらう」が72.4%、「継承すべき技能の見える化(テキスト化、マニュアル化、IT化)」が60.6%となっています。

一方で技術継承がうまくいっていない企業では、「再雇用や勤務延長などにより、高年齢従業員に継続して勤務してもらう」が78.0%、「継承すべき技能の見える化(テキスト化、マニュアル化、IT化)」が48.6%となっています。

この結果を見ると、技術継承に成功している企業では、熟練技術者による口伝えや指導だけに頼るのではなく、継承すべき技術について、誰が見てもわかるようなテキスト化やマニュアル化を進めている傾向が見られるといえるでしょう。

(※)独立行政法人労働政策研究・研修機構「ものづくり産業における技能継承の現状と課題に関する調査(2018年)」

(※)独立行政法人労働政策研究・研修機構「ものづくり産業における技能継承の現状と課題に関する調査(2018年)」

3.スマートグラスを使えば、オフィスに居ながら現場の新人を指導できる

とはいえ、ベテラン従業員の経験に基づいた技術をテキスト化、マニュアル化するのは、容易ではありません。かといって、若手がベテランから面と向かって学習する場を用意するとなると、人員に負担がかかる上、いわゆる“密”の状態になり、新型コロナウイルス禍の現在としては好ましいものではありません。

企業としては、より効果的に、かつコロナ感染の危険も回避した方法で手際よくこの課題を処理したいというのが本音でしょう。そうした状況で活躍するテクノロジーが、IoTを使った、遠隔による技術継承です。

これまでは熟練技術者のノウハウ若手に教えるためには、現場で直接教える必要がありました。しかし、IoT技術を搭載した、メガネ型のスマートグラスを新人が装着すれば、新人が見ている視野角の映像をPCやタブレット端末で共有し、その映像を元に、オフィスの熟練技術者が指導する、といったことも可能になります。逆に、熟練技術者が現場でARグラスを装着し、その視野角の映像をオフィスの新人に共有する、といったことも可能になります。

IoTを活用すれば、直接現場に赴く機会を減らすことができ、出張費用などの経費や作業時間そのものの軽減、あるいは人材育成の効率化も可能になります。コロナ禍の今だからこそ、IoTを用いた遠隔による技術継承を検討してみても良いかもしれません。

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