2025年7月より、NTTコミュニケーションズは
NTTドコモビジネスに社名を変更しました
NTTドコモビジネス株式会社

2025年11月19日

NTTドコモビジネス株式会社

電力インフラの点検効率化に向けたドローンポート活用実証に成功

~一つのドローンポートで複数の環境での巡視を実現、インフラ維持管理DXを加速~

NTTドコモビジネス株式会社(旧NTTコミュニケーションズ、以下 NTTドコモビジネス)は、グリッドスカイウェイ有限責任事業組合、関西電力送配電株式会社の協力のもと、電力インフラにおけるドローンポート「Skydio Dock for X10※1」を活用した自動巡視の実証実験(以下 本実証)に成功しました。効率化と省人化が求められる変電所や広範囲にわたる送電線・鉄塔といった重要インフラの点検には、高い専門性と多大な時間・労力を要しています。本実証では、関西電力送配電管内の変電所に設置された単一のドローンポートから「変電所内の対象物」と「送電線・鉄塔」という異なる環境・目的を持った飛行でも、無人巡視を実施することが可能であることが確認でき、今後のインフラ維持管理の効率化への貢献が期待されます。

<変電所内に設置されたSkydio Dock for X10>

<送電線を無人巡視するSkydio X10が撮影した画像>

1.背景

現在、電力インフラの維持管理においては、設備の安定稼働を確保するための点検・保全業務の複雑化が進む一方で、点検作業員の高齢化や人手不足が深刻な課題となっています。特に、変電所や広範囲にわたる送電線・鉄塔といった重要インフラの点検には、高い専門性と多大な時間・労力を要しており、効率化と省人化が求められています。また、近年多発する自然災害発生時には、設備の被災状況を迅速かつ安全に把握し、早期復旧につなげることが社会的な要請となっています。NTTドコモビジネスは、こうした社会課題の解決に貢献するため、ドローン技術とモバイル通信技術を融合させ、遠隔地からの高度な自動巡視を実現するソリューションの有効性を検証しました。

2.本実証の概要と結果

本実証は、単一のドローンポートからドローンが発着し、変電所内と送電線・鉄塔のそれぞれ異なる環境と目的を持つ飛行でも、スムーズに連続した無人巡視を実施できることを実証しました。複数日にまたがるフライトを通じ、以下の成果を確認しました。

(1) 変電所内における巡視の有効性確認

  • 自動飛行・撮影の実現
    高さの異なる位置に設置された計器類に対し、自動飛行および撮影を実施しました。複数回にわたる飛行の結果、計器などの対象物を正確に補足できていることを確認しました。
  • 安定した飛行と安全性の確保
    狭所における飛行においても、ドローンの障害物回避機能を活用し、安定した飛行を実現しました。さらに、当社の上空LTE通信と組み合わせることで通信に冗長性を持たせ、安全なフライトを可能にしました。
  • 昼間および夜間巡視の実現
    定期的な昼間の巡視に加え、夜間における状況把握も実施し、異常発生時など夜間における迅速かつ安全な情報収集に貢献する可能性が示されました。

(2) 送電線・鉄塔におけるレベル3.5無人巡視※2の実現

  • ドローンポートからのレベル3.5無人巡視の実施
    ドローンポートからの離発着を含めたレベル3.5の無人巡視を実施しました。これにより、現場に駆け付けることなく広範囲の状況把握が可能な技術の有効性を確認しました。
  • 安定した長距離通信
    目視外飛行に必須となる映像伝送においては、当社の上空LTEなどと組み合わせることで通信の冗長性を担保しました。往復約3kmの飛行経路においても通信は安定しており、明瞭な映像で状況を確認することができました。

<変電所を巡視するSkydio X10>

<変電所内を夜間巡視>

【本実証の様子(動画)】https://www.youtube.com/watch?v=CI9286hwCGg

<構成図>

3.今後の展開

NTTドコモビジネスは、本実証で得られた知見を活かし、電力インフラ事業者をはじめとするインフラ管理事業者に対してドローンポートを活用した高度な自動巡視ソリューションの提供を本格化してまいります。


「NTTコミュニケーションズ株式会社」は2025年7月1日に社名を「NTTドコモビジネス株式会社」に変更しました。私たちは、企業と地域が持続的に成長できる自律・分散・協調型社会を支える「産業・地域DXのプラットフォーマー」として、新たな価値を生み出し、豊かな社会の実現をめざします。

※1:Skydio Dock for X10とは、Skydio X10ドローン専用のドローンポートです。
遠隔地からのドローンの自動充電、飛行操作、リアルタイム映像確認を可能にします。
2025年6月より注文受付を開始いたしました。詳細については弊社営業担当にお問い合わせください。

※2:レベル3.5無人巡視とは、ドローンの目視外飛行に関する制度です。機上カメラで歩行者の有無を確認することで、補助者や看板の設置、一時停止などの立入管理措置を不要とし、効率的な飛行を可能にします。
詳細については以下をご覧ください。
国土交通省「ドローンのレベル3.5飛行制度の新設について」

本件に関するお問い合わせ先

プラットフォームサービス本部

5G&IoTサービス部

ドローンサービス部門


本件に関する報道機関からのお問い合わせ先

経営企画部 広報室

2025-R127

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