中村建設株式会社

導入事例

coomonitaが建設現場のDX化に貢献
近距離・遠距離、両方の現場で業務効率化につなげる

静岡県浜松市に本社を置き、各種大型施設の建設事業、住宅事業、土木事業、環境事業、新エネルギー事業など幅広い事業を手がける総合建築業の中村建設株式会社。昭和30年(1955)に創業し、地場で確かな信頼を獲得してきた同社では、浜松と鹿児島の2つの現場で弊社が提供するクラウド録画カメラサービス「coomonita(コーモニタ)」を採用している。

今回は導入を主導された総務部の宮本 隆さんにご導入までの経緯などを伺いつつ、両現場の担当者である建築部の太田竜矢さんと環境事業部の鈴木一孝さんに実際の運用状況と効果について話を聞いた。

作業工程を収めたタイムラプス映像を教育用資料に活用

——中村建設様には静岡県浜松市の現場と鹿児島県指宿市の現場の2カ所で、昨年から「coomonita(以下、コーモニタ)」をご利用いただいております。まずは宮本さんにご導入の経緯をお聞きしたいと思います。

宮本 隆さん(以下、宮本さん)

「最初はタイムラプス(微速度撮影)の機能がある録画カメラを探していました。できれば自動的にデータベースに上げてくれるようなものがいいと考えていたのですが、幾つかの商品やサービスを比較してみたところ、ほとんどがSDカードなどに記録されるものばかり……。そんな時に紹介されて知ったのがコーモニタでした。ちょうど現場担当者からも現場の様子を遠隔地から確認ができ、定点撮影ができるカメラが欲しいという要望が出ていたので、両方の目的が重なりました」

——コーモニタでは、カメラで撮影した映像から自動でタイムラプス映像を生成、保存する「オートタイムラプス」をオプション機能として提供しています。御社には「オートタイムラプス 360日プラン」と「データ無制限ダウンロードオプション」をご利用いただいておりますが、どうしてタイムラプス機能のある録画カメラが必要だったのでしょうか。

宮本さん

「タイムラプス映像を編集して新入社員の講習などに使う教育用の資料を作りたいと考えていたんですね。建設工事には、コンクリートの打設や鉄筋の組み立てなど、各現場で共通の作業があるので、定点映像を1分程度にまとめて見せることができたら、視覚的にわかりやすく教えることができるだろうと思っていました」

——具体的な運用状況については、この後に各現場の担当の方に伺いますが、実際に運用を始められて、どんなところが便利に感じましたか。

宮本さん

「個人的に便利だと感じたのは、資材の搬入状況が随時チェックできるところですね。特に浜松の現場は朝夕の出勤ラッシュが激しい主要道に面しているので、我々の作業によって渋滞ができないように資材搬入のタイミングを細かく管理しています。そのため、従来は入り口にずっと管理スタッフを置いておかなければならなかったのですが、現場事務所で状況が見られるようになり、搬入が難しいタイミングであればトラックの運転手に電話で事前に伝えられるようになったため、その必要がなくなりました」

——コーモニタのご導入後、追加でNTTドコモのhome 5Gルーターにもご契約いただいていますね。

宮本さん

「両現場とも光回線が引けない場所にあるため、より便利に使うために高速通信の環境が必要になりました。特に浜松の現場では当初はポケットWi-Fiで賄っていたものの、ひとつのカメラの映像を複数人のパソコンで同時に見ることもあるため、5Gが使えたらもっと快適に使えるなと。建設業にとって、通信環境の不足がDXの課題になることは少なくないので、電源ひとつで高速通信環境が作れる仕組みを併せて提案してもらえるのは心強いです。イントラで施工実績を伝える情報にコーモニタの映像を盛り込んでみたところ、別の現場からも使ってみたいという声が少しずつ上がってきています」

コーモニタの導入で毎日約1時間半の移動が削減。生産性が向上

——続いて、太田さんと鈴木さんに、それぞれご担当されている浜松と指宿の現場での運用状況について伺っていきたいと思います。はじめに太田さんが関わられている浜松の現場の状況からお願いします。

太田竜矢さん(以下、太田さん)

「私の現場である浜松学芸中学校・高等学校では昨年から新校舎の増設工事が進められており、私は現場監督として携わっています。現在は基礎工事の最中で、これまでに全体の15%ほどの作業が完了しました。現場と現場事務所が少し離れた位置にあり、事務所で現場の状況を把握できる手段が必要になっていました。現在は現場の北側に隣接する校舎の屋上にコーモニタのカメラを1台取り付け、事務所にいるスタッフ全員が各自のパソコンで映像を見られるようにしています」

——建設中の校舎から建設事務所までは500mほどの距離です。我々も歩いてみましたが、徒歩圏内であっても1日の移動の負担はだいぶ変わるものでしょうか。

太田さん

「そうですね。それくらいの距離であっても往復すると1回に15分程度かかります。従来の現場だと1日6往復くらいは行き来するので、この現場だと移動だけで毎日約1時間半を使うことになります。たとえば、これを1日2往復に減らせれば、浮いた1時間を別の作業に充てられ、結果的に生産性の向上にもつなげることができます。

もちろん車や自転車で移動すればもっと早いのですが、やはり事務所にいながら状況を把握できるのは便利ですね。所長はじめ、私以外の社員も現場に行くことがあるので、事務所全体で考えるとかなりの業務効率化になっています。特に都市部では、ここよりも現場と事務所が離れているケースは少なくないですから、もっと離れた現場ではさらに効果がありますね」

——鈴木さんが担当されている鹿児島の現場は、どのような状況でしょうか。

鈴木一孝さん(以下、鈴木さん)

「私は鹿児島県指宿市で進めている、地熱発電用の井戸を作るためのボーリング掘削の現場を統括しています。全体で約3,600平方メートル以上という現場になりますが、掘削の様子が見渡せる場所にコーモニタを1台設置しています」

——環境にやさしいZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の本社屋にも特徴が出ているように、「環境のリーティングカンパニーを目指す」というスローガンを掲げる御社において、太陽光発電や地熱発電などの新エネルギー事業は、現在肝煎りの事業ですよね。その中で、浜松から遠く離れた九州の現場ということで、コーモニタの設置はやはり監視の目的が大きかったのでしょうか。

鈴木さん

「「私は浜松の本社と指宿の現場にいることが半々くらいなので、浜松にいる間に現場の状況が把握できる手段が欲しかったのは確かで、実際にその目的で役立っています。一方で、今回の工事には国内で初めて導入される機械を使っているため、今後のための資料用に随時映像が記録できるカメラが必要だということもありました」

記録された映像を活用することで、業務報告や顧客とのコミュニケーションが楽に

——現場とのコミュニケーションの面はいかがでしょうか。

太田さん

「一定の部分をズームアップしても職人さんの手元が確認できるほど画質が良いので、これだけ大規模な工事であっても事務所にいながら一人一人の作業が把握できています。全体を俯瞰で把握できるという点では、実際に足を運んで現場の隅々を歩いて回るよりも便利かもしれません」

「そのため、一日の予定に対して思ったように作業が進んでいない時などには、現場に電話して画面で様子を見ながら情報共有が図れています。また、弊社にはないケースですが、万が一“ヘルメットを着けていない人がいる”、あるいは“法令で定められている玉掛けワイヤーロープの点検色が間違っている”といった場合に素早く注意ができ、私たちが最も心がけなければならない安心・安全の徹底にも役立っていると思います」

——離れた場所にいても、現場と同じ映像を見ながら話ができれば認識共有も早いですね。

太田さん

「そうですね。映像で状況報告できるという点でいうと、本社への定期報告の際も、今まで文章で報告していたようなことが、コーモニタに記録されている映像から必要部分のキャプチャーを切り出し、実際の様子を見せながら説明できるようになったので随分と楽になりました。また、施主様に工事の進捗を報告する際にも、コーモニタに映るリアルタイムの様子を見せながら、わかりやすい説明ができています」

鈴木さん

「ずっと前は電話とメールだけでした。そこからビジネスチャットなど写真でのやりとりができるようになり、今度はコーモニタの記録動画を使って状況が把握できるようになりました。映像なら、現場を知っている人間であれば大体のことが把握可能です。私の場合、短時間で現場に飛んで行くことはできませんから、特に掘削機械の組み立てや解体などの重要な工程の際や、通常のボーリング掘削時も含み何かトラブルがあった時のコミュニケーションでは非常に役立っていますね」

太田さん

「もうひとつの利用用途として、24時間撮影していて夜間の様子もしっかり映るので、昼は現場の記録、一方で夜間は防犯目的でも活躍してくれています」

進みゆく建設業のDX化に向けて

——御社の現場でコーモニタが役立っていることを知り、我々もとても嬉しいです。それでは再び宮本さんにお伺いします。昨今は建設業界でもIT技術の活用が進み、「建設DX」なる言葉も生まれています。業界に身を置かれる中でDX化の波を肌で感じることはありますか。

宮本さん

「少子高齢化の中で働ける人の確保が難しくなってきていますし、近い将来、さらにそれが顕著になることが予想されますから、保守的といわれる建設業界でも労働力不足を補完してくれるDXが進むのは当然の流れだと感じています。実際に大手ゼネコンの現場では、監視や測量にドローンの活用が始まっています。しかしながら中小企業まで、そうした機械を入れられるかというと、コストがネックになってくるでしょう。そこは費用と効果の兼ね合いを見ながら、自分たちのニーズ(操作が簡単で、効率的に作業が進められ、短時間で終り、正確に作業が進められる)に合ったものを選んでいくことになるのではないでしょうか」

——コーモニタでは定点カメラだけでなくウェアラブルタイプのカメラも用意しておりますので、ぜひ現場とのコミュニケーション効率化などに活用をご検討いただきたいです。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

最初はタイムラプス機能に魅力を感じて、コーモニタの導入に踏み切ったという中村建設。県を跨ぐような遠距離だけでなく、近距離であっても、現場までの往復の手間・時間短縮にコーモニタが活躍できる場面があるということがわかった。また、情報共有や報告が映像になったことで分かりやすくなった、手元から俯瞰までいろいろな角度で見られるという点は非常に参考になった。建設業でも進むDX。その中でも低価格で始められる手段として、コーモニタの導入を検討されてみてはいかがだろう。

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