Microsoft Teamsの動画配信(ライブイベント)機能とは
Microsoft Teams(以下Teams)を使って動画配信を行うには、「ライブイベント」という機能を活用します。ライブイベントとは、主催者もしくは主催者指名の発表者がライブ配信を行える機能です。
Microsoft Teamsのライブイベントには最大10,000名が参加できるため、社長講話やオールハンズミーティングといった全社員が参加するライブ配信に向いています。また、配信の内容は自動的に録画できる(=ストリーミング配信)ため、気になる箇所はあとから何度でも見返せます。
Web会議と異なる点は、双方向のコミュニケーションができないこと。Teamsのライブイベントは主催者側からのみの配信です。ただし、Q&A機能を使えば参加者がコメントを残せるため、簡易的な双方向性が生まれます。
動画配信機能の利用シーン
Teamsのライブイベント機能を活用することで、主に以下のようなシーンで動画配信を行えるようになります。
具体的にTeamsをどのように活用できるのか、シーン別に解説します。
社内広報
Teamsを使って動画配信をする場合、以下のようなシーンでライブイベント機能を活用できます。
- 代表からの年頭あいさつ・訓示
- 社長講話・幹部講和
- オールハンズミーティング
企業のトップがダイレクトにメッセージを伝えたいこれらの場面で、一般的なWeb会議システムでは参加できる人数が少なく、全社員が参加できないケースも珍しくありません。
しかし、最大10,000名が参加できるTeamsライブイベントなら、社長講話やオールハンズミーティングといった全社員が参加するような会議も問題なく開催できます。
また、参加者の数が10,000名を超える場合は、約10万人まで参加できるMicrosoft Streamを活用しましょう。
社内研修
Teamsのライブイベント機能は、以下のような社内研修にも活用できます。
- 新入社員向けオリエンテーション
- 営業研修
- コンプライアンス研修
こうした研修に外部から講師を招くとすると、特定の会場でしか研修を開くことができません。すると、複数の拠点がある企業の場合、一ヶ所の会場に参加者を集めなければならないでしょう。
その点、動画配信なら場所を気にせず開催でき、従業員も社内や自宅から参加できます。会場費や交通費を抑えられるのもメリットです。
社内イベント
Teamsのライブイベント機能は、社内イベントを開く際にも役立ちます。主に以下のようなシーンで、ライブイベント機能を使って動画配信が可能です。
こうしたイベントには社外から参加する人も多いため、コロナ禍においては感染症対策に配慮しなければなりません。ときには、やむを得ず開催を中止しなければいけないケースもあるでしょう。しかし、動画配信であれば、気兼ねなく社内イベントを開催できます。
お祝いごとのイベントでは参加者同士の一体感を出すために、視聴者同士が感情を共有できるような工夫、参加者の顔写真を使った映像演出なども一手です。
参加者の個人情報が表に出ないよう、プライバシーに配慮して動画配信を行いましょう。
Teamsで動画配信を行うメリット
Teamsライブイベントで動画配信を行うメリットは以下の通りです。
- 大人数で長時間ライブに参加できる
- 参加者が気軽に質問できる
- 予定表から簡単にスケジュールを組める
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
大人数で長時間ライブに参加できる
Teamsライブイベントの最大のメリットは、大人数で会議やイベントに参加できることです。ライブイベント機能は、最大10,000名が参加できる大規模な会議やイベントを、最長4時間のストリーミング配信によって実現します。もちろん、少人数のライブ配信にも対応しているため、中小企業から大企業まで幅広く活用可能です。
参加者が気軽に質問できる
Teamsライブイベントには「Q&A機能」が実装されています。本来ライブ配信は主催者側からの一方的な発信となるため、参加者はWeb会議のように発言ができません。しかし、Q&A機能があることで、コメントを使って質問や発言ができるようになります。
匿名でコメントできるのも特徴の一つです。発言者の名前が表示されないため、誰でも気軽に発信ができます。投稿したコメントは主催者側がすぐに確認できるため、参加者の疑問をリアルタイムで解消しやすいでしょう。
また、コメントに対する回答は「よくある質問」としてピン留めできます。これにより質問の重複を防げるほか、質問と回答内容を参加者全員で共有する際にも役立ちます。
【Teamsの使い方】動画配信を行う方法
ライブイベント機能を使って動画配信を行うためには、まずMicrosoft Teamsの公式ページからアプリをダウンロードします。クラウド版とデスクトップ版、モバイルアプリの3種類が用意されています。
Teamsアプリは無料で導入できますが、ライブイベントを立ち上げるにはMicrosoftの以下のプランでの契約が必要です。料金プランはMicrosoftの公式ページを確認してください。
- Office 365 Enterprise E1
- Office 365 Enterprise E3
- Office 365 Enterprise E5
- Office 365 A3
- Office 365 A5
Teamsのアプリを入手したら、さっそくライブイベント機能を使ってみましょう。ライブイベント機能を利用する手順は以下の通りです。
- 参加権限の設定
- 新しいライブイベントの作成
- 参加URLの取得・招待
- ライブイベント開催
手順ごとに使い方を詳しく解説します。
1. 参加権限の設定
ライブイベントを作成する前に、まずは参加権限の設定を行いましょう。
「Teams管理センター」にアクセスし、「会議 > ライブイベントのポリシー > スケジュールされたライブイベントに参加できるユーザー」の項目で「全員」を選択します。すると、動画配信をする際に誰でも会議に参加できるようになります。
2. 新しいライブイベントの作成
ライブイベントを作成するには、Teamsアプリのメニューから「予定表」を開きます。その画面の右上にある「新しい会議」の矢印マークをクリックし、「ライブイベント」を選択しましょう。
「新しいライブイベント」の画面で、タイトルや開催場所、開始時間などを設定します。
「ライブイベントのアクセス許可」の項目で、「組織全体」を選択してしまうとOffice 365アカウントを保有しているユーザーしか参加できなくなります。アカウントにかかわらず全ユーザーを参加させたい場合は、「パブリック」を選択してください。
設定完了後、画面右下の「スケジュール」をクリックします。
3. 参加URLの取得・招待
次に、「出席者のリンクを取得する」という項目をクリックしてリンクを取得します。このリンクURLをメールや会議通知などに貼り付けて、参加者を招待します。
これで、ライブイベントの設定はすべて完了です。
4.ライブイベント開催
ライブイベントの開催当日は、Teamsの予定表にあるライブイベントをクリックするか、参加URLをクリックすることで会場にアクセスできます。あらかじめプレビューでカメラやマイクのチェックをした後、「スタート」をクリックすると動画配信が開始されます。
Teamsで動画配信を行うときの注意点
できるだけスムーズに動画配信を行えるように、Teamsライブイベントの注意点についても紹介します。事前に対策を立てておくと、より良い配信・視聴環境が構築できるでしょう。
機密情報の社外流出に注意する
会社説明会や取引先を交えたプレゼンなど、社外向けに動画配信を行う場合、機密情報が流出してしまう可能性が考えられます。社外秘の情報を誤って漏らしてしまわないよう、アップロードする資料や伝える情報をあらかじめ精査しておくことが大切です。
また、参加者の情報についても事前に確認しておきましょう。
事前に役割を明確にしておく
Teamsライブイベントは、役割ごとに機能の制限が設けられています。スムーズに配信を進行できるよう、事前に役割を明確にしておくようにしましょう。運営側には「開催者・プロデューサー・発表者」、参加者には「出席者」という役割を設定できます。
- 開催者:
スケジュール設定、出席者のアクセス許可・招待、オプション設定などを担当
- プロデューサー:
ライブイベントの開始・停止、出席者への動画共有などを担当
- 発表者:
ライブイベント内での発表、必要な画面の表示、Q&Aへの対応などを担当
- 出席者:
参加者はすべて出席者に分類
それぞれの役割と機能制限が正しく設定されているか、イベント前によく確認しておくことが大切です。
配信を終了すると同じ放送は再開できない
Teamsのライブイベント機能は、配信を一度終了すると同じ放送を再開できなくなります。再開したいときは改めてライブイベントを立ち上げなければならず、手間がかかるので注意が必要です。
事前に会議やイベントに使用する資料をアップロードしておくと、トラブルで配信が終了した際でも参加者が内容を確認しやすくなります。
また、途中で配信が終了してしまわないように、ネットワーク環境を増強することも大切です。
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Microsoft Teamsのライブ配信は、参加できる人数が多いことが大きなメリットです。しかし、参加者の人数が多いほどネットワークが不安定になり(帯域不足)、動画が固まる、音声がずれる、通信が遮断されて他業務に支障が出るといった問題が発生しやすくなります。
Teamsでよりスムーズに動画配信をするなら、「eCDN(enterprise Contents Delivery Network)」という技術の活用が有効です。
帯域不足の問題を解消するには、ネットワーク回線を増設する方法が一般的ですが、導入までに数ヶ月の期間が必要なうえ、ピーク時以外には容量が無駄になってしまう可能性があります。
その点、eCDNは回線の増設を行わず、帯域幅を小さくすることでトラフィックを効率的に活用できるため、容量を無駄にすることなくTeamsライブイベントを快適に視聴できるようになります。既存のインフラを活用することから、導入までの期間も早ければ1~2週間程度というスピード感です。
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- Microsoft Teams ライブイベントを利用している場合は、設定内容をほとんど変更せずに導入可能
- 既存のインフラを活用するため、インターネット回線の増設に比べて低コスト&導入期間が短い
- 日本語でのサポート体制が充実
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