FIREにおける4つの形とは?実現のために必要な「資産寿命」を考えよう

FIREにおける4つの形とは?実現のために必要な「資産寿命」を考えよう

公開日:2022/12/21

アメリカで誕生したFIREムーブメントですが、日本においてもその言葉が浸透してきました。
日本政府が副業を後押しし*1、個人が理想とする働き方を実現できる環境が整ってきたことも要因の一つです。
しかしFIREには様々な形があり、漠然と目指しているだけでは達成が困難です。
それぞれを理解し、自分の理想の形を知ること、必要な資産額を知ることが目標達成のために重要となります。

FIREと早期リタイアの違い

FIREとは“Financial Independence, Retire Early”のことで、「経済的自立」と「早期リタイア」を意味します*2。

これら2つが伴って初めてFIREと言えます。したがって、給料を充分に稼いだことで、老後の生活費が賄える状態になったため、定年前に退職することはFIREではありません。
なぜなら、この状態では退職後に収入源が無くなるため「経済的自立」を達成していないからです。

「経済的自立」とは不動産所得、配当所得、投資資産の取り崩しなどで生活費が賄える状態を指します。つまり、働かなくても資産をできるだけ減らさずに生活できる状態です。

この「経済的自立」を達成し、「早期リタイア」の道を選択することがFIREとなります。

FIREの基本となる4%ルール

FIREを達成するための基準となる資産額の考え方に「4%ルール」があります。

4%ルールとは、1998年にアメリカのトリニティ大学の教授たちによって考案された方法であり、退職後の資金をどのように運用すると、どれだけ資産が持続するかについてなされた研究です。
この研究はトリニティスタディと呼ばれています。

トリニティスタディによると、資産の50%をS&P500に連動した株式、残りの50%を債券に投資し、毎年当初の資産額の4%を取り崩すことが最も幅広い世代に適しているという結論を出しています*3。
この通りに運用していると、1926年から1995年の間のどの30年を切り取っても95%の確率で資産が残るという結果です*4。

この研究より、資産の4%で一年間の生活費を賄えると、30年間は資産が尽きる可能性が低いと言えます。
この4%という数字から逆算すると、一年間の生活費の25倍の資産があれば4%ルールによって30年程の生活費が賄えます。したがって、生活費の25倍の資産がFIREを達成するための一つの目安です。

資産寿命を延ばすために

トリニティスタディのように一年間の生活費の25倍を得ることがFIREを達成する一つの目安ですが、これはあくまで過去の検証です。
未来の経済状況は誰も予測できないため、例外も起こり得ます。そもそも、5%の確率で資産を取り崩してから30年後には資産が尽きてしまいます。

そのため、FIREを達成するためには資産寿命を延ばすという考え方も重要です。資産寿命とは、現在の資産がゼロになるまでの期間を指します*5。
例えば総資産4,000万円を毎月20万円取り崩すと200ヶ月(16年8カ月)で資産がゼロになります。この200ヶ月が資産寿命です。

この資産寿命を延ばすことが経済的自立に繋がります。
では、資産寿命を延ばすためにはどのような手段があるのでしょうか。

不動産所得

不動産所得とは、主に土地や建物を貸し付けた際の家賃収入を指します*6。
初期投資として土地や物件の購入費用、中古物件を購入後のリフォーム費用などがありますが、入居者が見つかれば家賃収入を得ることができます。
それによって毎月の収入を得ることができ、資産寿命を延ばすことや自分の生活費に充てることが可能です。
また、将来の土地の値段や建物の価値が上昇した際、売却することで売却益を得ることができる可能性もあります。
気を付けるべき点としては、想定外の管理費用や空室リスクがあることです。

配当所得

配当金を設定している株式や債券を保有することも、資産寿命を延ばすことに繋がります。
株価が100万円で4%の銘柄を保有すると、年間で約4万円の配当所得を得ることができます。
不動産と同様、最終的に株や債券を売却する際、購入時より株価が上昇していると今までの配当所得に加えて売却益も得ることが可能です。
しかし、株式おいては株価の下落リスクも考慮しないといけません。また、配当所得や譲渡所得には利益に対して20.315%の税金がかかることも知っておかなくてはいけません。

FIREにおける4つの形

ここまでは、FIREの定義や達成するための資産の考え方を解説してきました。
FIREは大きく4つの形があり、自分がどのFIREを目指すかによって必要な資産額も変わってきます。

ファットFIRE

ファットFIREとは不動産所得や配当所得、4%ルールの取り崩しなどの資産収入のみで、生活費と贅沢費の両方を賄うことのできる状態です。英語のFat(豊かな)という意味から名づけられています。
2021年における二人以上世帯の月平均支出額が235,120円のため*8、一年間に換算すると約282万円です。この25倍は7,050万円のため、4%ルールを参考にすると7,050万円あれば生活費を賄うことができます。
さらに不動産所得や配当所得でぜいたく費に充てることができたら、ファットFIREを達成したと言えます。
もちろん、資産の取り崩しを生活費、その他所得をぜいたく費と分ける必要はなく、労働収入を得ずにぜいたくできる環境であればファットFIRE達成です。

リーンFIRE

リーンFIREはファットFIREと同様に資産収入のみで生活できる状態です。ファットFIREとの違いはぜいたくをせずに、倹約に努める点です。英語のLean(無駄がない)という意味から名づけられました。
例えば一年間の生活費を250万円に抑えたとすると、その額を資産の取り崩しや資産収入で賄える状態のことを指します。

コーストFIRE

コーストFIREとは、資産収入のみで通常の生活費は賄えるが、自ら選択して仕事もする状態です。英語のCoast(海岸)という単語から、のんびりとしたイメージから名づけられています。
先述の世帯平均である年間約282万円は資産収入で賄い、ぜいたく費を労働収入で賄うといった生活スタイルです。

バリスタFIRE

バリスタFIREはサイドFIREとも言われます。資産収入に加えて、労働収入を得て生活する状態です。この時の労働は週5日フルタイムで働くのではなく、時間を短縮したり、週2日に働く日を減らしたりすることが条件です。フルタイムで働くことは決して経済的自立しているとは言えません。
ここでも年間の生活費が282万円であるケースを考えてみましょう。この時、資産が5000万円あるとすると、4%ルールによって年間の生活費が200万円であればコーストFIREなどが視野に入ります。
しかし、実際は年間82万円の不足が発生します。この不足分を少しの労働で賄う状態がバリスタFIREです。
資産収入以外の少し足りない生活費を、バリスタとして働いで稼ぐ生活のイメージから、バリスタFIREと名付けられています。

まとめ

今回はFIREを達成するための考え方から、FIREの4つの形を紹介しました。漠然とFIREしたいと考えているだけでは、FIREを実現することは難しいでしょう。
自分がどのような生活スタイルを理想とするのか、そのために生活費はどのくらい必要なのかを把握しなくてはいけません。
そして、資産寿命を延ばす方法を選択・実行し、理想の人生を実現させましょう。

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この記事を書いた人

田中 凌平

FP2級、AFP、証券外務員一種保持。
主に金融系の記事を執筆し、読者のマネーリテラシー向上に努める。
一般的な税金の知識から、経済ネタ、住宅関係と幅広く発信

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