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DXとは何か?経済産業省の定義から活用事例まで徹底解説

DXとは何か?経済産業省の定義から活用事例まで徹底解説

公開日:2022/05/06

DXという言葉を最近よく耳にするものの、まだ理解できていない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、日本にも浸透しつつあるDXについて詳しく解説いたします。経済産業省の定義から活用事例まで徹底解説するため、今一度把握しておきましょう。

そもそもDXとは

DXとは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称です。「進化したデジタル技術を活用し、ビジネスだけでなく人々の生活をより良い状態へ変革する」といった概念になります。 「Digital Transformation」の直訳はデジタル変換という意味になるものの、「変革」と定義されているところがポイントです。近年のIT技術における進化により、日常生活の身近なものが便利で過ごしやすい状態へ変化しています。 例えば、銀行口座の開設や振込・振替といった取引は、オンライン上で全て完結できるネットバンキングへと変革しました。映画や新幹線のチケットなども、オンラインシステムの導入により手軽に購入できます。 現在、DXは日本でもビジネス用語として定着してきており、経済産業省はDX推進を企業に強く呼びかけています。

済産業省が定義するDXの意味

経済産業省ではDXの意味として 「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」 と定義されています。 企業におけるデジタルツールの導入はDXとは言いません。データ・デジタル技術は、変革のための「手段」とされています。

デジタル化との違い

デジタル化は業務効率化、DXは企業の競争力向上が目的とされている点に違いがあります。一般的にデジタル化は、アナログからデジタルへ置き換えられたツールといった解釈です。 例えば、電話やFAX、書類などは、メールやチャット、ビデオ会議システムに置き換えられています。つまり、物理世界で行われている業務フローをオンラインへ移行させたサービスがデジタル化です。 対してDXは、データとデジタル技術を手段として用いたビジネスモデルの変革です。人々に新たな価値を提供し競争優位を確立させ、企業競争力のアップを図り生産性の向上を高めます。

注目される理由

新型コロナウイルスの感染拡大により、急速に必要性が高まり始めたDXは、国内だけでなく海外にも大きな変化を及ぼしました。ここでは、DXが注目される理由について解説します。

2025年の崖

DX推進に関して日本は海外に比べ、出遅れています。経済産業省は日本企業の現状に危機感を抱き、2018年に「2025年の崖」という課題が「DXレポート」にて発表されました。 今後「DXが進まない場合は2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と警鐘を鳴らしており、多くの企業に対し早期対策が望まれています。 また「2025年までの間にDXが実現すれば、2030年は実質GDP130兆円超の押上げができる」とも予測されています。

国によるDX推進の支援政策

経済産業省から発表された「DXレポート」の指摘により、国による企業へのDX推進支援政策が始まりました。代表的な制度は「DX認定制度」と「IT導入補助金」の2種類です。 DX認定制度では、DXへの取り組みを行う優良企業と国から認定されます。DX実現のため必要な情報整理を行えるため、経営コミットを得られるのが利点です。 IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者がITツール導入の際に利用できる制度となります。利用することにより、業務効率化・売上アップのサポートとなるでしょう。 デジタル技術の進化に伴い、さまざまな業種が新製品やサービス・ビジネスモデルを展開しています。DXに取り組みを見せる新規参入企業は増えており、時代の流れによって多くの企業が必要性に迫られているのが現状です。 日本企業においては、如何に急速にDXを進めていくかが重要となるものの、そこには大きな課題がのしかかっています。

DXと日本企業が抱える課題

必要に迫られているDXの取り組みについて、会社の組織改革を含めて「従来のビジネスを全体的に大きく変化させるのは難しい」と感じている企業は多いでしょう。

変革が必要であっても方法がわからない

DX推進において新たなデジタル技術の活用と、ビジネス改革の経営戦略は必要不可欠です。DXの必要性に関しては広く認識されつつあるものの、未だ具体的な方向性が定まっていない企業が大多数を占めています。 まずは、DX推進の目的を明確にし適切な進め方を考え、取り組むと決めることが大切です。しっかりと目的が定まれば、DXの取り組みも自然に進められるでしょう。

データがあっても活用方法がない

データが大量にあったとしても、AI自体に革新的なアイデアが搭載されている訳ではないため、DX人材が必要です。テクノロジーを扱えるスタッフのみでDXが上手くいく確証はありません。 そのためDX人材が必要となるものの、DX推進を担当できる人材不足が大きな課題となっています。DX推進に必要な人材としてあてはまるのは、以下の職種です。

  • ビジネスデザイナー
  • アーキテクト
  • データサイエンティスト、AIエンジニア
  • UXデザイナー
  • エンジニア、プログラマー

人材不足を改善するためには、DX推進を経営層が全社的な経営課題として取り上げていくことが重要です。しかし、ここでさらに別の課題が浮上します。

現場と経営層の認識が違う

現場と経営層のDXにおける認識違いは、企業の課題となっています。特に大企業は一人一人の業務が細分化されており、現場と経営層の認識違いに気づきにくいのが現状です。 認識の相違について改善させるには、経営層側の役割を遂行しつつ現場とのコミュニケーション密度を高める必要があります。変革を生み出し続ける組織作りには、縦だけでなく横のつながりを強化させることが重要です。

DXとIT化の違い

DXとIT化は混同されがちであるものの、大きく異なります。ここからは、DXとIT化の違いについて解説します。

DXはプロセス、IT化は生産性に影響を与える

DXはデジタル技術を活用し、業務プロセスやプロダクト・サービス、事業・経営を変革させることが「目的」です。つまり、IT化は、製品・サービス・ビジネスモデルの改革を進めるための「手段」としています。 IT化は、既存の業務効率化を目指し情報やデジタル化を進めなければ、生産性に影響を与えるのが特徴です。

対応には経営層の協力が必要

DX推進のために経営層の協力は必要不可欠です。組織層の協力が得られなければ、DX推進は行えません。まず、経営層の意識改革が改善策として必要になります。 成功企業となるためには、経営のトップがDXによってどのような価値を生み出し、ビジネスを変革していくかを明確にすることが重要です。

人材育成に課題があるのはどちらも共通

DXだけでなくIT化においても、人材育成に関する課題は共通です。特に日本企業においてはITリテラシーの低さから、人材育成が重要課題となっています。組織内の講習をはじめ、スキル学習の機会を増やす取り組みが必要です。また、ITスキル獲得後に実践できる場も求められています。 しかし多くの企業は、IT企業への外注に依存する傾向にあり、DX実現のために必要な人材不足が起きているのが実情です。システムの内製化が進まないため、新しいアイデアが生まれたとしても反映までに時間がかかります。そのためDXの実現には、チームや組織はもちろんIT人材の育成も重要です。

DXとAIの関係性とは

DXとAIの関係性を一言でいうと、AIはDX実現を導くために必要な技術であり「手段」のひとつです。ここではAIの役割や効果、どのようにDXで活用できるのか事例も併せて解説します。

AIの役割と効果

AI(Artificial Intelligence)は人工知能を持つコンピューターであり、人間の脳と同じく大切な役割を持っています。AIに期待される効果は、人間が行う知能活動の支援や代替です。主に「状況認識」「将来予測」「意思決定」「新規創造」の支援が注目されています。

状況認識

状況認識は最も普及しているAIで、中でも画像異常検知は優秀です。画像処理の過程で画像や動画より情報を抽出し、変化や異常を検知できます。また、AIが動画撮影から機械の動向を見て、正常か異常かを判別することも可能です。

将来予測

将来予測はAIが真の力を発揮できる分野で、機械により過去を学習し将来を予測します。近年は複数のデータソースとアルゴリズムを組み合わせ、予測精度を高めるための研究が進んでいる状態です。また、予測値だけでなく予測の分布も出せるため、さまざまな示唆が獲得できます。

意思決定

意思決定は、AIを利用するにあたって新たな広がりを見せている分野です。たとえばエアラインサービスでは、強化学習を用いて顧客や他社の状況変化に追従し、最適な推奨値を自動で算出して個人別価格を提示できます。 AIによる意思決定の支援により、収益率の向上だけでなくプロセスの自動化から、動的な価格変更が可能になりました。

新規創造

新規創造はAIの利用に、未だ困難な分野と言われています。近年取り入れられているAIは、自動車事故の未然防止を目的とした事故予測モデルです。車載端末に搭載しAIが異常を検知・検出した場合、ドライバーへ警告を発します。 従来の技術と比較するとコンパクト・軽量化されており、高速エンジンで車載端末でも十分稼働できる点が特徴的です。 近年DXの中で果たすAIの役割は、急速に重要性が高まっていることを認識しておきましょう。

AIはDXに活用できる

DXはデジタル技術に限らず、データの利活用も重要視されています。日本でも商品開発はもちろん、マーケティング、人材育成、サプライチェーンなどで、すでに活用されているのが現状です。多くの企業は膨大に収集されたデータを活用し、AIを用いて競争優位性を確立しています。

AIのDX活用事例

ここでは、AIの代表的なDX活用事例を3つ紹介します

Google Home

人々の生活を変革させた代表的な活用事例は、Googleの開発により誕生したスマートスピーカーの「Google Home」です。インターネットに接続されたスピーカーで、人の言葉を認識し質問や要望に答えてくれます。 「Google Home」は、さらに有名なAIである「Googleアシスタント」も搭載されており、利用者の声を認識し使用すればするほど学習していくのが特徴です。ハンズフリーで使えて便利なため、AIスピーカーにおいて2018年から2023年までに予測される平均成長率は、約31%と予測されています。

Uber

Uberは、2014年より経路検索エンジン「Grafu」にAIを取り入れました。相乗りサービスとして活用が開始された「Grafu」は、スマホでUberアプリから行きたい場所を指定し配車を希望できます。 行き先の情報は事前にドライバーへ伝わっているため、到着した自動車に乗車すると目的地へスムーズに向かえる点が魅力です。乗車料金もUberアプリを通じた決済となり、目的地に着いた際も金銭のやり取りは必要ありません。 近年では、自動車以外のボートやヘリコプター、バイクによる配送サービスも開始しています。

医療

医療領域においても診療録や看護記録、リハ記録の要約や解析など、AIが活用されています。他にもAIによる問診、症状や病気に応じた検査、処方薬の推奨、心電図、パルスオキシメータ信号解析による急変予測等も取り入れられています。 近年、多くの病院が新型コロナウイルス感染症対策として、カメラ映像とサーモグラフィー映像の解析により外来患者の体温を検出するAIを活用中です。AIが外来患者の発熱を知らせるため、感染経路遮断に役立っています。

自治体から官民一体までのDX活用事例

自治体や民間企業、官民一体のDX活用事例を紹介します。それぞれの取り組みを見ていきましょう。

自治体のDX先進事例

最初に自治体のDX先進事例を解説していきます。

愛媛県

愛媛県は早い段階でDX推進に取り組んでいる自治体で、2018年に「プロモーション戦略室」を設立しています。デジタルマーケティングに特化しており、インバウンドやサイクリストへの誘い入れや、動画を利用した愛媛の特産品販売活動により大きな成果をあげています。 2020年には部署名を「デジタル戦略室」に改名し、さらにDX推進に特化した官民共創デジタルプラットフォーム「エールラボえひめ」をAWSにて構築済みです。愛媛県のDXにおける旗振り役として「デジタルシフト推進課」が現在もDX実現に向けて邁進しています。

東京都三鷹市

東京都三鷹市では、デジタル事業の施策は行っていたものの、DX推進するための大きな軸はありませんでした。しかし、三鷹市は2020年よりDX推進を本格化させるため、「みらいをつくる三鷹デジタル社会ビジョン政策」を打ち出します。 今後のDX実現へ向けてのビジョンを確立したところ、やるべきことの明確化に成功しました。現在では保育所の入所手続きにRPA(本来人がパソコンで行う定型作業の自動化ツール)やAI、QCR(手書き・FAX文字をテキストデータ化させるツール)を活用し、約40%ほどの大幅な業務効率化の実現に向けて邁進中です。 さらにチャットボットを導入し、市民から行政へのさまざまな質問に対応するサービスも提供しています。人々の生活を豊かにするため、駅前に公衆Wi-Fiを設置するといった取り組みも実施中です。

大阪府豊中市

大阪府豊中市では「とよなかデジタル・ガバメント宣言」を発表し、庁内外に対し市長が自らDX推進への意気込みを表しました。さらに、DX実現の施策として「とよなかデジタル・ガバメント戦略」を策定し、暮らしやサービス、学び・教育、仕事・働き方においてデジタル技術を活用し、大きな変革を決定しています。 また人材育成に関しても着目しており、DXセミナーを開催したりITベンダーとの包括契約を締結したりなど、積極的な取り組みを見せています。

民間企業のDX先進事例

民間企業におけるDX先進事例を解説いたします。

株式会社NISSY

株式会社NISSYOは主に変圧器の製造を手掛けている中小企業です。国内においてはいち早くDX推進に取り組み、業務のデジタル化を実現させたことで注目を集めています。作業者一人につき1台のiPadが渡されており、設計図に紙は使用していません。 QRコードを読み込むだけで、作業に必要な手順書が出力される仕組みです。新入社員やベテランを問わず、同品質の製品が作れるように工程がマニュアル化されているため、常に高水準の品質を保てます。

株式会社エディオン

国内大手の家電量販店である株式会社エディオンも、DX施策を積極的に取り入れています。店頭に陳列されている商品の棚札は電子化されており、価格変更は本部からシステムを使い価格入力するだけで、全店舗に反映される体制を構築中です。 もちろん地域や店舗ごとの変更も可能なため、汎用性の高いシステムといえるでしょう。

株式会社あきんどスシロー

回転寿司のチェーン店として有名な株式会社あきんどスシローは、DX推進による社内コミュニケーションの改善を図っています。コミュニケーションの分離により、重要事項の伝達遅延や通知漏れは発生しやすいものの、グループウェアを導入し問題の解消に向けて邁進中です。 スシローはITに特化した企業ではないため、誰でも簡単に使えるツールの導入が重要視されました。また、メンテナンス不要のクラウド型サービスも導入し、コミュニケーションの円滑化だけでなく維持管理といった利便性の向上も実現させています。

官民一体の先進事例

官民一体の先進事例を解説していきます。

兵庫県神戸市×サイボウズ

兵庫県神戸市は、民間企業「サイボウズ」と連携し「kintone(キントーン)」を導入しています。kintoneは、仕事に合わせて自由にカスタマイズできる業務改善プラットフォームです。 kintoneの導入によりペーパーレス化の実現だけでなく、脱FAXや紙文書の回覧、押印、紙資料からコンピューターへの転記などの手作業が不要となりました。また、人為的ミスの削減により業務効率の向上も得られています。

大阪府×NEC

大阪府は、民間企業「NEC」との連携によりAIチャットボット「NEC自動応答」を導入しました。新型コロナウイルス感染者が発生した際、感染者との濃厚接触者を追跡できる「大阪コロナ追跡システム」への応答を自動化しています。 従来の大阪府ホームページのFAQとAIチャットボットの組み合わせにより、電話による府民からの問い合わせを99.5%削減させることに成功しています。

愛媛県×楽天

愛媛県は、民間企業「楽天」と連携し、デジタルマーケティング事業をはじめデジタルデバイド対策にも取り組みを見せています。2020年6月に楽天市場へ「愛媛百貨店」を出店しました。 愛媛百貨店は県産品販売サイトであり、販促キャンペーン実施により前年同期の3.6倍となる1億円以上の売上に成功しています。さらに「楽天シニア」と協働し、県内の高齢者を対象にスマホ教室も開催されており、シニア世代のアナログからデジタルへのシフトも支援中です。

まとめ

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