徳島県立海部病院
地域医療を支える中核病院として全国初のコンソーシアム型医療MaaSを推進
Starlink Businessによる遠隔医療を実現!
徳島県立海部病院
院長
影治 照喜氏
課題
医療MaaS事業実現に向けた通信環境の確立
徳島県立海部病院は、徳島県南部の地域医療を支える中核病院であり、災害拠点病院として、広大な医療圏を支えている。この地域では急激に過疎化が進み、公共交通機関が衰退、そして医師・医療機関の不足といった社会課題を抱えている。そんな厳しい現実を抱えるこの地域を「課題先進地」から「解決先進地」へ変えたいという思いから、海部・那賀ヘルスケアモビリティープロジェクト推進協議会を発足し、全国初のコンソーシアム型医療MaaSを推進。
通信機器を搭載した専用の医療MaaS車輛により、病院や診療所から離れた集会所や患者宅付近まで訪問し、現地でオンライン診療を実施するなど、自治体と複数の医療機関が連携し、支え合うことで幅広い地域への医療提供を実現している。
(影治氏)「我々の地域では、病院も少なくカバーする範囲が広い、そのため病院に来ることも難しい人々も多い、そういった方々に医療サービスを届けるために医療MaaSを推進してきました。
通信キャリアの電波を活用し、オンライン診療などの遠隔医療を行ってきましたが、我々の医療圏では、広大かつ中山間地域を多く抱えており、携帯電話の電波が入らない地域や不安定な地域(不感地帯)が存在しています。
医療MaaS事業の性質上、そのような地域こそニーズが大きいと考えておりましたが、遠隔医療の実現のためには、インフラともいえる通信環境をどのように確立するかが課題でした。」
対策
Starlink Businessで不感地帯への通信環境の構築
(影治氏)「携帯電話の電波が届かない地域に医療を届けるために、通信衛星を利用した環境構築などを検討しましたが、映像によるオンライン診療を行うためには、通信が行えるというだけではだめで、通信速度面も非常に重要でした。その中で選択肢として上がったのが“Starlink Business”です。
不感地帯での通信環境確立のためには、Starlink以外の選択はないと感じ、導入に向けた検討に入りました。」
“Starlink“は数千基の低軌道衛星により、高速・低遅延のインターネット接続を実現する、衛星インターネット通信サービスで、日本国内はもちろんのこと、世界中で利用をすることができる。
ご利用に応じてさまざまなソリューションと組み合わせることで、ご利用に合った環境の構築が可能。
(影治氏)「我々の推進するコンソーシアム型医療MaaSでの運用を実現するためには、さまざまな病院が利用できること、実際に運用を行う医療従事者(看護師など)が利用できること、などが必須条件として挙げられます。そうすると毎回、Starlinkをセットアップするというのは現実的ではなく、設置や設定の不要な車載型を提供する“Starlink Businessの車載ソリューション”が候補に挙がりました。また、場所によっては既存の通信キャリアでの利用もあるため、これらの切り替えが容易にできる環境を構築する必要がありました。」
徳島県立海部病院は“Starlink Business”の車載により、設定作業を不要にするとともに、既存のマルチキャリアルーターとのスイッチング機能を備えたソリューションを導入することで、これらの課題を解決し導入に至った。
効果
携帯電話がつながらない不感地帯でのオンライン診療の実現
(影治氏)「“Starlink Business”の導入により、携帯電話の電波では圏外だった地域でも、安定したオンライン診療が可能になりました。スイッチング機器とマルチキャリアルーターを組み合わせたソリューションはとても利便性が高く、医療従事者でも簡単に扱えることが大きな魅力です。
モバイルキャリアの電波が入らないエリアがある様に、環境によってはStarlinkの電波がキャッチしにくい場所もありますが、接続を切り替え使い分けることで通信ではほとんど困ったことがありません。実際の診療では、医療MaaS車輛と院内を大画面モニターでつなぎリアルタイムで診療を行います。患者さまの状態をより正確に把握するため、必要に応じて映像を拡大しながら確認しますが、画質は非常に鮮明で、細かな表情や患部の様子までしっかりと捉えることが可能です。さらに心電図データや聴診器の音もリアルタイムで医師へ共有されるため、対面診療と変わらない精度で診療を実施することができます。
はじめて遠隔診療を受信された患者さまとご家族の方からは、病院の先生や医療スタッフが家の近くまで来てくれて診療を受けられることを喜んでいただき、“人生で一番うれしかった”といった大変うれしい言葉をいただき、我々としてもモチベーションが上がりました。地域の住民の方々からも訪問診療を希望する言葉を多くいただいており、この言葉が私たちの原動力となっています。」
徳島県立海部病院の影治氏は、今回のソリューションについて、海部・那賀地域のみならず、全県的、全国的に広がるべき一つのモデルケースになると話す。
(影治氏)「医療MaaSの推進により、これまでの“待つ医療”から“届ける医療”へと大きく変化しました。“Starlink Business”を車載した今回の医療MaaS車輌には、平時の活躍はもちろん、当院のもう一つの使命である災害拠点病院として、威力を発揮する構成になったのではないかと思います。
この医療MaaS車輛を活用した、コンソーシアム型医療MaaSの取り組みが、遠隔医療の一つのモデルケースになることを期待して、今日も山奥から海辺まで、医療を必要とする方のもとへ走り続けています。」
徳島県立海部病院
事業概要
昭和38年の開院以来60年以上にわたり、徳島県県南地域の拠点病院として、急性期医療や救急医療、在宅診療など、地域の皆さまに寄り添う医療の提供に取り組む。地域の医療ニーズに応えるため、全国初コンソーシアム型医療MaaSを推進し、オンライン診療機能を備えた「医療MaaS車輛」で、地域に出向き、診療を行う。
(PDF形式/1.5 MB)
(掲載内容は2026年2月現在のものです)
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