1.災害時の安否確認は電話だけに頼らないほうが良い
日本でビジネスをする限り、地震などの災害被害を完全に回避することはできません。たとえ中小企業であっても、不測の事態に備えてBCP(事業継続計画)を策定しておくべきでしょう。
BCP対策で最初に取り組むべき課題が、従業員の安否確認です。従業員の安全が確認でき、仕事ができる状態なのか否かが確認できなければ、スムーズに業務を再開することはできません。
従業員の安否確認の方法として、電話を用いた連絡網を用意している企業もあるかもしれません。しかし、災害直後は電話がつながりにくくなり、従業員数によっては対応する担当者に非常に大きな負担がかかってしまいます。Eメールも電話と同様に災害時にはEメールの送受信数が増えるため、サーバーの処理が追い付かず、送受信のタイムラグが生まれる可能性があります。
中にはSNSで安否確認を行うという企業もあるかもしれませんが、プライベートのアカウントを会社に教えたくない従業員もいますし、この方法でも電話やメールと同様に、担当者の集計の手間という点が課題になります。
2.安否確認は専用のツールを使ってスムーズに処理しよう
最近ではBCP対策の一環として、災害時の安否確認をスムーズかつ確実に行う専用ツールが各社からリリースされています。今回は、ドコモが提供する「SMS一斉連絡サービス」と「Biz安否確認 一斉通報 for ビジネスプラス」という、二つのサービスを例に紹介します。
「SMS一斉連絡サービス」は、携帯電話のSMS(ショートメッセージサービス)を使用して、従業員の安全状況を確認し、従業員と情報の共有を可能にするサービスです。アドレス変更が多いメールと比べて、電話番号は変更頻度が低いため、到達率が高い点がメリットとなります。
メッセージを送信する場合は、インターネット接続環境下で、かつ受け取り側の電話番号がわかれば、どこからでも一斉配信が可能となります。メッセージを受信した従業員は、そのメッセージに従って返信します。送信・返信確認、返信内容の結果は、リアルタイムで集計。圏外・電池切れも含み未返信者には、メッセージを繰り返し自動再送信します。受信者側の事前設定の必要はなく、海外でも受信可能です。

もうひとつの「Biz安否確認 一斉通報 for ビジネスプラス」は、災害発生時に自動一斉メール送信やアプリで安否確認を行うサービスです。こちらも、担当者がすぐに従業員の安否を確認できるよう、回答は自動で集計されます。
安否確認のほかにも、登録対象者に向けて設定された日時に回答フォームを一斉通報(予約配信)することができます。一斉通報では出社の可否、健康状態チェック、日報登録など、複数の項目を並行して確認することができます。料金は10アカウントで年13,200円(税込み)で、月額にすると1アカウント110円で開始することが可能です。初期費用は無料となっています。
すでにBCP策定を定めている企業もあるかもしれませんが、たとえBCPが用意できていたとしても、有事の際に確実に機能できなければ意味がありません。もし自社のBCP対策がおぼつかないのであれば、今回紹介したようなサービスを検討してみてはいかがでしょうか。