
固定IPアドレスとは?プロバイダで取得して設定する方法
企業がコンピューターネットワークを使って事業を行っていく上で、固定IPアドレスは必須といえます。企業が社外へ公開しているサーバー(例えばWebサーバーやファイルサーバーなど)は、アクセスする度にIPアドレスが変わっていては不都合が生じるため、固定IPアドレスが割り振られています。
最近では、IPoE方式でも固定IPアドレスが使えるようになったことで、注目を浴びるようになっています。そこで、固定IPアドレスについて確認しながら、IPoE導入のメリットについてご説明いたします。
従来のPPPoE方式に比べて大容量で、通信が混雑することなくスムーズに行われ、快適で安定した接続環境のため、法人向け回線としても大きなメリットがあります。IPoEは、いったいどのようなサービスなのか、詳しくご紹介します。

【IPoE接続とPPPoE接続】改善とヒント
Case Studies
◆Case1:サービス業 ◆Case2:製造業
◆Case3:建築業 ◆Case4:小売業
ネットワーク環境について、ご意見をお聞かせください。
Q1:ネットワークの見直しについて
Q2:クラウドサービス導入後
(例:Office365やG Suite)
Q3:今回の訪問の目的は何ですか
IPアドレスの種類
PCやスマートフォン、タブレット、ゲーム機、テレビ、サーバー、ルーターなど、インターネットに接続されている機器であれば、1台ごとを識別する番号が必要になります。その識別番号がIPアドレスで、インターネット上の住所や電話番号と同じようなものだと考えればわかりやすいでしょう。なお、IPとは「Internet Protocol」の略で、インターネット上でのデータ通信の方法を定めた規約という意味です。
IPアドレスは、動的IPアドレスと固定(静的)IPアドレスという、2つのタイプに分けられます。
動的IPアドレス
動的IPアドレスは、常に識別番号が変わっていくタイプのIPアドレスです。IPアドレスが変わるタイミングは、PCやルーターなどの機器を再起動してインターネットに接続し直したときのほか、機器を使用している途中でも切り替わることがあります。
ただし、IPアドレスが変わるといっても、Webサイトを閲覧したり、メールを送受信したりといった用途ではまったく影響ありません。

固定(静的)IPアドレス
固定IPアドレスは、ISP(プロバイダー)側から一度割り振られた識別番号がずっと変わらないタイプのIPアドレスです。
この固定IPアドレスが必要となるシーンは、外部から何らかのアクセスがある場合です。例えば、Webサイトを公開していて外部からアクセスがある場合、WebサーバーのIPアドレスが変わってしまうと閲覧できなくなってしまいます。また、ファイルサーバーのIPアドレスが変わると、外出先からファイルサーバー内のファイルを取り出すことができなくなります。
このように、企業がコンピューターネットワークを使って事業を行うためには、固定IPアドレスはなくてはならないものなのです。
なお、IPアドレスを割り振ることができるのは契約しているISP側ですが、IPアドレスの使い回しができる動的IPアドレスのほうが安価なサービスとして提供されています。ISPとの基本的な契約は動的IPアドレスとなり、固定IPアドレスはオプション契約として提供されています。
■自社だけの住所=固定IPアドレス

固定IPアドレスで何ができる?
固定IPアドレスを取得した場合にできることは、Webサイトの公開や、社外からのファイルサーバーへのアクセスなどです。しかし、それだけではなく、さまざまな使い方があります。
例えば、監視カメラや防犯カメラの遠隔監視ができるようになります。動的IPアドレスでも遠隔監視は可能ですが、何らかの理由で電源が一度落ちてしまったり、ISP側のメンテナンスなどでインターネットへの接続が一時中断したりということがあると、監視カメラや防犯カメラにアクセスできなくなります。固定IPアドレスを取得していれば、ネットワークの一時中断があっても、再開時にそのまま利用することが可能です。
また、クラウドサービスの利用時にセキュリティの認証精度を高めたい場合にも、固定IPアドレスは最適です。クラウドサービスを利用するときには、IDとパスワードによってユーザー認証が行われます。それらの情報が漏えいした場合、リスクを低減するために端末制限(アクセス制限)をかけることがあります。端末制限とは、指定されているIPアドレス以外からのアクセスを遮断する方法です。しかし、IPアドレスが常に変わっていく動的IPアドレスでは端末の特定ができないため、固定IPアドレスが必要となるわけです。
端末制限は、社員のプライベートな端末やインターネットカフェの端末など、指定外の端末からは契約しているクラウドサービスへのアクセスができなくなるということでもあります。そのため、全般的なセキュリティの強化にもつながります。
固定IPアドレスならVPNも構築できる
また、固定IPアドレスを取得することで、「VPN」(バーチャル・プライベート・ネットワーク:仮想専用線)も構築できるようになります。VPNとは、仮想的な通信で、第三者がアクセスできない閉鎖的でプライベートなネットワークのことです。
VPNを構築するには、VPNを構築したい各拠点にVPN専用のルーターを用意して、本社の固定IPアドレスを入力します。これによって、ルーターが固定IPアドレスのある本社へとつながり、VPNが構築されます。
VPNが構築されると、本社と各拠点の社内LANを統合して、1つのネットワークとして使えるようになります。そうして、互いのネットワークにつながったPCやサーバー内のデータを自由に取り出せるようになります。また、ノートPCやタブレットにVPNの設定を行っておけば、外出先からでも同じオフィスにいるかのようにVPNネットワーク内のデータにアクセスできます。

固定IPアドレスのメリットとデメリット
メリット
・離れた拠点間でVPN接続できる
・社外から会社のPCに安全にアクセスできる
・グループウェアやストレージなどの各種クラウドサービスにアクセスできるIPアドレスを制限してセキュリティが向上する
・WebカメラなどのIoT機器に外から接続できる
デメリット
・費用が追加でかかる
・常に同じIPアドレスを利用することになり、利用者も公開される
固定IPアドレスの活用シーン
1.本社のサーバーにアクセスするときに、支店で取得した固定IPアドレスからのみ接続を許可することで、外部のIPアドレスからの接続が一切できなくなり、安全性が向上します。
2.WebカメラにIPアドレスを割り振ることで、外部から各店舗の状況をWebカメラで24時間常に確認することができます。
3.自社のサーバーを構築できます。
IPoE接続でも固定IPアドレスが使用可能に
現在では、IPoE方式でも固定IPアドレスが使えるようになり、注目を浴びています。
IPoE方式とは、社内ネットワークの標準であるイーサネットを通じて、直接インターネットに接続するインターネット接続方式です。従来のPPPoE方式は、電話回線を前提とした技術をイーサネットに応用していましたが、IPoE方式では最初からイーサネットを用いる前提で考えられています。そのため、PPPoEのように専用の通信機器を必要とせず、VNE(通信事業者)を介してシンプルにインターネットに接続できます。
固定IPアドレスを利用できる「OCN光 IPoEサービス」
OCNの法人向けインターネット接続サービス「OCN光 IPoE」では、固定IPアドレスも利用可能なサービスをご提供しています。外出先から社内ネットワークにアクセスでき、Webカメラで店舗の防犯対策なども可能です。また、アクセス制限でクラウド利用時の不正アクセスを防止できます。
さらに、法人向けSIMサービスである「OCN モバイル ONE for Business」のオプション「固定グローバルIPアドレス」を活用すれば、SIMカードの契約により、さまざまなビジネスシーンに役立てられます。外出先からのリモートアクセスはもちろんのこと、商業施設などで有線回線の設置が難しい場所や、M2M(モバイル端末同士)での通信など、固定IPアドレスによるさまざまなメリットを十分活用できるでしょう。
企業に必須の固定IPアドレス化でお困りではありませんか?
「法人向けOCNサービスとは」関連情報
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