収入よりも経費が多い場合に確定申告は必要?繰越控除で節税の可能性

収入よりも経費が多い場合に確定申告は必要?繰越控除で節税の可能性

公開日:2023/12/05

事業を立ち上げて間もない頃は、開発した製品やサービスが軌道に乗っていないことも多く、収入よりも経費が多くなってしまうことは珍しくありません。しかし、個人事業主は毎年3月15日までに、法人は事業年度ごとに確定申告を行う必要があります。もし、収入よりも経費が上回っている場合、確定申告をする必要があるのか気になる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、収入よりも経費が多い場合、確定申告は必要なのかどうかについて解説します。赤字で確定申告すべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

そもそも確定申告とは?

確定申告とは、1年間の収入から経費などを差し引き、所得を算出して、そこから支払うべき税金を計算して国税庁に報告する手続きのことです。法人や個人事業主などのほかにも副業などで収入がある会社員やパート、アルバイトも確定申告をしなければならないケースがあります。

基本的に、確定申告は法人や個人事業主がメインで行う手続きです。法人の場合は事業年度ごと、個人事業主は2月16日~3月15日までに確定申告を行います。

確定申告をしなくてもいい金額とは?

国税庁の公式ホームページによると、給与所得の収入金額の合計から所得控除の合計額を差し引き、残りの金額が150万円以下、さらに所得金額の合計が20万円以下である場合、確定申告は不要と明記されています。

例えば、給与所得者の場合、1年間のうちに働いている会社以外から20万円以下の収入を得ている方は、確定申告が不要です。また、フリーランスのケースでは、営業利益から経費等を差し引き、残りの金額が48万円以下なら確定申告が不要となります。

このように、確定申告をしなくてもいい金額は、会社員や個人事業主など働き方によって大きく変化しますので、国税に関する詳しい内容は、国税庁の電話相談センターなどを利用するようにしましょう。

経費が収入より多い場合でも確定申告は必要!その理由とは?

結論から言えば、経費が収入より多い場合でも確定申告をしたほうがいいです。

その理由は、赤字でも確定申告をすればいくつかのメリットを獲得することができるからです。ここでは、具体的にどのようなメリットがあるのかについて解説します。

赤字と黒字を相殺して所得を0円にできるため

1つ目は、赤字と黒字を相殺して所得を0にできるからです。

例えば、給与所得で150万円の利益が出ているとします。一方で、事業所得では150万円の赤字になっているケースです。この場合、赤字と黒字を相殺して所得を0にすることが可能です。所得税が0になれば、税金がかからないため、その点が大きなメリットになります。

赤字の繰越控除が可能なため

2つ目は、赤字の繰越控除ができるという点です。

繰越控除をすることで、支払うべき税金を少なくすることができます。例えば、前年度の事業所得の赤字が200万円、今年の事業所得が300万円の場合、赤字の繰越控除を受けることで、今年度の事業所得から前年度の赤字を差し引き、100万円に対してのみ税金がかかるようになります。通常、300万円に税金がかかるところを100万円にまで減らせられるので、大きな節税効果を得ることができるでしょう。

所得金額を証明できるため

3つ目は、所得金額を証明することができるという点です。

もし、確定申告をしていない場合、公的機関に記録が残りません。しかし、所得金額を証明したいという機会は非常に多いです。例えば、融資を受けるときや賃貸物件を契約するとき、転居する際にも所得証明を求められるケースはあります。確定申告をしていないと所得金額を証明することができないため、融資などが不利に働く可能性もあるでしょう。

一方、しっかりと確定申告をしていれば、公的機関に記録を残すことができます。これにより、第三者機関による所得証明が可能になるため、その点がメリットとなるでしょう。

経費が収入より多い場合でも確定申告をしていないことで起こるリスク3選

経費が収入より多い場合は確定申告をする必要がない人もいますが、確定申告をしないといくつかのリスクが発生します。具体的に3つのリスクについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

所得証明ができない

確定申告をしないと所得証明ができません。上記でも触れた通り、融資の際など所得証明ができないと不利に働いてしまうときもあるので、その点は注意が必要です。

納税証明書などをもらえない

個人事業主などが確定申告をしていない場合、納税証明書を発行してもらうことができません。例えば、収入が少ない人の中には、非課税であることを証明したいときもあります。実際に、勤務先への扶養者申請や児童手当、給付金等の申請の際に非課税証明書が必要です。確定申告をしておらず、非課税証明書を発行することができないと不便に感じるケースもあるので、その点には注意するようにしましょう。

国民健康保険料の軽減措置を受けられない

確定申告をしていないと国民健康保険料の軽減措置を受けることができません。国民健康保険料はその人の収入に応じて金額が変化します。各自治体で支払う保険料は異なりますが、赤字で確定申告をすると国民健康保険料の軽減措置を受けられるケースはあるので、収入より経費が多い人でも確定申告をしておいたほうが便利です。

確定申告をする前に把握しておきたい注意点

収入より経費が多くなった場合でも確定申告をすることによってさまざまなメリットを獲得することができます。しかし、確定申告には数多くの手続きが必要になるため、いくつかの点に注意して申告を行うことが重要です。

ここでは、確定申告をする前に把握しておきたい注意点について詳しく解説します。

正確に申告するためには経理の知識が必要

1つ目は、経理の知識が必要不可欠であるという点です。

確定申告をするときは、青色申告決算書などの書類を作成するだけでなく、それぞれの経費を勘定科目に仕訳したり、所得税の納付書に金額を記載したりしなければなりません。正確に申告を行わないと税務調査の対象になる可能性があるので注意が必要です。

企業の場合は経費精算システムの導入を検討する

2つ目は、経費精算システムの導入を検討することです。

特に企業は経費申請する機会が多いため、従来のような手書きによる経費申請を行っていると経理担当者の負担が大きくなります。また、領収書などを原本保管しなければならないので、スペースにコストがかかったり、管理が大変になったりするのです。

経費精算システムを導入すると、経費申請の手入力が不要になったり、ペーパーレス化や経費精算の不正防止になったりするので大きなメリットがあります。現在、多くの企業はインボイス制度や電子帳簿保存法改正のために経費精算システムを導入しているところが多いので、この機会に利用を検討しましょう。

確定申告を行う前に必要書類を揃える必要がある

3つ目は、確定申告を行う前に必要書類を揃えなければならないという点です。

確定申告には決算書や収支内訳書などさまざまな書類を準備しなければなりません。これらの書類の作成には知識が必要になるため、作成が難しいと感じる人はシステムを導入して確定申告の負担を減らしたり、税理士に相談したりする必要があるでしょう。

まとめ

今回は、収入よりも経費が多い場合に確定申告をする必要があるのかについて詳しく解説しました。事業所得が赤字な方も確定申告をすることで控除を受けられるなどのメリットがあります。そのため、収入より経費が多い場合でも確定申告をするのがおすすめです。

しかし、正しい確定申告をするためには、知識が必要だったり、負担がかかったりするため、特に企業は経費精算システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

NTTコミュニケーションズは、経費精算システム『SmartGo®Staple』を提供しています。SmartGo®Stapleは電子帳簿保存法に対応しており、ペーパーレス化を実現できます。また、モバイルSuicaなどと経費精算アプリを連携することにより支払いデータを自動連携させることができます。これにより、経費申請の入力ミスが激減するため、経理担当者の負担を大幅に減らすことが可能です。経費精算システムの導入を検討している企業は、SmartGo®Stapleの詳細をぜひチェックしてみてください。

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