平成14年7月1日


OCNギガビットバックボーンのさらなる増強と信頼性強化について
~ブロードバンド化への対応とリスク分散アーキテクチャの採用~


 NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は、従来よりOCNをはじめとする国内最大級のIPバックボーンを構築し最高クラスの通信品質と信頼性を確保してきました。昨年12月、東京~大阪間のOCNの帯域を4.8Gbpsに増速するとともに、大阪における海外接続の増速および「JPNAP(*1)大阪」に接続するなど、東京・大阪二極分散化を実施しました。今回、更に東京~大阪間のOCNの帯域を9.6Gbpsに、海外接続(NTT/VERIO グローバルIPネットワークとの接続)を東京・大阪それぞれ4Gbpsに増速し、国内最大(*2)のバックボーン帯域を確保することでブロードバンド化における快適なアクセスを提供します。また、万全の危機管理対策として、国内独自(*3)のバックボーンの拠点分散冗長化を構成し信頼性を強化しました。


1.ギガビットバックボーンの増速および二面構成による信頼性の強化

(1)バックボーンの増速
 従来よりOCNのバックボーンはギガビットクラスの容量を確保するだけでなく、概ね半年先のトラフィック増加分を予測して設計し、十分な帯域を確保しておりますが、今回、ブロードバンド化の進展による急激なトラフィック増に対応するため、東京~大阪間、およびその他全国の主要なノード間における増速を実施しました(別紙1)。


(2)バックボーンの信頼性の強化
 OCNバックボーンは、インターネットの「東京一極集中」に対する危機管理対策として、従来より東京・大阪二極分散化によるリスク分散を進めてきましたが、更なる危機管理対策として、東京~大阪間のコアネットワークについては東阪分散拠点を跨る二面構成(A面/B面)で異経路分散による冗長化を図り、各地方ノードからは東京または大阪の異なる拠点に分散収容していきます。これにより装置・回線故障、更には拠点災害時などの深刻な事態においても迂回ルートおよび十分な帯域を確保するため、一拠点の故障が他の拠点のお客さまの通信に影響を与えることのない信頼性の高いネットワークへと強化を図りました(別紙2)。


(3)国内外接続の強化
 Tier1(*4)プロバイダとして国内外を問わず接続品質を確保するため、海外接続(NTT/VERIO グローバルIPネットワークとの接続)を東京・大阪拠点それぞれ4Gbpsに、JPNAP(東京)との接続を4Gbpsに増速しました。OCNバックボーンにおいては、従来からHOP数の削減に有効なHot Potato ルーティング(*5)を導入し、お客さまから最も近い海外・対外接続回線からトラフィックをルーティングするとともに、東京側または大阪側のどちらかに故障が発生し迂回した場合でも接続品質を確保出来るネットワークとしておりますが、今回の増速により、更に信頼性のみならず品質の高いバックボーンネットワークへと強化しました。
国内外接続図


2.今後のOCNバックボーンの展開方針

 OCNのバックボーンは来年度初めには20Gbps程度への増強を見込んでいます。また1年で4~5倍にも拡大するトラフィックに対応できるスケーラビリティ確保のため、大容量装置(ルータ、スイッチなど)、10ギガビットクラスの大容量回線の導入など、更なるブロードバンド化への対応を引き続き推進していきます。
 また、NTT Comは、これからもブロードバンド時代のお客さまニーズにお応えすべく、十分な帯域・接続性の確保および危機管理対策に継続して取り組むことで、高品質で信頼性の高いサービスを提供していきます。

*1: JaPan Network Access Point。インターネットマルチフィード株式会社が提供する商用IX(Internet eXchange)
*2: 主要事業者ホームページにおける東京~大阪間のバックボーン帯域および海外接続帯域比較[2002.7.1現在]
*3: 主要事業者ホームページにおけるネットワーク構成比較[2002.7.1現在]
*4: インターネットの品質を上流のプロバイダに頼ることなく自らコントロールできる世界規模の広帯域IPバックボーンを保有し、そのネットワークの上に集めたIPトラヒック量の多さから、互いに無料で相互接続しあうトップISPグループ
*5: ISPが他ISPとのトラフィック交換を行う際に複数のアクセスポイントがあった場合、自分から見て最寄のポイントを選択するルーティング方式
*6: Network Service Provider Internet eXchange Point。WIDEプロジェクトの提供するIX


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