還付金の仕組みから受取方法まで解説
公開日:2023/2/8
年末調整や確定申告を行うことで、還付金が発生する場合があります。しかし、還付金は必ず発生するものではなく、場合によっては期限内に足りなかった税額を支払わなければなりません。場合によっては、還付金がどういった仕組みなのかを把握していないというケースもあるでしょう。
本記事では還付金の概要や仕組み、受取方法について解説していきます。
目次
還付金とは
還付金とは、支払いすぎた税金があった場合に地方公共団体から還付される金額をさす言葉です。例えば、会社員の場合、年末調整によって支払った社会保険料が明確になります。このタイミングで、仮に源泉徴収された社会保険料が本来よりも多すぎる場合、還付金が発生することになります。
また、還付金の金額を決定する所得金額は、所得控除の金額に影響を受ける点は知っておきましょう。例えば、所得控除には次のような種類があります。
・小規模共済やiDeCoの掛け金
・生命保険料の掛け金
・ふるさと納税などの寄付金
また、確定申告でしか医療費やふるさと納税の金額を控除として、申告することができません。対象の項目によって金額や割合が決まっている点は知っておきましょう。
正しい所得金額を算出するためには経費を正確に扱う必要があります。経費について詳しく知りたい場合はこちらから。
申請から受け取りまで期間がある
年末調整や確定申告によって還付金の金額が決まります。その上で、それぞれの申請のタイミングによって、還付金を受け取れる時期に差が生じます。
年末調整の場合、必要書類を企業側が用意したうえで期限までに申告すれば、1月か2月の給与には反映されるといえるでしょう。対して、確定申告であれば次のような違いがあります。
・インターネット上で確定申告を行うe-taxの場合は早くて2週間
・紙での提出では1カ月か1カ月半
スピーディーに還付金を受け取りたい場合は、e-taxでの申請を推奨します。
必ず還付金があるとは限らない
還付金は必ず発生するものではありません。支払った税額が多い場合は還付金となるものの、少なかった場合は追加で支払う必要があります。
また、確定申告で税額が不足していると判明した場合、納期期限は3月15日になります。従業員の立場であれば、自動的に調整されると想定できるものの、過不足があった場合の処理方法は受け取るか支払うかのどちらかになるといえます。
受け取る仕組み
還付金を受け取る方法は、次の方法に限られます。
・口座振替
・ゆうちょ銀行の支店での受取
・郵便局での受取
多くの場合は、口座振込みによって還付金を受け取ることになるでしょう。
還付金の受取口座は確定申告の段階で提出するため、後日受取口座を聞かれることはありません。
また、振込みに関しては、本人名義の口座に限られるため、支店名・事務所名の記載がある場合は他の口座を選択しましょう。インターネット銀行の口座に関しても制限があるため、よく使用する口座がある場合は、事前確認が大切となります。
還付金の仕組み
ここからは還付金が発生する仕組みについて見ていきましょう。給与の受け取り対象となる従業員と個人事業主では、税金の徴収方法が異なるものの、どちらでも還付金を受け取れる可能性があるといえます。
年末調整
年末調整は、企業が個人の代わりに正しい所得を申告し、税金の過不足を確認・足りなければ納付する仕組みのことです。あくまでも、正しい所得金額が把握できる仕組みであるため、精算は個人毎に行う必要があります。
似たような仕組みである源泉徴収は、毎月の所得税の徴収を行う仕組みです。年末調整によって、翌年の所得税を決定し、源泉徴収として給与から差し引くという流れになっています。
確定申告
確定申告は、個人が正しい所得額を申告した上で、税金の過不足を確認し、足りなければ納付するための手続きです。また、企業に所属する従業員であったとしても、年間の報酬が2000万以上、給与を一箇所から受け取ったうえで給与・退職金以外で20万円以上の収入がある場合は確定申告の必要があります。
一年間の全ての所得を自分で計算した上で、紙や電子で報告し、所得に対する所得税を確定させます。そのうえで、 確定した所得税以上に支払っている場合は還付金があるものの、不足していた場合は3月15日までに支払わなければなりません。
給与所得者が還付金を受け取れるケース
ここからは、給与所得者であっても還付金を受け取れるケースについてみていきましょう。年末調整を行わなかった場合や住宅ローン、高額な医療費が発生している場合などは還付金を受け取れる可能性があります。
年末調整を行わずに退職している
企業から支払われる所得は全て所得税が差し引かれています。しかし、年末調整を行わずに退職した場合は、確定申告を行わなければなりません。 また、源泉徴収で差し引かれていた所得税が正しい金額だとは限らないため、年末調整を行わずに退職した場合は還付金を受け取れる可能性があるといえるでしょう。
住宅ローンがある
住宅ローンを利用した上で、新築・リフォームなどを行った場合、控除を受けることが可能です。年間で2000万円以上の給与所得がある場合は適用されないものの、最大で13年の控除期間があります。
また、住宅の種類によって最大控除額が異なるため、自宅がどういった種類に該当するのかをリサーチしたうえで適用する必要があります。また、従業員であっても初年度は確定申告を行う必要があるだけでなく、申請が入居の翌年が期限となっているため、期限もチェックしておかなければなりません。
年末調整では処理できない控除がある
年末調整では処理できない控除は次のようなものがあります。
・盗難などの被害が該当する雑損控除
・1年間の医療費が10万円以上となった場合に適用される医療費控除
・ふるさと納税などが該当する寄附金控除
仮に上記に該当する場合は、年末調整では還付金を受け取ることができません。 また、雑損控除は災害・盗難、横領のみが対象である点、寄付金控除は5か所以上の地域にふるさと納税を行った場合に確定申告が必要な点などはチェックしておきましょう。
還付金受け取りの注意点
ここからは還付金を受け取る際の注意点について、解説していきます。還付金は申請方法によって振り込まれるまでの期間が大きく変化します。そのうえで、申請の注意点を知っておかなければ、振り込みがより遅れていく可能性があるといえるでしょう。
場合によって振り込まれる期間が長くなる
会社が代わりに申請を行ってくれる年末調整の場合は、還付金の振り込みのタイミングが遅れることはないといえます。しかし、確定申告を行う場合は、マイナンバーや必要書類を集めたうえで計算を行う必要があるため、記載情報を間違うケースもあります。
仮に、申請した確定申告の書類に不備があった場合、振り込まれる期間が長くなってしまうでしょう。
また、住宅ローン控除は登記簿や残高証明書などの書類が必要です。
本人名義の口座が必要
還付金を振込みで受け取るには、本人名義の口座が必要となります。そのため、屋号や店名が入っている場合、振込みで還付金を受け取ることができなくなり、郵便局の窓口で受け取るといった対応を行わなければなりません。
まとめ
還付金は支払いすぎた税金があった場合に税務署から還付される金額をさす言葉です。還付金が発生した場合は受け取れるものの、不足分がある場合は期限までに納付する必要があります。
受取に関しては、窓口か振込みのどちらかしかなく、屋号や店名の口座しかなければ店頭受取りしか選べません。また、 給与所得しか受け取っていない場合でも、確定申告でなければ寄付金や住宅ローンの控除を受けられないため、書類も準備しておきましょう。
NTTコミュニケーションズでは経費精算ツールであるSmartGo®Stapleを提供しています。とくに、Suicaと連携できるため、交通費に関係する経費精算の業務を効率化可能です。交通費の精算回数や時間などで、頭を悩ませている場合はSmartGo® Stapleの導入を検討してみましょう。
経費精算でお悩みの方へ
こんなお悩みございませんか?
- 経費や交通費の立替が多く、経費精算に稼働がかかる
- 立替の事務手続きが多い
- 出社せずに経費精算を完結させたい
- 定期代支給を廃止し、都度精算にしたい
そのお悩み、SmartGo® Stapleですべて解決できます!