倒産防止共済とは何か。加入方法から注意点も解説

倒産防止共済とは何か。加入方法から注意点も解説

公開日:2023/6/27

倒産防止共済は、取引先が倒産した際に連鎖して自社が倒産する事態を防ぐための制度です。最大の借り入れ金額がある程度決まっているものの、中小企業の経営を立て直せる可能性を高められます。しかし、倒産防止共済の加入条件を知らず、掛け金の幅も分からないというケースもあるでしょう。

本記事では、倒産防止共済の概要や掛け金の範囲などについてみていきましょう。

倒産防止共済とは

倒産防止共済(中小企業倒産防止共済制度)は経営セーフティ共済と呼ばれるものであり、取引先の影響を受けて自社まで倒産する事態を防ぐための制度です。掛け金の上限は800万円で、最大で8,000万円までの借り入れが可能となっています。

事業規模にもよるものの、取引先が倒産した場合には8,000万円の借り入れができる点は中小企業にとってメリットの1つだといえるでしょう。ただし、一時的な事業資金の借り入れは、掛け金の95%までであることから、注意が必要です。

掛け金の10倍まで借り入れが可能

倒産防止共済は掛け金の10倍まで借入が可能です。例えば、2年間継続して5万円ずつ支払いを行った場合は掛け金は120万円、借入は1120万円まで行うことができます。自社の事業規模に合わせて借り入れを行いましょう。

借り入れのスピードが速い

倒産防止共済の借り入れのスピードは通常の融資よりも早いといえます。例えば、 様々な理由で融資を行ってもらうとしても、銀行からの借り入れや融資ではスピードが遅いケースもあることから倒産防止共済を活用できます。

ただし、倒産に該当するのは次の要件です。

・取引停止処分
・私的整理
・破産手続き開始の申し立て
・私的整理
・災害、災害による支払不能

夜逃げでは、倒産に該当しない点を知っておきましょう。

掛け金は5,000~20万円の間

月次の掛け金は、5,000円~20万円の間で選択することが可能です。例えば、月20万円であれば40ヵ月の期間があれば上限まで貯めることができます。5,000円ずつ調整できるため、会社の財務状況に合わせて利用を検討できるでしょう。

40カ月未満であれば元本割れがある

倒産防止共済は途中で解約も可能であるものの、納付期間が40ヶ月未満であれば元本割れとなる点に注意が必要です。また、12ヶ月未満だと掛け金が全く戻ってこない点は知っておきましょう。

12ヶ月以上の納付期間があれば最低でも75%は戻ってくることになることから、長期的な目線で掛け金を納付することが大切です。

全額経費になる

倒産防止共済に使用した掛け金は全額が経費となります。いざという時のための事業資金となるだけでなく、数年に渡る節税効果は大きなメリットになるといえるでしょう。

倒産防止共済へ加入する方法

ここからは倒産防止共済へ加入する方法についてみていきましょう。とくに、業種によって出資金や 出資の総額、従業員がある程度制限されていることから 条件を確認した上で申し込みを行う必要があります。

条件を満たす

倒産防止共済に加入する条件は以下のような条件があります。

製造業、建設業、運輸業 資本金3億円以下、従業員数300人以下
サービス業 資本5,000万円以下、従業員数100人以下
ソフトウェア・情報処理サービス業 資本金3億円以下、従業員300人以下

あくまで中小企業用の倒産防止制度であることから、資本金や従業員数に制限が設けられているといえるでしょう。 また、金融業や不動産業であった場合には 加入ができないと想定されるため、税理士への相談も必要です。

必要な書類をそろえる

必要な書類は次のようなものが代表的です。

・登記簿謄本
・直近の確定申告書
・納税証明書

個人の場合は、所得税の確定申告書や 白色申告である場合は使用した帳簿も必要です。また、通称機構の契約申込書や口座振替申出書なども用意しましょう。

加入手続きの流れを把握する

倒産防止共済 の手続きの流れは次のようになります。

・必要書類を入手し記入する
・中小機構と業務委託契約を結んでいる金融機関に 必要書類を提出する
・中小機構から書類が送られてくる(共済契約締結証書、 加入者必携)

共済契約締結証書はあらゆる手続きに必要となるため、保管場所を決めておくとよいでしょう。

倒産防止共済を利用する際のポイント

ここでは、倒産防止共済を利用する際のポイントについてみていきましょう。とくに関係性のある企業が倒産した場合における資金調達の手段として役立つ点は、経営面から意識しておく必要があります。

資金調達手段の1つになる

掛け金の金額にもよるものの、資金調達手段の1つとして倒産防止共済を使用することが可能です。 取引先が倒産した場合に連鎖倒産する事態を防ぐ目的ではあるものの、 掛け金の支払い期間が12ヵ月以上であれば、解約してもある程度の金額が戻ってきます。

例えば、数百万円単位での借り入れや解約金があれば、事業が継続できるといった場合にも倒産防止共済を利用できるでしょう。

長期的な視点からすれば払い戻しの減額はない

40 ヶ月以上の支払い期間があれば解約しても払い戻し時の減額はありません。そして、長期的な目線を前提に倒産防止共済を運用した場合のメリットは次のようになります。

・元金が減少しない
・一時貸付もできる
・最大で8,000万円まで借り入れできる

経営上のリスク対策の1つとして有効な手段だといえるでしょう。

年払いの翌年は放置すると月払いになる

倒産防止共済は、前納を選ぶことによって年払いとすることが可能です。しかし、翌年も前納を行いたい場合は 改めて手続きが必要となる点には注意が必要といえます。仮に、前納を選んだとしても 手続きをしなければ自動的に 月払いとなる点は知っておきましょう。

まとめ

倒産防止共済は、取引先が倒産した場合に自社も巻き込まれて倒産するといった事態を防ぐための制度です。長期的な視点からすれば、期間が40か月以上あれば掛け金が減少することもなく、取引先が倒産した際には最大で8,000万円の借り入れが可能な点はメリットだといえるでしょう。

ただし、加入期間が12か月未満であった場合は、掛け金が全く戻ってこない点や40ヵ月未満の解約では元本割れが発生する点は経営視点からもマイナスとなる可能性もあります。

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