扶養控除申告書はなぜ必要?配偶者控除の違いも違いも解説

扶養控除申告書はなぜ必要?配偶者控除の違いも違いも解説

公開日:2023/2/8

従業員として働いている場合、年末調整の時期になると、扶養控除申告書や配偶者控除等申告書を企業からほぼ必ず渡されます。そのため、それぞれの書類の意味を具体的に把握していなくても、目にしたことはあるという方は多いのではないでしょうか。

そのうえで、扶養控除申告書は何のために必要とされるのか、配偶者控除等申告書と何が違うのか悩むこともあると想定されます。

そこで、本記事では扶養控除申告書の概要から対象者、配偶者控除との違いについて解説していきます。

扶養控除申告書とは

扶養控除申告書(給与所得者の扶養控除等異動申告書)とは、年末調整の書類として渡される申告書です。年末調整は一年間の所得税を確定させるための手続きであり、次のような書類も同時に提出する必要があります。

・配偶者控除等申告書
・給与所得者の保険料控除申告書

そして、扶養控除申告書の提出によって、各家庭の扶養家族の対象を企業に正確に報告することで、所得税の控除が可能となります。扶養控除の対象となるには、次の要件を満たす必要があります。

・16歳以上
・所得が38万円以下(年収103万円以下)
・納税者と生計を共にしており、6親等の親族や姻族の3親等である(配偶者は含まない)
・青色専従者ではない
・他の家族の扶養親族になっていない

一定の条件を満たしたうえで、 生計をともにし、給与所得者の所得で生活を行っている特定の年齢の家族がいる場合に受けられます。

提出が必要な人

年末調整の対象となる人は扶養控除申告書の提出が必要です。 派遣・パート・アルバイトであっても提出する必要があり、控除対象となる親族がいない場合も提出しなければなりません。

つまり、年末調整によって、所得税の申告を行っている立場の方であれば提出は必要だといえます。

提出が不要な人

扶養控除申告書の提出が不要なのは、次の要件に該当する場合です。

・年収2000万円以上を受け取っている
・給与を複数個所から受取り、他の企業に提出している
・12月の給与払いが終わる前に退職した

要件に着目してみると、一つの企業に所属した上で年収2000万以上を受け取っている、退職している場合は扶養控除申告書の提出が不要となります。

扶養控除と配偶者控除の違い

ここでは、扶養控除と配偶者控除の違いについて見ていきましょう。どちらも家族という意味では立場は変わらないものの、税制上では違いがあり、控除額が変化する点は知っておく必要があります。

扶養控除は、家族内に扶養控除の対象となる親族がいれば納税義務者に対して控除を行うというものです。金額は38万円から63万円まで幅があり、扶養対象となる親族がいれば控除が可能となります。

対して、配偶者控除は配偶者のみを対象にした控除であり、配偶者控除と配偶者特別控除があります。どちらも納税者1000万円以上となった場合、受けられない点は同様です。控除額は38万円で同一となっているものの、配偶者控除は配偶者の年収が103万円以下、配偶者特別控除は年収201万円以下までは控除対象となるというものです。

扶養控除と配偶者控除が対象にしているもの

扶養控除が対象としているのは、6親等以内の家族と3親等以内の姻族(配偶者の家族)です。具体的には、 親族であれば父親・母親、祖父や曾祖父以上の世代も含めることができます。

配偶者控除は、配偶者のみを対象としています。年齢の制限はないものの、配偶者の年収が201万円を超えない、納税者の年収が1000万円を超えない場合にしか控除を受けられないといえます。

どちらも年末調整に必要

扶養控除と配偶者控除は、年末調整時に申告します。どちらも所得税を算出するために必要な申告であるため、正確に記入し提出しましょう。

例えば、配偶者控除は配偶者と納税者どちらにも年収の制限があります。そのため、年度内は問題ないものの、翌年の所得税を算出するためには配偶者控除等申告書を提出しなければなりません。

また、年末調整の書類を出さないケースも考えられますが、課される税金が大きくなる・確定申告を行わなければならなくなるといったデメリットしか生まないため、扶養控除申告書と配偶者控除等申告書は必ず提出しましょう。

加えて、確定申告・年末調整を行わなかった場合、どちらでも罰則があります。

扶養控除申告書を出さなかった場合の注意点

扶養控除異動申告書は、年末調整時に必ず渡される書類であるため、出さないケースは少ないといえるでしょう。ここでは、扶養控除申告書を出さなかった場合にどのような対処なるのかについて解説していきます。

税金が高くなる

所得税の控除がなければ、所得金額は数値上は高く見えます。しかし、所得金額が高いほど税金も高くなるため、結果として生活が苦しくなることにつながっていくでしょう。

また、年末調整だけでなく、確定申告も行わなかった場合は罰則が決まっているため、収める税金が高額となります。

税金清算が不可能となる

扶養控除異動申告書を出さないということは、年末調整をしないということになります。仮に、配偶者控除の書類を出していても扶養控除申告書を出さなければ、年末調整ができないためです。

そのため、翌年の住民税や所得税を算出することができなくなってしまいます。年末調整を行わなかった場合は確定申告を行うことになるものの、企業が行ってくれていた申告を従業員が行う必要があります。

罰則よりも一年間を通して支払った税金が過大だった場合の還付金も受け取れなくなるため、扶養控除申告書は扶養控除の対象となる家族が存在しなくても提出しましょう。

まとめ

扶養控除申告書は年末調整の書類として渡される書類の1つです。扶養家族が存在している場合、納税者が所得税の控除を受けられます。親族が対象となるものの、配偶者控除とは別とされているため、それぞれの書類に記述を行い申請する必要があるといえます。

また、年末調整の際に書類を提出しなければ、確定申告を行う必要があるため、年末調整の時期に書類を提出することを徹底しましょう。

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