クラウドを活用した社内ネットワークの設計方法・構築時のポイントを解説

PCやOA機器、サーバーなどの相互接続を可能にする社内ネットワークは、業務をスムーズに進めるうえで欠かせない設備です。近年、リモートワークの普及により、オフィス以外からでも安全に接続できるようにそれらのセキュリティを見直す企業も増えています。この記事では、クラウドを活用した社内ネットワークの設計方法を紹介します。

社内ネットワークとは?

社内ネットワークとは、PCやプリンターなどのOA機器を有線・無線でつなぎ、インターネットを通じた相互接続ができる環境のことです。スムーズな機器接続やデータ共有が可能になり、業務効率が向上したり、場所にとらわれずに業務を進められたりするメリットがあります。

オンプレミス・クラウドの2種類がある

社内ネットワークの運用方法は「オンプレミス」と「クラウド」の2種類があります。オンプレミスはオフィス内にサーバー機器を設置し、自社で用意したソフトウェアを用いてデータ管理を行う方法です。初期費用が高額になりやすく、システムの構築や運用などをすべて自社で行う必要があるものの、必要な機能を自由に選択でき、高性能なシステムを導入しやすいメリットがあります。

一方、クラウドはサーバーやソフトウェアなどの機能を提供する「クラウドサービス」を活用し、データ管理や運用を外部に委託する方法です。あらかじめ開発されたシステムを活用するため自由に機能を選択することは難しいですが、初期費用が抑えられ契約後すぐに運用を開始できるメリットがあります。

近年はクラウドを用いた社内ネットワークが主流となっており、さまざまなメーカーが独自の機能を持つクラウドサービスを展開しています。クラウドはサーバー設置などの物理的な制限を受けないため、オフィスを縮小したりリモートワークを導入したりする近年の働き方とマッチしています。

社内ネットワークの設計手順

社内ネットワークを構築するには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。ここでは、設計手順を5つのステップに分け、それぞれの内容を解説します。

現状把握

どのようなネットワークが必要なのかを見極めるためには、自社の現状を正しく把握する必要があります。確認するべき内容の一例は、以下のとおりです。

  • 現在の従業員数
  • 将来的な従業員数の増減予測
  • 部署ごとの従業員数
  • 拠点数
  • 部署ごとの業務フロー
  • 現在利用しているアプリケーションの種類
  • 現在の社内ネットワークの状況

このような調査を通して、導入するべきアプリケーションの優先順位や将来的なネットワークの拡張性などを洗い出します。

要件定義

要件定義とは、社内ネットワークに必要な機能や要求などを文書化してまとめることです。はじめに確認した自社の現状に加え、従業員からアプリケーションの利用状況などをヒアリングし、改善内容やセキュリティなどの要件を洗い出します。ヒアリング内容の一例は以下のとおりです。

  • 業務内容
  • アプリケーションの利用頻度や利用時期
  • データ使用量
  • 現在の社内ネットワークについての不具合や要望など

設計考案

調査結果をもとに社内ネットワークに必要な設計を検討します。システムに詳しくない従業員でも操作しやすいように、わかりやすくシンプルな設計を心がけるとよいでしょう。ネットワークの接続形態やセキュリティなども含めて検討し、企業の規模に合ったものを導入することが大切です。

冗長化検討

冗長化とは、アクセス集中や機器の故障などで不具合が生じたときに備えて、予備のシステムを用意しておくことです。万が一、トラブルが発生し重要なデータが消えてしまったり、システムが使用できなくなってしまったりすると、事業に大きな影響を及ぼしかねません。バックボーンエリアやサーバーエリアなどはネットワークを構築するにあたって重要なエリアとなるため、冗長性を確保する対策を検討するとよいでしょう。

ネットワークの選択

社内ネットワークは、限られたエリアをつなぐ「LAN(Local Area Network)」と、より広いエリアをつなぐ「WAN(Wide Area Network)」に分けられます。オフィス内のネットワーク構築ではオフィス内のネットワーク構築などに適したLANを、事務所同士をつなぐネットワーク構築では、離れた拠点同士をつなぐのに適したWANを選択するなど、自社の利用目的に適したネットワークを選択しましょう。WANは必ず何らかの通信サービスを経由する必要があるため、コストや目的に合った業者を選ぶことも大切です。代表的なものは通信の専門会社やIP-VPN、電話回線などが挙げられます。

クラウドネットワーク設計のポイント

ここでは、クラウドを活用した社内ネットワーク構築を成功させるポイントを紹介します。失敗事例やサービスの選び方、確認するべき項目などをまとめました。

目的を明確化する

あらかじめクラウドネットワークを設計する目的を明確化させたうえで、適切なサービスを検討することが大切です。クラウドネットワークは手間やコストを削減しつつスピーディーに社内ネットワークを構築できるメリットがありますが、漠然と導入されてしまい、運用が最適化されていないケースも多く見受けられます。まずは企業の現状を調査したうえで解決したい課題を洗い出し、適切なサービスを比較検討しましょう。

セキュリティを強化する

クラウドネットワークはオンプレミスとは違い、インターネットを活用してネットワークが設計されます。そのため、サイバー攻撃や情報の漏えいなどを防ぐためにはセキュリティの強化が欠かせません。

過去にはアクセス権限の設定を間違えて個人情報が漏えいしてしまったケースも見受けられ、単純なミスが重大なトラブルを引き起こす可能性もゼロではありません。
(参照元:https://ascii.jp/elem/000/001/609/1609950/

クラウドサービスを選定する際は、セキュリティもセットで提供しているものを検討するとよいでしょう。

「SDPF クラウド/サーバー」はNTTコミュニケーションズが手がける、DXに必要なネットワークやデータセンター、マネージドサービスが連携したデータ利活用基盤です。ホスト型のセキュリティサービスをマネジメントとセットで提供しており、インターネット接続用のバックボーンはDDoS対策が行われています。既存のオンプレミス環境をクラウド上に移行・構築することもでき、スムーズなクラウド移行を実現できます。これからクラウドを活用した社内ネットワーク構築を検討している人は、ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

社内ネットワークとは、PCやOS機器などをつなぎ、相互接続することでスムーズなデータ共有を可能にする環境を指します。大きく分けてオンプレミスとクラウドの2種類の運用方法がありますが、近年はコストを抑えてスピーディーに導入できるクラウドが主流となっています。自社にサーバーを置く必要がなく、必要な機能を備えたサービスを、インターネットを通じて利用できるため、システムに詳しくない人でも社内ネットワークを構築しやすいメリットがあります。

一方、クラウドはセキュリティを強化し、情報漏えいやサイバー攻撃などに備える必要があります。サービスを選ぶ際は、マネジメントとセキュリティサービスがセットになったものを検討するとよいでしょう。

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