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信頼性が求められる信用金庫の外勤DX。
『アクセスプレミアム』の効果とは

信頼性が求められる信用金庫の外勤DX。『アクセスプレミアム』の効果とは

多くの企業にとって、業務の効率化は喫緊の課題です。DXが波及していく一方で、機密性の高い情報を扱う業種では、セキュリティ面の不安から、DXが思うように進まない場面も少なくありません。そうした課題を解決するのに有効なのが、NTTドコモビジネスの通信サービス『アクセスプレミアム』です。今回は、同サービスを実際に導入したアイオー信用金庫の事例を紹介します。

目次

アイオー信用金庫

アイオー信用金庫さま
事務部 デジタルビジネス課 課長 髙間 博史氏
事務部 デジタルビジネス課 主任 新井 貴之氏

紙ベースで行っていた渉外業務をデジタル化。
きっかけは職員の声だった

信用金庫は、世帯の預金額や個人情報など、非常にデリケートな情報を扱う業種です。そのため、個人情報を取り扱う業種のなかでも、とりわけ厳重なセキュリティ対策が求められます。

アイオー信用金庫では、長らく紙ベースで情報の管理をしていました。渉外担当が企業やお客さまの自宅に伺う際も、あらかじめお客さまの情報を会社でプリントアウトし、持参していたそうです。自身も数年前まで渉外を担当していたという髙間氏は当時を振り返ります。

「最近は少なくなりましたが、以前は定期積金を契約していただいているお客さまのご自宅に伺って、集金をすることもありました。契約一件ごとに『集金カード』というものがあり、お客さまのお金を預かると、証書と集金カードにハンコを押してもらっていました」

こういった紙での情報管理は、手間がかかる上に、紙を紛失してしまうリスクもあります。当時はどのように情報を管理していたのでしょうか。

「当時は、お客さま情報の管理簿に記入したあと、上司に『情報を持ち出します』と報告し、ハンコをもらっていました。支店に戻ったら、紙が間違いなく手元にあることを上司に確認してもらって、またハンコをもらうという、本当にアナログな情報管理をしていました。振り返ってみると、煩雑な手続きが多く、かなり非効率になっていました」(髙間氏)

ほかの信用金庫では、タブレットなどが普及する以前から、専用の管理端末を導入しているところもあったといいます。

「昔ながらの大型のものですが、専用端末を導入している信用金庫も少なからずありました。当金庫でも業務効率化を進めたいと常々考えていたのですが、何からはじめていいのかわからなかったというのが、正直なところです」(髙間氏)

そんななか、平成の終わり頃になると、渉外担当者たちから「もっと業務を効率的に行いたい」という声が上がるようになりました。そうした声に後押しされ、本格的にデジタル化に取り組むことになり、同金庫では渉外支援システムとタブレットの導入を検討しはじめました。

「管理端末すら使わず、紙ベースで業務を行っていましたが、一足飛びにデジタル化を推し進めることになったんです。渉外支援システムを導入すれば、外出先でもタブレット上でお客さまの情報をすぐに見られるようになるだけでなく、情報の変更もすぐに反映されます。

外回りはもっと効率的になり、より多くのお客さまのもとを訪問できるようになる。ガラケーすら使ったことがない人が、いきなりスマートフォンを使いはじめたときのような、革新的な進歩でした(髙間氏)

アイオー信用金庫 事務部 デジタルビジネス課 課長 髙間 博史氏
アイオー信用金庫 事務部 デジタルビジネス課 課長 髙間 博史氏

『アクセスプレミアム』を導入し、
業務システムのセキュリティ課題を解決

平成の終わり頃から業務効率化に取り組みはじめたアイオー信用金庫ですが、デジタル化のプロジェクトはどのように進められたのでしょうか。髙間氏は次のように振り返ります。

「まず、タブレットで操作できる渉外支援システムについては、しんきん共同センターが提供するシステムを活用することになりました。渉外支援システムはタブレット上で渉外業務(印鑑照会や集金など)が行えるシステムであり、多くの信用金庫で同システムを利用しています。

タブレットの通信にはNTTドコモビジネスのSIM回線を利用することで場所を選ばずいつでも通信ができる環境を整えました。

しかし、同システムを使うにあたっては、タブレットの通信でセキュリティ上の課題も浮かび上がりました。誰でも使える一般的なインターネットの通信経路上には、情報漏えいなどのリスクも潜んでいます。そのため、同システムを使うには、非常にセキュアな通信環境を整備する必要がありました」

そういった課題を解決するサービスとして導入されたのが、NTTドコモビジネスの『アクセスプレミアム』でした。同サービスを活用すれば、インターネットを経由しないアイオー信用金庫専用のネットワークを構築でき、職員しかアクセスできない機密性の高いネットワーク内で通信を行うことができます。

アイオー信用金庫が『アクセスプレミアム』の導入を決めたのが、平成29年の8月。約1年後の平成30年10月には、実際に運用を開始したそうです。新井氏は導入時を振り返ってこう話します。

「サービスの機能はもちろん、通信速度や料金なども、当金庫のニーズと合致していたため、導入はすんなり決まりました。『アクセスプレミアム』の導入自体は簡単でした。ただ、紙ベースで作業を行っていたところから、いきなりシステムを導入したので、運用面での変化が大きく、使用ルールを決めるのに時間を要しました。タブレット上で現行のアプリケーションが使えるかといった点を確認するのにも、時間がかかりました」

一般的に、『アクセスプレミアム』は、申込みから導入開始まで、長くても2ヶ月ほどで完了する場合がほとんどです。アイオー信用金庫では、1年ほど準備期間があったため、万全の体制を整えてから導入できたと新井氏は語ります。

「運用面の整備に時間がかかりましたが、『アクセスプレミアム』導入後は、トラブルもなく、順調に運用できています。当金庫の場合、かなりアナログな状態からはじまりましたが、全面的にサポートいただいたので、スムーズにデジタル化できました」

アイオー信用金庫 事務部 デジタルビジネス課 主任 新井 貴之氏
アイオー信用金庫 事務部 デジタルビジネス課 主任 新井 貴之氏

渉外業務の効率がアップし、提案力の強化も
可能に。顧客の利便性も向上

『アクセスプレミアム』の導入によって、デジタル化を実現したアイオー信用金庫ですが、導入後は、どんな効果が得られたのでしょうか。

最大の効果は、渉外担当者の作業効率が向上したことです。以前は顧客情報を事前にプリントアウトしておく必要がありましたが、『アクセスプレミアム』導入後は、その場でタイムリーな情報を引き出せるようになったため、業務が大幅に効率化されました。効率化によって空いた時間を、営業力や提案力の強化に活かせているそうです。

「以前はお金の集計も手作業で行っていたのですが、現在はシステム上で簡単に集計できるので、かなりの時間短縮になっています。お客さまの情報を変更する際にも、それまではその場でメモを取り、支店に戻ってからパソコンで入力していました。一方、今は、お客さまとお話しながら、リアルタイムで更新できます。そのため、次にどんな提案をするかといった営業の方針を検討する時間が増えました。

さらに細かいところでいうと、システムを導入する以前は、一度支店に戻ってから印鑑照合を行っていたため、押してもらった印鑑が当金庫に届出いただいているものではなかった場合、出直す必要がありました。しかし、システム導入後は、印影の情報をその場ですぐに確認できるため、印鑑の相違で無駄な行き来をすることがなくなり、業務が効率的になりました」(髙間氏)

渉外業務の効率化に加え、アイオー信用金庫を利用するお客さんの利便性も向上しているといいます。

「たとえば、渉外担当者がお客さまのところに伺って通帳や証書を預かる場合、以前はお客さまに受取証を書いていただく必要がありました。お名前や口座番号、日付などをすべて、お客さまご自身に書いていただいていました。一方、現在は、電子サインのみ書いてもらえれば完結するので、お客さまの手間も減らせるようになりました」(髙間氏)

紙の受取証が不要になったため、ペーパーレス化も進んだそうです。紙の使用量が減ったことで、経費削減にもつながりました。

メリットを感じている職員は、渉外担当者だけに限りません。

「渉外担当者が使っているタブレットは、ほかの部署にも貸し出していて、お客さまに資料や映像をお見せするときや、イベントを開催するときなどに活用しています。以前は、専用のパソコンを貸し出して、ファイルを移して管理簿を書いて……という手順を踏んでいました。現在は、担当部署にタブレットを貸し出せば、すぐに必要なファイルが見られるので、『楽になった』とみんな喜んでいますね」(新井氏)

渉外業務の効率がアップし、提案力の強化も可能に。顧客の利便性も向上

地域の中小企業とお互いに協力し合い、
さらなるDXを推進する

アイオー信用金庫では、渉外支援システムと『アクセスプレミアム』を導入することで、一気にデジタル化が進みました。今後、同信用金庫ではどのような展望を抱いているのでしょうか。

「何から手を付けたらいいのかわからないくらい、改善点はまだまだたくさんあります。今は、融資稟議のデジタル化について検討中です。当金庫ではまだ、お客さまから書類と捺印を頂き、紙ベースで融資稟議を行っているため、システム上で行えるように準備をしています」(新井氏)

DX化について悩みを抱えているのはアイオー信用金庫だけではありません。アイオー信用金庫の周りには、取引先を含め、「DXってどこから手を付けたらいいの?」と困っている中小企業も多いそうです。アイオー信用金庫では、そうした企業に向けて、2年前から地域企業を対象とした『DXフォーラム』を開催しています。

「前回のイベントには、1000人以上の方にご来場いただきました。イベントでは、地域のみなさんに向けて、DX化の方法やデータ活用による成功事例を紹介したり、業務の効率化につながるサポートを行ったりしています。しかし、アイオー信用金庫のDXもまだまだ道半ばです。これからも、こうしたイベント通じて、地域のみなさんとともに成長できればと考えています」(髙間氏)

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