1.働き方の多様化で浮き彫りになった
受付業務の課題

新型コロナウイルス感染症の流行や働き方の多様化により、テレワークを推奨する企業も増えています。同時に、業務効率化や生産性向上の観点から、社内・社外問わず対面での打ち合わせも見直され、オフィスの来客数は減少傾向にあります。

とはいえ、来客をゼロにすることは難しく、従来通りオフィスで取引先と面会するケースも少なくありません。こうした来客への受付対応のため、テレワークを推奨している企業でも一部の従業員が出社しなければならない場合もあり、業務の効率化という面では改善を急ぐべきといえるでしょう。

実は、以前から働き方改革や経費削減のために、受付に多くの人員を配置する企業は減少傾向にあります。

しかし、内線電話などでつなぐ受付方法で無人化ししたとしても、その内線の取次業務が従業員の負担になってしまっている企業も少なくないようです。さらに、フリーアドレス制やテレワークなどに対応してオフィス内の固定電話を減らす取組みも進んでおり、これまで以上に従業員はつかまらず、取次はしづらくなっていると言えるかもしれません。

2.受付業務の課題を一気に解決する方法とは

受付人員の省力化や、取次業務の負担軽減といった、従来の受付業務が抱えていた課題は、どうすれば見直すことができるのでしょうか。その1つの解決策が、AIを活用した受付システムです。ここでは、ドコモが提供するAI受付「 おくだけレセプション® 」を例に解説します。

「おくだけレセプション®」は、タブレットを使って直接担当者を呼び出せるシステムです。特徴は、設置方法がかんたんなこと。名前の通り、タブレットと周辺機器をオフィスの入り口に“おくだけ”なので、電源さえあれば工事も不要です。

使い方も非常にシンプルです。訪問者は、音声またはタッチ操作で担当者や部署を検索し、呼び出すことができます。そこから、担当者の携帯電話などにつながって直接通話できるので、取次ぎの手間がかかりません（図参照）。

また、「おくだけレセプション®」の呼び出す手段が「電話」であるため、これまで「電話」を活用して受付から連絡を受けている会社では、現場が混乱することなく導入・運用がスムーズに運びます。

3.「おくだけレセプション®」3つの特徴

シンプルで確実な「電話連絡」方式

「おくだけレセプション®」では、担当者に直接電話がかかります。メールやチャットで通知する方式に比べて見落とす可能性が少なく、お客さまを待たせることなく迅速な対応が可能です。

このような受付システムを導入すれば、受付を無人にできるので人件費の削減につながります。さらに、取次ぎをする手間がなくなり、業務の効率化にも貢献します。コロナ禍においては、受付や取次業務のために出社する従業員を減らすことにもなり、感染リスクの低減にも寄与するでしょう。

人数制限なしの定額料金

「おくだけレセプション®」の費用は、月額11,000円の定額制です。従業員数、つまりシステムに登録する人数が増えても料金は変わらないので安心して利用できます。利用人数が増えるほど価格メリットも大きいと言えるでしょう。

携帯電話の内線化サービスとの連携

さらに、受付システムの導入とあわせて検討したいのが、ドコモによる携帯電話の内線化サービス「オフィスリンク」との連携です。オフィスリンクを導入すれば、「おくだけレセプション®」と従業員に貸与している携帯電話が内線化。通話料金も定額になるため、より経済的です。もちろん内線のため、距離や通話時間による料金の加算もありません。

4.オフィスのほか、工場や建設現場での導入事例も

それでは、実際に「おくだけレセプション®」を導入した事例について見てみましょう。シチズン時計株式会社様（以下シチズン時計）の場合、導入コストや維持管理のためのコストが安価なことと、設置の手軽さが決め手となって導入に至りました。

設置に伴い、２人体制だった受付スタッフを1人にしました。完全な無人化にしなかったのは、初めての来訪者やVIPへの対応には従来通りスタッフが対応する体制を維持するためです。“おもてなし”の部分は人が担い、単純なビジネスコミュニケーションについては効率化を進める。このように、シチズン時計では、業務効率化と来客へのおもてなしを両立しています。

さらに、AIによる無人受付システムは、工場や建設現場でも導入が進んでいます。たとえば工場が併設された事務所の場合、来客時には受付がある事務所から担当者の居場所を探して、工場まで呼びに行ったり、携帯電話の番号を検索して電話で取次いだりするなど、かなりの手間がかかっているケースがあります。

しかし「おくだけレセプション®︎」導入後は、来訪者が従業員に直接連絡できるようになり、取次の手間がなくなり、大幅に業務効率化が進みました。

働き方の多様化やコロナ禍をきっかけとしたテレワーク導入などを機に、事務所を移転したり、固定電話を減らして携帯電話を内線化したりするなど、電話まわりのインフラを見直す動きが活性化しています。それとあわせて、AIを活用した受付システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。