AIチャットボットは「窓口」で活躍する

AIチャットボットは「窓口」で活躍する

複雑な質問にも適切に回答できるAIチャットボットが登場するなど、チャットボットのビジネス利用が拡大しています。特にどのようなシーンで使用されているのでしょうか?

目次

チャットボットは既に1兆円市場に

「チャットボット」という言葉を、ビジネスシーンで耳にしたことがある人は多いでしょう。

チャットボットとは「Chat(チャット機能)」と「Bot(ロボットの短縮形)」を組み合わせた言葉で、ユーザー側の文字による呼びかけに対し、自動で返答を返すテクノロジーのことを指します。簡単にいえば、自動会話プログラムのことです。

チャットボットの中には、大量のテキストデータによって人間の言語を理解したうえで文章を生成する大規模言語モデル(LLM)を搭載した「AIチャットボット」も存在します。2022年に誕生した文章生成AI「ChatGPT」も、そうしたAIチャットボットのうちのひとつで、人間のニーズを理解し、即座に回答文を生成します。

こうしたAIチャットボットの機能は、現在さまざまなシーンで使用されており、今後も市場の成長が見込まれます。グローバルインフォメーション社の調査によると、2024年のチャットボット市場は約70億ドル(約1兆円)に到達していますが、5年後の2029年には、約208億ドル(約3兆円)まで増加すると予測されています。

チャットボットは、現在どのようなシーンで使用されており、今後はどのように使われていくのでしょうか? さまざまな活用例を紹介します。

チャットボットは「窓口」で機能する

AIチャットボットが特に導入・活用されているのが、問い合わせ窓口やコールセンターなど、顧客対応の場面です。

問い合わせ窓口は顧客と企業の直接的な設定であり、ここで満足度の高い対応をすることで、顧客は企業に対して好感度を抱くようになり、リピーターになる可能性も高まります。とはいえ、往々にして顧客を待たせることが多く、特に電話対応の場合は、オペレーターが顧客を待たせてしまい、好感どころか不満を抱かせる原因となり得ます。

こうした顧客対応窓口にAIチャットボットを導入すれば、顧客からの質問にすぐに対応が可能です。オペレーターはチャットボットで解決できない複雑な質問に対応するだけのため、業務の効率化にもつながります。加えて、チャットボットは24時間対応できるため、夜間や休日など、オペレーターが不在の間も顧客対応が可能です。

AIチャットボットの中には、多言語にも対応しているものもあります。たとえばNTTコミュニケーションズの「AIチャットボットCOTOHA Chat & FAQ」は英語・中国語・韓国語など20言語以上に対応。さらに、外国語での質問を日本語に変換し、オペレーターの日本語の回答を、さらに外国語に変換するマルチリンガル機能も搭載しています。こうした機能を利用すれば、多言語に対応していないオペレーターであっても、複数の言語に対応することが可能になります。

チャットボットは「窓口」で機能する

大学や地方自治体など、
公共施設の窓口でも使われている

このように、問い合わせ窓口にAIチャットボットを活用する例は多く、すでにさまざまな企業で導入されていますが、一方で公共の施設に導入されているケースも見られます。

たとえば教育機関です。立正大学では2024年、受験生向け入試情報サイトにAIチャットボットを導入。受験生からの問い合わせに対し、自動で回答しています。運用開始から1カ月間で、すでに2,600件の質問に回答しているといいます。

同志社大学では2023年に、同大学の生徒用の窓口として、AIチャットボットの相談窓口を開設しました。履修登録や課外活動、アルバイトや寮生活、奨学金や就職に関する相談など、学生生活全般の悩みにAIチャットボットが自動で回答します。導入後2週間で、約4,000件の問い合わせに対応し、そのうち56%をAIによって解決したといいます。

さらに、地方自治体でも窓口におけるチャットボットの導入例は多数あり、東京都でも多くの区のサイトに、チャットボットの相談窓口が用意されています。国の機関にも導入は進みつつあり、たとえば国税局では「ふたば」というチャットボットを設け、税金に関する24時間の質問受付体制を構築しています。

時代は本当に機能するチャットボットを
求めている

チャットボットはこのほかにも導入事例はありますが、問い合わせを入力し、自動で反応を返すという仕組みを考えれば、顧客対応の場面で最も活躍するテクノロジーといえるでしょう。

とはいえ、チャットボットの返答が顧客の質問の意図と大きく異なるものであれば、顧客は「使えないチャットボットだ」と、不満を抱くことになるでしょう。質問内容を理解するAIを搭載しているか、その答えを出力できる能力を備えているか、チャットボットに搭載するAIの言語を理解する能力が試されます。

チャットボットが珍しいものではなくなった今、本当に人間の代役として機能する、スマートなチャットボットが求められる時代になったといえるでしょう。

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