2022年11月07日

NTTコミュニケーションズが展開する自律的学習支援
新施策“みんなの学びシェア”の概要と今後の展望をレポート

VUCA*時代といわれるような激しい変化の中で、市場や事業に求められる技術や専門知識は多様化・深化・短寿命化しています。また、コロナ禍でリモートワークを中心とした働き方への変化もある中、社員の学習行動にも新たな課題やニーズが顕在化しています。

社員個々の自律的な学習を支援するため、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は書籍による学習支援を“みんなの学びシェア”という名前で大きくリニューアルしました。「さまざまな学習支援の施策や制度を提供しているものの、イマイチ利用が進まない」「リモートワークが進んで、社員が思うように自己学習できていないようだ」などといった悩みを抱える企業も増えていると聞きます。まだまだ道半ばですが、少しでも参考になればと考え、本施策の概要や今後の展望をレポートします!

*VUCAとは:Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguityの頭文字を取った造語で、社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる状況のこと。

コンセプトは「人と良書をつなぐ」

従来から書籍購入の支援は事業組織やプロジェクト単位で独自に実施されていましたが、なかなか利用が進まないという声をよく聞いていました。リモートワーク中心の働き方になった中で、学習に関する課題やニーズについて、社員インタビューを通じて調査していくと、次のような課題があることが分かりました。

  • 書籍購入の補助があることはうれしいが、事前の決裁が面倒で検討しているうちに学習意欲を失ってしまう。
  • 会社の決裁だと個人所有の書籍や電子書籍は買えないので、会社の補助を利用する気になれない。
  • リモートワークになって、上司や同僚がどんなことに興味を持ったり、学んだりしているのか分からず、学習のきっかけやモチベーションを維持しづらくなった。

そこで、社内のタレントマネジメントシステムや制度を見直し、次のような仕組みを導入しました。

  • 事前決裁不要で書籍を購入し、簡易ワークフローで上長の承認を得れば費用支援を受けられる制度とプロセスを、Employee Experience(従業員体験)にこだわり抜いて構築。
  • 個人所有・電子書籍も購入可能。
  • タレントマネジメントシステム上で、書籍から得た自身の学びや気づきを共有したり、社内の仲間の学びや気づきを見つけたりすることができる。

社員の学習体験におけるペインやゲインを、カスタマージャーニーマップ手法などを用いて徹底的に分析・検証し、最大限に簡単な費用支援の制度・プロセスを整備しました。また、社員個々のスキルや経歴が登録されているタレントマネジメントシステム上で学びを共有し合える環境をつくることで、社内のロールモデルや経営層、またキャリア形成上気になっている組織の学びを知ることができ、学習のきっかけやモチベーションを維持しやすくなりました。

タレントマネジメントシステムにおける“みんなの学びシェア”ページ

また、知の共有化においては、これから読む書籍だけではなく、過去に読んだ良書からも得られるものが多いと考えています。そのような導線を確保することで、学び合いの文化醸成を促進する狙いもあります。

2022年4月の施策本格開始以降、約800件の学びシェアや約1000件の費用支援申請があり、社内の輪読会や勉強会などにも活用されています。

「とある人の学びシェアをきっかけに、次のキャリアパスが見えました」

本施策/システムの導入後、社員からは次のような声をもらっています。

  • 書籍を購入してから費用支援の申請ができるし、費用支援もめちゃくちゃ簡単なのでありがたいです。
  • この施策で各自が書籍を購入して、チームの輪読会に活用させてもらっています。
  • とある人の学びシェアをきっかけに、自身の興味/関心とその方の仕事がマッチしていることが分かり、自分の次のキャリアパスが見えました。

循環型の学び合い文化の醸成をめざして

この施策・システムは「学びをシェアする機能」と、その「学びを享受する機能」の大きく2つに分かれていますが、各機能において課題があります。

「学びをシェアする機能」では、費用支援を受けた後、シェアするモチベーションが乏しいことが挙げられます。自身のシェアがどれだけ他者の役に立っているのか、自身の学びをもとに意見交換をすることで、学びをより深化させることなどに挑戦したいと考えています。

一方「学びを享受する機能」について、現在は、個人の学びを能動的に見に行っても、限られた情報しか得られない体験になっていますが、今後は蓄積した情報の活用を検討しています。例えば、ランキングをはじめとした統計情報の見える化や、タレント・スキル情報を活用し、個人に寄り添ったリコメンドを実施するなど、より使いやすく展開していけたらと思います。

また、今後は書籍に加え、社内研修やセミナー、e-Learningや社内勉強会などにも学習リソースの対象を広げ、社員一人ひとりの小さな学びが、組織の大きな成長を創り出す、そんな循環型の学び合い文化を醸成していきたいと考えています。社内にたまっている皆さんの過去の情報を自動で取得して統計化することにより、より価値のあるプロダクトになると思っております。

◆ NTT Comではスカウト採用(社会人採用)を行っています。

スカウト採用ページはこちら

◆ 「プロダクトマネージャーカンファレンス 2021」に登壇しました。

「NTT Comのプロダクトマネジメントを根付かせるための挑戦」動画はこちら

社員メッセンジャー

NTTコミュニケーションズヒューマンリソース部

三村 正法

西日本営業本部にて京滋エリア企業様のアカウントセールスを担当したのち、現在はヒューマンリソース部で全社の人材開発を担当しております。NTT Comが行っている、新たな人材開発における挑戦を皆さんにお届けします。

関連記事

お問い合わせ

NTT Comでは、いつでもご連絡をお待ちしています。
ご用件に合わせて、下記の担当窓口からお問い合わせください。