ロブ・ペニーHCが就任し大きな変革の時を迎えた昨シーズンを、初のトップ8入りで終えたシャイニングアークス。次のステップへ上がるきっかけを掴めたシーズンではありましたが、同時に更なる飛躍のために大きな課題を突きつけられたとも言えます。
今年はラグビーワールドカップイヤーに当たるため、トップリーグ開幕が例年より約二ヶ月遅れの11月となります。それまでの期間をいかに過ごすかが、リーグ戦結果に直結します。そのシーズン始動となる毎年恒例の春合宿が、4月20日(月)~4月24日(金)の間、千葉ホームグランドで行われました。
ロブ・ペニーHCやヒュー・リースエドワードBKコーチ、外国人選手、新人選手たちはまだ合流できていませんが、新シーズンへの想いを胸に多くの選手たちが参加できました。また新任の大久保直弥FWコーチが加わり、和やかな中にも厳しさを織り交ぜたトレーニングが行われました。
合宿四日目の4月23日(木)に取材を行いました。この日のトレーニングレベルは「中~上」。そろそろ疲労が蓄積する頃ですが、順調な仕上がり具合を感じさせる選手たちの元気な姿を目にすることができました。
奥野純平ストレングス&コンディショニングコーチに、今年の春合宿の目的や課題などを聞きました。
――今年の春合宿のテーマは?例年との違いは?
昨シーズントップリーグ公式戦の結果を踏まえて、「体を強く、大きく、早く」ということをテーマにしています。またワールドカップイヤーということをポジティブに捉えて、ロブ・ペニーHCを中心にスキルトレーニングを行う前に、長い時間をかけてフィジカル強化の準備ができると考えています。
――今日こうして選手の体つきを見ても、既に大きくなっていると感じる選手が多いですが。
昨シーズンの2ndステージを初のトップ8グループで戦ったことで、こちらが追い込むというより、選手たちが自主的に自分たちの足りない部分を感じてくれたことが大きいと思います。今シーズンの開幕を考えれば、5月のゴールデンウィーク明けで集合した頃が、通常の4月頭のスタートにあたると思うのですが、みんなオフの間にもしっかりと体を作ってきていて、もう既に各自の体重のターゲットに近いところまで来ていますね。いい意味で驚いています。
――とは言っても、あまりやりすぎるとパンクしてしまうことはありませんか?
体重を上げ過ぎるといろんな怪我にもつながりますから、線を引きながら強化をしています。現在まで大きな怪我も無くターゲットレベルに近づいてきています。
――ワンシーズンで筋肉量はどのくらい上げられるものなのですか?
個人差が有り、例えばレレイ・マフィ選手などはちょっとウェイトをするだけですぐ筋肥大を起こしてしまうぐらい日本人からすると恵まれた体なのですが、チームには若い選手が多く、彼らはまだまだ伸びしろが十分ありますから筋肉量で4~5kgぐらい増やしていくことは問題有りません。
――昨シーズンにトップリーグデビューした新卒選手たちは、フィジカルの差を感じていましたか?
実際に社会人と戦ってみて、大学のレベルとは違うフィジカルの壁を強く感じていました。そこに気づきましたので、春からがんばっています。
――チーム合流前のロブ・ペニーHCから与えられた課題は?
とにかく「体を強く、大きく、早く」しておいてくれと、すごくシンプル且つプレッシャーのかかる注文をもらっています。