「東京ベイダービー」敗戦を糧に前へ!!
戦いはレギュラーシーズン最終戦へ
NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス東京ベイ浦安の戦いは佳境を迎えた。
NTTリーグワン2022、最高峰ディビジョン1(D1)のレギュラーシーズンは残り2試合。
ゴールデンウィークの5月1日(日)、9位につけるアークスは、2位(11勝3敗)のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦を迎えた。今季2度目の「東京ベイダービー」だ。
舞台はクボタスピアーズ船橋・東京ベイのホストスタジアムである東京・江戸川区陸上競技場。
先週NECグリーンロケッツ東葛に勝利したアークスは、下位2チームが回る入替戦を回避する9位にランクアップ。さらに上位を目指し、白星を重ねていきたい。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイには第2節で敗戦(9-19)を喫している。同じ千葉県内に拠点を持つ仲間だが、負けられないライバルでもある。
アークスは相手が自信を持つフォワードで真っ向勝負を挑む。注目のメンバーは、勝利した先週のラインナップから、先発6人(フォワード4人、バックス2人)が変更された。
フォワードはリーグ屈指のスクラム猛者であるPR(プロップ)齋藤剣、攻防両面でハイレベルなHO(フッカー)アナル・ランギ。
そして41歳になったLO(ロック)トンプソンルーク、攻守に脅威であり続けるNo.8(ナンバーエイト)ジミー・トゥポウが先発へ。
バックスは10番経験も豊富なSO(スタンドオフ)グレイグ・レイドロー、そして本職FB(フルバック)での先発を掴んだ安田卓平の6人だ。
またリザーブには金正奎クラブキャプテン、セブンズ日本代表歴のある鶴田諒、出場すればルーキーとしてSH(スクラムハーフ)飯沼蓮に続いて2人目のリーグワンデビューとなるPR柳川正秀が入った。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイのCTB(センター)立川理道キャプテンが「前半は厳しい戦いでした」と振り返ったように、最初の40分間はアークスが先手を打ち、主導権を握った。
シーズンが深まり、アークスは課題だった「序盤戦」を克服した。
まず前半3分にキャプテンのCTBシェーン・ゲイツが先制トライ。鋭いパスでトライをアシストしたのはPR竹内柊平だった。
さらにアークスはプレースキックの名手であるSOレイドローがPG(ペナルティゴール)を成功。前半6分までに10点を奪ってみせた。
ここで、江戸川区陸上競技場では今季負けなしのクボタスピアーズ船橋・東京ベイも反撃。
前半24分にルーキーの木田晴斗選手が左サイドにスコア。しかしコンバージョンは外れ、さらに両軍がPGを決め合った。
アークスはFB安田が的確な判断&ランで好調ぶりを発揮。LOトンプソンは献身的なディフェンスで貢献。フォワード陣はリーグ最重量級の相手に一歩も引かず、アークスの5点リード(13-8)で後半へ向かった。
難しい戦いとなったのが後半だ。
守備では相手得意のオフロードパスに苦しみ、攻撃では相手のディフェンスに苦しんだ。
まずFBゲラード・ファンデンヒーファー選手に後半早々(4分)にトライを奪われると、自陣でジャッカルに遭うなどして劣勢に。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイはさらに後半12分のトライと2PGを追加。試合時間残り20分で、ビハインドは13点(13-26)となってしまった。
ここでアークスのベテラン組が躍動した。
30歳のWTB羽野一志は芯を衝くタックルで落球を誘い、ターンオーバーを演出。途中出場で31歳のPR上田竜太郎が入り、スピアーズのスクラムに重圧をかけた。
すると敵陣に入ったアークスは後半28分、FW一丸のモールで押し込み、途中出場の金正奎が追撃のトライ!!かと思いきや、ここはビデオ判定の結果ノートライの判定となってしまった。
モメンタム(勢い)を削がれたアークスは窮地となる。
アークスのパスミスから始まった相手の攻撃で、クボタスピアーズ船橋・東京ベイが得意のオフロードパス。点差を詰めるチャンスが一転、逆襲を受けてビハインドは20点(13-33)となった。
アークスはジミー・トゥポウ、三宮塁らの低空タックルが冴えた。大型FWを的確に激しく止める。しかしオフロードパスをつなぐスピアーズは、後半34分に連続トライ。リードを40-13に広げた。
アークスは終盤にもゴール前でFWが縦突進で意地を見せたがトライを取り切れず、得点を上積みできない。
ラストプレーはスクラム。途中出場からリーグワンデビューを飾ったPR柳川をはじめ、FW8人が無事にボールを確保。しかしノックオンがあり、ここでノーサイド。
後半はノートライに抑えられ、13-40で敗戦。今季2度目の東京ベイダービーは悔しい結果となった。
負けられない戦いは、ついにレギュラーシーズンの最終節(第16節)に持ち越された。まだ下位2チームによる入替戦出場の可能性はある。
5月8日(日)は開幕節で勝利したコベルコ神戸スティーラーズが相手だ。
アークスは今季初めてセカンダリーホストエリアの宮城県仙台市に上陸。ユアテックスタジアム仙台を舞台に、今季5勝目、そしてD1残留を掴みにいく。