甦ったアークス・アタック!!今季最多42得点、
今季最大30得点差で快勝!!
「キーワードにしていた『アークス・アタック』を体現できました」(HO(フッカー)藤村琉士)
ロブ・ペニー監督がダイナミックな攻撃のイメージとして、指導1期目のスローガンとしても採用していた「アークス・アタック」(Arcs ATTACK)。
フォワードとバックスが一体となり、ボールをダイナミックかつ華麗に動かすアタックが、NTTリーグワンで炸裂した。
「ここ数週間、勝ちに値するラグビーを見せる場面もありましたが、結果に繋がらず苦しんでいました。今日はブラックラムズさんのような良いチームを相手に、80分間、我々が望むような良いラグビーをして、見ている方に楽しんでもらえるスタイルを表現できたと思います」(ペニー監督)
NTTリーグワンの最高峰「ディビジョン1(D1)」に所属する2勝8敗(12位)のNTTコミュニケーションズ シャイニングアークス東京ベイ浦安。
トップ12チームによる熱戦は第11節を迎え、3月27日は、ホストスタジアムである東京・江東区夢の島競技場で、3勝7敗のリコーブラックラムズ東京を迎え撃った。
リコーブラックラムズ東京は攻守の粘り強さが大きな武器のひとつ。昨年12月の練習試合では33-31で勝利したが、終盤まで結果の分からない大接戦となっていた。
アークスは先週から先発7人(FW4人、BK3人)を入れ替えた。
PR(プロップ)竹内柊平、LO(ロック)サム・ジェフリーズ。そしてクラブキャプテンのFL(フランカー)金正奎、第2節以来、約2か月ぶりのスタメン復帰がNo.8(ナンバーエイト)リアム・ギルだ。
バックスはSH(スクラムハーフ)グレイグ・レイドローと、FB(フルバック)ヘンリーブラッキンが急きょスタメンに。ボールキャリアーとして大活躍しているCTBトゥクフカトネも先発復帰。
またリザーブには、トヨタヴェルブリッツ戦で負傷交代していた鶴田諒がリザーブに入り、途中出場から随所で活躍した。
曇天の午後2時30分、風下から80分間をスタートさせたアークス。
開始5分で10点を奪う、最高のスタートを見せた。
アークスは自陣からSHレイドローのボックスキックをWTB(ウイング)石井魁がハイジャンプで捕球。ここで約2か月ぶり出場のNo.8ギルが速攻!!
相手の反則を引き出し、ペナルティ獲得。PG(ペナルティゴール)でいきなり3点を先制。
さらにリスタート後にはPR齊藤がジャッカル成功。敵陣に入ると、CTBトネのビッグヒットから、CTBゲイツ主将がロングゲイン。フォローしていたWTB石井魁が飛び込み、あっという間に10点を奪った。
風下ながら見事なスタートダッシュを決めたアークス。
対するリコーブラックラムズ東京は前半12分、相手8番がNo.8ギルへの危険なタックルによりレッドカードの退場処分。
数的優位となったアークスはその後、自陣でピンチを迎えるが、昨シーズンの共同キャプテンが躍動。LO中島進護はジャッカル、FL金正奎は相手のラインアウトモールを押し返す好守!!見事に失点を防いだ。
アークスはスクラムでも相手からペナルティを奪って優勢に。鉄壁ディフェンスから敵陣に入ると前半28分、SO(スタンドオフ)オテレ・ブラックのPG成功で13-0とリードを拡大。
ニュージーランド出身のSOブラックはこの日絶好調。
前半34分には相手ゴール前で、途中出場の鶴田諒へのクロスキックを通してトライアシスト。コンバージョンは不成功もリードは18-0に。
前半41分、今季D1最多のDF突破数を誇る相手SOアイザック・ルーカス選手にトライを許したが、13点リード(18-5)で後半へ向かった。
後半は風上になったアークスは、ギアを上げた。
フランカーでの途中出場となったアナル・ランギは、フランカーが本職のようなタックル、ジャッカルを披露。成長が止まらないPR竹内も中盤で相手ラックをターンオーバー。
後半10分にはモール攻撃からLO中島が押し切り、後半最初のスコア。同17分のPG成功でリードは23点(28-5)に。3トライ3ゴールでも届かない点差をつけた。
アークス・アタックは止まらなかった。
「フォワードとバックスが一体となって良いアタックができたのではないかと思います」(PR齊藤)
トライゲッターのWTB石井魁はジャッカルでも大貢献。自陣でターンオーバーを起こすと、SOブラックが一瞬の加速でライン突破。
さらにCTBトネのピック&ゴー、そして豊富な運動量を誇る2人(HO藤村、FLジェームス・ムーア)と繋いで後半18分、勢いを維持したままトライ奪取で30点差(35-5)!!
粘り強いリコーブラックラムズ東京も、アークスのノックオンから切り返して1トライを奪うが、ホストで快勝を見せたいアークスは後半33分。
自陣から巧みなパスでWTB石井魁が突破!!途中出場のSH湯本睦とのパス交換で、ふたたびボールを受けてゴール下に回り込んでグラウンディング!!
最後は途中出場の鶴田諒が相手のパスミスに詰めて、ターンオーバー。ボールを蹴り出し、42-12でアークスが快勝。
今季最多42得点、最大得点30点差の大勝で、今季3勝目。順位も一つあげて11位に。プレイヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)はHO藤村琉士が初受賞となった。
次戦は今季2度目の対戦となる昨季王者の埼玉ワイルドナイツだ。前回対戦では5-48で敗戦しているが、上昇気流に乗って思いきりぶつかりたい。