試合日程・結果 / FIXTURES & RESULTS

2022年3月13日14時30分 KICK OFFNTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022 SEASON リーグ戦

シャイニングアークス東京ベイ浦安シャイニングアークス東京ベイ浦安

vs

静岡ブルーレヴズ静岡ブルーレヴズ

10vs27

前半3 - 13

後半7 - 14

ホストで悔しい敗戦!
武器のスクラムでは強制シンビンも

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「28%」はリーグ最高峰のディビジョン1でトップだ。NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス東京ベイ浦安は最後まで諦めない。その証拠となるデータの一つが、「後半の被トライの割合」だ。

NTTリーグワン2022は折り返しの第9節を迎えたが、アークスは3つの不戦敗をのぞく実戦5試合で、後半の被トライの割合が28%(18本中5本)。ディビジョン1で最も低いのだ。

また後半開始からの20分間の失トライ数はわずか「1」で、こちらもディビジョン1で最小。

諦めない。戦い抜く――。その姿勢は第9節静岡ブルーレヴズ戦の終盤、敗色濃厚となった状況においても貫かれていた。

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アークスは3月13日(日)、同じく2勝6敗の静岡ブルーレヴズと激突した。

舞台は2週間前の逆転勝利(東芝ブレイブルーパス東京戦/22-21)が記憶に新しいホストスタジアム、東京・夢の島陸上競技場だ。

相手となった静岡ブルーレヴズの前身は、4強常連としてならしたヤマハ発動機ジュビロ。セットプレーが伝統の武器だが、NTTリーグワンでは攻撃がより多彩になっている。

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3勝目を狙うアークスは、前節のトヨタヴェルブリッツ戦から先発15人中6人(FW3人、BK3人)を変更した。

入団2年目を迎える同期コンビ、HO(フッカー)藤村琉士とFL(フランカー)松本健留は揃って先発出場。また米国の大卒ルーキーであるFLマッケンジーアレキサンダーも記念すべき公式戦初スタメンとなった。

そして元スコットランド代表キャプテンのSH(スクラムハーフ)グレイグ・レイドローが今季初先発。両翼もそろって変更となり、WTB(ウイング)安田卓平、石井魁がスタメンに。

リザーブには後半から加入後2試合目の出場を果たした新加入のトンプソンルーク。そしてプレシーズンマッチから好調だった技巧派SH西橋勇人が初のメンバー入りを果たし、後半リーグワンにデビューを果たした。

またこの日はPR(プロップ)庵奥翔太が記念すべきリーグ50試合出場を飾った。

「シャイニングアークスで50キャップを取ったことは、自分の人生においての誇りです」(PR庵奥)

ゲームキャプテンは今季初めてNo.8(ナンバーエイト)ジミー・トゥポウが担当し、穏やかな午後2時30分、ホストスタジアムの空に鉄笛が響いた。

※静岡ブルーレヴズ戦のメンバーはこちら!!

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前節トヨタヴェルブリッツ戦では立ち上がりが課題となったが、この日も前半7分にサインプレーから突破を許し、先制トライを許してしまう。

また前半はペナルティ数が11回と多く(後半は5回)、前半11分にはペナルティを得た相手がショット成功。

「最初にペナルティを多く取られたことは反省です。先制点を相手に取られたことを含め、後手に回ってしまいました」(PR庵奥)

10点(0-10)を追いかける展開となったアークスは、ここで今季初先発の元帝京大キャプテン、FL松本健留がムードを変えた。

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大学時代のケガから見事に復帰したタックラーは、失トライ直後、自陣脱出を狙った相手10番のキックをチャージ。敵陣ラインアウトのチャンスを呼び込み、前半最後のピンチではチームを救うジャッカルを披露した。

また注目だったスクラム対決では、自慢のフロントロー(FW第1列)がパワーを見せつけた。

アークスは前半26分にも守備で反則(オフサイド)があり、またも相手のペナルティゴール成功で3点を失うが、前半27分には相手を貫くビッグスクラム!!

日大出身のPR庵奥、その後輩であるHO藤村、そしてPR竹内柊平を最前列に据えたスクラムで、この日2度目の強制ペナルティを奪取。

攻勢を強めたアークスは前半32分にPGを決め、ビハインドを10点(3-13)に縮めて後半へ向かった。

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後半に風上となったアークスは、いきなり自慢の攻撃力でトライを奪う。

キックオフからボールを確保すると迫力のある波状攻撃。さらに大阪産業大学出身で来日13年目になるCTB(センター)トゥクフカトネが、ハンドオフを交えて敵陣奥へ。

SO(スタンドオフ)オテレ・ブラックの突破&オフロードパスでLO(ロック)中島進護が突進すると、順目への展開からFB(フルバック)イズラエル・フォラウが相手を弾き飛ばしてインゴールへ!!

パワーと技術が散りばめられた「スペースにボールを運ぶラグビー」で5点奪取。コンバージョン成功で2点を加え、3点差(10-13)に迫った。

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後半11分にはクラブキャプテンのFL金正奎、キャプテンのシェーン・ゲイツが右のウイングに入って攻勢を強めた。勝負所ではLO中島進護がジャッカルで攻撃権を奪うなど、キャプテン経験者が見せ場を作るが静岡ブルーレヴズのLO大戸裕矢キャプテンが試合後「ディフェンスの出来はポジティブに捉えている」と語ったように、ブルーレヴズは堅陣を敷いてトライを許さなかった。

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しかしアークスにはスクラムがある。

後半13分から1番に入ったPR齊藤剣を交えたスクラムで、相手3番が3回連続でペナルティ!!ここで反則の繰り返しにより相手3番がシンビンに。

ここで一度は7点が入るペナルティトライが宣告されたが、スクラムのボール投入前だったとして、「その反則がなければトライ」という場合に適用されるペナルティトライは無効に。

その後の得点チャンスで反則があり、自陣に後退。アークスは得点機を逃してしまった。

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後半27分にはPR竹内が強烈なキャリーで前進し、敵陣22mに侵入するが、課題であるラインアウトでミスが起こって再び後退。同30分にはCTB鹿尾貫太選手にトライを許し、ビハインドは10点(10-20)に。

アークスは残り3分の状況で、CTBトゥクフカトネが不当なプレーでシンビンとなる窮地に。

しかしアークスは諦めない。後半37分投入のチームマン、SH西橋が得意の速攻!!ここはノックオンでチャンスを逸するが、果敢な攻防で勝負をかける。

ここから逆襲を受けたアークス。相手SOサム・グリーン選手の突破からオフロードパスを次々に繋がれ、ダメ押しのトライを許す。

しかしWTBヘンリー・ブラッキン、FBフォラウが最後の最後まで相手を追いかけた。後半40分にトライを許し、フルタイム。最終スコアは10-27だった。

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試合終了後、アークスは自陣で堅い円陣を組んだ。

「(円陣では)一試合を通してペナルティが多かったことなどを話しました」(PR庵奥)

次戦は3月20日(日)に対戦するリーグ首位の東京サントリーサンゴリアス。昨シーズン、東京・駒沢で94失点を浴びた相手だ。SH湯本睦が第5節の試合後にこう語っていた。

「昨シーズンに東京サンゴリアスさんに94点取られたことが心に残っていて(トップリーグ2021第7節/31-94)、チーム一丸になって、点数関係なく80分ゲームを戦い抜くことを課題にしてきました」

今季の特徴である粘り強さは、あの94失点によって培われてきた。諦めない。戦い抜く――。その進化と真価を見せる刻がやってきた。

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ロブ・ペニー監督の声

Pロブ・ペニー監督

静岡ブルーレヴズさんには「おめでとうございます」と伝えたいです。クロスゲームでどちらに転んでもおかしくない試合でした。シンプルにレフリーの判定によってペナルティが増えました。

プレッシャーが掛かった状況においてもスキルを遂行する、といった基本的な部分について、一貫性をもってプレーしなければなりません。私たちは局面においてはできていますが、一貫性は課題です。

いつもゲインラインを取れるわけではありません。それでもすぐリサイクルをして、残りの選手たちが素早くポジション取りをして、相手が反則をするまでアタックを続ける――。そうした忍耐強いプレーが今の自分たちに足りないところです。

No.8 ジミー・トゥポウ ゲームキャプテンの声

No.8 ジミー・トゥポウ選手

静岡ブルーレヴズさんは伝統的にフィジカルなチームで、そこでは負けていない闘いができたと思います。ペナルティが多いと勝てる試合もこうして落としてしまいます。

――前半は反則が多くありました(前半11回、後半5回)。

反則が増えると思うようなプレーができないので、自分たちとレフリーとの認識の相違をゲーム中に埋めていかなければなりません。

――ペナルティトライを逃しましたが、チームにどんな影響がありましたか?

失望はしていましたが、その後スコアできるチャンスはありました。そこで精度を欠くプレーがありました。いつも計画通りにいくわけではなく、そこで正確なプレーをどれだけ出来るかが私たちの課題です。

PR 庵奥翔太選手の声

PR 庵奥翔太選手

――トップリーグから通算50キャップ(試合出場)を達成しました!

トップリーグ、リーグワン含めてここまで出られるとは思っていなかった、というのが正直なところです。シャイニングアークスで50キャップを取ったことは、自分の人生においての誇りです。

――試合についてはいかがでしょうか?

最初にペナルティを多く取られたことは反省です。先制点を相手に取られたことを含め、後手に回ってしまいました。

そこからセットプレー、相手ボールのスクラムでプッシュして取れたことは大きかったですが、そのままずっとドミネート(圧倒)を続けていたら、もっと良い結果になっていたのではと思います。仕留めきれなかった、自分たちのミスで息を吹き返させてしまったという想いがあります。

――静岡ブルーレヴズもスクラムにこだわりがありますが、どんな意気込みで臨みましたか?

フロントローは斉藤(展士)コーチをはじめ、毎週ミーティングをしてしっかりやっている部分です。出来た部分、出来なかった部分、両方はあります。自分たちのやってきたことを出した時のスクラムが良く、できていない時は相手にプレッシャーをかけられました。

――シャイニーの皆さんへメッセージをお願いします。

僕たちはスペースにボールを運ぶラグビーで、見ていて面白いラグビーを続けていきます。引き続きシャイニングアークスへの応援、よろしくお願いします。

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